中国、米国のAI半導体輸出指針に是正要求 「差別的」と批判
中国商務省が、米国商務省によるAI半導体(AIチップ)輸出ガイダンスは中国企業を狙い撃ちにした「差別的な実務」だとして、直ちに是正するよう米側に求めました。Huawei(華為)製の先端AIチップを巡る米中の駆け引きが、あらためて国際ニュースの焦点となっています。
発端は米商務省のAIチップ輸出ガイダンス
今回の国際ニュースの発端は、米国商務省産業安全保障局(BIS)が5月7日付で公表したAIチップ輸出管理に関する通知です。この通知は、HuaweiのAscendシリーズなど中国の先端AIチップの利用が、世界のどこで行われた場合でも米国の輸出管理法令に違反するおそれがあると警告しました。
米側はこの通知で、米国由来のAIチップが中国のAIモデルの訓練や推論(インファレンス)に利用される「国家安全保障上のリスク」があると主張しました。その数日後、BISは公表文の表現をひそかに修正し、「違反する」との断定的な表現を削除する一方で、中国の先端AIチップや特定のHuawei Ascendプロセッサーを利用することの「リスク」を改めて強調しました。
中国商務省「文言変更でも本質は変わらず」
中国商務省の報道官は今週、メディアの取材に対し、米商務省が通知の表現を見直したことは認識しているものの、「ガイダンス自体の差別的な性格と、市場競争をゆがめる本質は変わっていない」と指摘しました。
報道官によると、中国側は5月12日の米側発表直後から二国間の協議ルートを通じて強い抗議を伝え、このガイダンスはジュネーブでの高級レベルの中米貿易協議で得られた合意に深刻に反すると主張してきました。
商務省は声明で、米国があいまいな口実の下で輸出管理措置を乱用し、中国の半導体製品への規制を一段と強めていると非難しました。さらに、中国の企業が中国本土の国内市場で自国製チップをどのように利用するかにまで干渉しようとするやり方を、「典型的な一方的ないじめ行為だ」と批判しています。
こうした措置は、中国企業の正当な権益を著しく損なうだけでなく、世界の半導体サプライチェーンの安定性を脅かし、グローバルな科学技術イノベーションを妨げると中国側は強調しました。
「他人をつまずかせても、自分は速く走れない」
商務省は米国の対応について、「他国の足を引っ張っても、自分が速く走れるわけではない」とも述べました。さらに、「石を持ち上げて自分の足の上に落とすようなものだ」と、中国のことわざを引き合いに出し、こうした一方的な保護主義は最終的に米国のハイテク産業の競争力をもむしばむと警告しました。
ジュネーブ合意と米中経済関係の行方
中国側は、米国に対し「誤りを直ちに正し、中国を狙い撃ちにした差別的措置を停止するよう」求めています。そのうえで、双方がジュネーブでの合意の精神を堅持し、既存の貿易協議メカニズムを通じて意思疎通を強め、持続可能で互恵的な二国間経済関係の構築を目指すべきだと訴えました。
一方で商務省の報道官は、「もし米国が中国の利益を損なう行為を続けるのであれば、中国は自国の正当な権益を守るために断固たる行動を取る」とも表明しています。具体的な対抗措置には触れていないものの、必要に応じて対応する姿勢をにじませました。
読者は何を見ておくべきか
AI半導体をめぐる今回の米中の応酬は、単なる二国間の対立を超え、グローバルな技術競争とサプライチェーンの行方に直結する問題でもあります。今後、次のような点が注目されます。
- AIチップや半導体に対する輸出管理・使用規制がどこまで広がるのか
- 国際企業が調達網や投資計画をどのように見直していくのか
- 米中が対立を管理しつつ、貿易協議を通じて安定したルール作りを進められるのか
日本を含む各国・地域の企業や投資家にとっても、AIと半導体をめぐる国際ニュースは今後のビジネス環境を左右する重要な材料です。今回の中国のメッセージが、米国の政策と米中関係の今後にどのような影響を与えるのか、引き続き注視する必要があります。
Reference(s):
China urges U.S. to correct discriminatory chip export guidance
cgtn.com








