中国全国水泳選手権でパン・ザンレが男子400m金、女子はアジア新記録
中国の全国水泳選手権(広東省・深圳市)で、男子100メートル自由形の世界記録保持者として知られるパン・ザンレが、男子400メートル自由形で金メダルを獲得しました。同じ大会では女子400メートル自由形でリー・ビンジエがアジア新記録を樹立しており、中国水泳界の層の厚さがあらためて示されています。
男子400メートル自由形:短距離スターが長距離でも頂点に
今回の全国水泳選手権は、国際舞台でも注目される中国水泳の現在地を映す大会です。その男子400メートル自由形で、普段はスプリント種目のエースとして知られるパン・ザンレが、4倍の距離でも存在感を見せました。
パンは決勝で自己ベストとなる3分45秒34をマークし、強豪ぞろいのレースを制しました。決勝には、かつて五輪で金メダルも獲得したベテランのスン・ヤンや、予選トップ通過のフェイ・リーウェイも出場しており、国内トップ選手が顔をそろえるハイレベルな一戦となりました。
予選3位からの巻き返し
パンは予選では3位にとどまり、決勝では3コースからのスタートでした。隣には予選最速のフェイ・リーウェイ、そしてスン・ヤンが並ぶという布陣です。
レースは序盤から動きました。最初の100メートルを折り返した時点で、先頭に立っていたのはパン。その直後にフェイが続き、スンが3番手につける展開となりました。
中盤に入ると、250メートル付近でフェイがパンをとらえて一時は逆転。しかしラスト50メートル、パンが再びスパートをかけてトップに返り咲き、そのままフィニッシュ。フェイが銀メダル、スンが銅メダルとなりました。
「予想外の勝利」それでも大きな自信に
レース後、パンは今回の優勝について次のように振り返っています。
「このレースで勝てるとは思っていませんでした。最近は長距離向けの体系的なトレーニングをしていなかったので、本当に自分にとってサプライズです。この勝利は間違いなく自信につながります。」
本来は100メートル自由形のスペシャリストであるパンが、400メートルでも優勝し自己ベストを更新したことは、今後の種目選択や戦略にも影響を与えそうです。短距離のスピードと、中長距離を泳ぎ切るスタミナの両方を示したことで、国際大会での起用法にも広がりが出る可能性があります。
ベテランのスン・ヤン、「若手と泳げることがうれしい」
一方、3位に入ったスン・ヤンも、なお高い存在感を示しました。大会後のコメントでは、結果以上に、水泳と向き合う現在の心境を語っています。
「ここにいられることが本当にうれしいです。この大会は国内でもトップレベルですし、若い選手たちと一緒に泳げて幸せです。今は勝ち負けにそれほどこだわっていません。自分自身と家族のために泳いでいて、20年近くプールに立ち続けてきた自分を裏切りたくないのです。」
「相手は自分よりずっと若い選手ばかりですが、気持ちの上では、今でも自分を若いスイマーだと思っています。」
長年、国際舞台で中国水泳をけん引してきたベテランが、年齢にとらわれず、今も前向きに競技へ向き合っている姿は、多くの若手にとっても刺激になりそうです。
女子400メートル自由形:リー・ビンジエがアジア新記録
同じ大会の女子400メートル自由形では、リー・ビンジエが歴史的な泳ぎを見せました。23歳のリーは3分59秒99でフィニッシュし、自らが2年前に樹立していたアジア記録(4分1秒08)を1秒09も更新しました。
4分を切る「4分の壁」は、女子400メートル自由形において一つの大きな基準とされています。その壁をわずかに超える3分59秒台に到達したことで、リーはアジア女子中長距離自由形の新たな基準を打ち立てたと言えます。
アジア記録更新が意味するもの
リーが記録を縮めた1秒09という差は、400メートルという距離では非常に大きな前進です。単に自己ベストを更新しただけでなく、アジア全体のレベルを押し上げる成果だと受け止められます。
今回の記録により、今後の国際大会でのメダル争いに、アジアの女子選手がより深く関わっていく可能性も高まります。リーに続く世代の選手たちにとっても、大きな目標となる記録です。
中国水泳の「世代交代」と「層の厚さ」
パン・ザンレの優勝と、スン・ヤンの健在ぶり、そしてリー・ビンジエのアジア新記録。この3つのトピックは、中国水泳の現在を象徴的に映し出しています。
- 若手エースが新たな距離に挑戦し、結果を残していること
- ベテランが第一線で泳ぎ続け、競技文化を支えていること
- 女子種目で大陸レベルの記録が更新され続けていること
国内大会でありながら、世界レベルの記録や名前が並ぶ中国の全国水泳選手権は、今後の国際大会の行方を占う上でも重要な指標になっています。アジアの水泳ファンにとっても、注目しておきたい大会と言えるでしょう。
日本を含むアジア各国・地域の競泳陣にとっても、中国の動向は無視できません。今回の結果は、男子・女子ともに自由形の中長距離種目で、中国が引き続き高い競争力を持っていることを示しています。これからのシーズン、国際舞台でのレースで、今回名前が挙がった選手たちがどのような泳ぎを見せるのか、注目が集まりそうです。
Reference(s):
Pan wins men's 400m freestyle gold at National Swimming Championships
cgtn.com








