中国共産党の作風改善キャンペーン 蔡奇氏が「問題解決」重視を強調
中国共産党(CPC)の高級幹部である蔡奇氏が、中国の「作風改善」を目的とした全党教育キャンペーンで、現場の課題を起点とする問題解決型の取り組みと、厳格な運営基準の徹底を呼びかけました。
党の「作風改善」キャンペーンとは
この教育キャンペーンは、党中央が打ち出した8項目の決定に基づき、党の作風や仕事の進め方を改善することを目的としています。全党を対象にした取り組みで、幹部から基層の党員までを含む広い範囲が対象となっています。
キャンペーンは2025年3月中旬に始まり、同年7月下旬まで実施される計画でした。蔡氏は、この期間を通じて、学習、視察、問題是正を一体で進める仕組みづくりが重要だと強調しました。
唐山の現場から見えた課題意識
蔡氏は河北省唐山市を2日間にわたって視察し、郷鎮や村、街道やコミュニティに加え、地元企業や基層党組織を訪問しました。現場の状況を確認しながら、キャンペーンの運営方針や期待される成果について具体的なメッセージを示しました。
視察の中で、蔡氏はキャンペーンを通じて組織の体質そのものを改善していく必要があるとし、単なるスローガンや形式にとどめず、実際の問題解決につなげるよう繰り返し呼びかけました。
現場に即した「問題志向」と厳格な基準
今回の発言のキーワードは、問題志向と厳格な基準です。蔡氏は、次のような点を重視する姿勢を示しました。
- 現場で見つかった具体的な問題から出発する問題志向の姿勢
- 学習、視察、是正を組み合わせた一体的な取り組み
- 行政レベルや地域、分野、業種ごとに合わせたきめ細かな指導
- キャンペーンを基層レベルまで広げ、地域の実情に密着させること
- 全面的な農村振興や基層ガバナンスの強化と結びつけて進めること
- 企業では、生産や経営活動と教育キャンペーンを両立させること
- 住民の意見を丁寧に聞き、見つかった問題は先送りせずに対応すること
- とくに顕在化した重要かつ喫緊の課題に重点的に取り組むこと
蔡氏は、こうした方針を通じて、キャンペーンの「深さ」と「実効性」の両方を確保する必要があるとしています。
農村振興と基層ガバナンスと結びつける
教育キャンペーンが基層レベルに広がるなかで、蔡氏は「地方の現実に根ざした運営」を重視しています。基層の党員や幹部は、キャンペーンを単独の取り組みとしてではなく、全面的な農村振興や基層ガバナンスの強化と一体的に進めるべきだと指摘しました。
ここで言う基層ガバナンスとは、村や町、都市コミュニティなど、住民に最も近いレベルでの行政や自治の仕組みを指します。教育キャンペーンを通じて、こうした現場での責任感や実行力を高めることが狙いとされています。
企業現場でも「両立」を重視
企業に対しては、教育キャンペーンを生産や経営活動と切り離さず、両者を同時に前進させるよう求めました。つまり、キャンペーンのために業務が止まるのではなく、組織運営の質を高めることで、生産やビジネスにも良い影響を与えることを目指す考え方です。
企業の現場では、効率や収益性といった指標だけでなく、仕事の進め方や組織文化の改善が重視されつつあります。蔡氏のメッセージは、こうした流れを後押しする位置づけとも言えます。
住民の声を起点にした問題解決
蔡氏は、問題解決の過程で、住民や利用者の声を積極的に聞くことの重要性も強調しました。現場からの意見や不満、提案を踏まえ、見つかった問題には「その都度、断固として、厳格に対応する」姿勢が示されています。
特に、目立っている問題や緊急性の高い課題については、優先順位を上げて取り組むよう求めました。教育キャンペーンを、単なる内部向けの取り組みではなく、住民サービスや地域運営の改善につなげようとする意図がうかがえます。
中国政治を読み解くうえでの視点
今回の教育キャンペーンは、党の作風改善を掲げつつ、農村振興、基層ガバナンス、企業運営といった幅広い分野と結びつけて進められています。これは、中国の政策遂行力や行政運営のあり方を理解するうえで、重要な手がかりとなる動きです。
今後も、こうしたキャンペーンが地方の現場でどのように運用され、どのような成果や変化を生んでいくのかを追うことで、中国の統治モデルや社会との関わり方をより立体的に捉えることができそうです。
同時に、「問題を見つけたら、その場で直す」というメッセージは、私たち自身の職場やコミュニティの運営を見直すヒントにもなります。国境を越えて応用できる視点として、日常の会話や議論のきっかけにしてみる価値がありそうです。
Reference(s):
Senior CPC official stresses problem-solving in Party campaign
cgtn.com








