中国とドイツ外相が電話会談 保護主義とデリスキングに共同対抗を確認
中国とドイツ外相が電話会談 保護主義に共同で異議
中国の王毅外相は、就任したばかりのドイツのヨハン・ワーデプル外相と電話会談し、中国とドイツが一方的な制裁や保護主義に反対し、自由貿易と多国間主義を守るべきだと呼びかけました。会談では、台湾問題、中国と欧州連合(EU)の関係、中国製電気自動車(EV)をめぐるEUの反補助金調査、ウクライナ危機など幅広いテーマが取り上げられました。
一方主義と保護主義に対抗 キーワードは自由貿易とサプライチェーン
王毅外相は、中国とドイツは世界経済に大きな影響力を持つパートナーであり、その関係は二国間の枠を超えて世界の経済成長と戦略的安定に関わると強調しました。そのうえで、二国間協力が、いわゆるデリスキングの名の下で不当に損なわれることがないよう、共に防いでいくべきだと呼びかけました。
デリスキングとは、特定の国や地域への依存度を下げるとして、サプライチェーン(供給網)を見直す動きを指します。王毅外相は、これが過度な保護主義やブロック化につながりかねないと懸念を示し、中国とドイツが自由貿易の擁護やグローバルな産業・サプライチェーンの安定維持で協力するよう提案しました。
中国製EVの反補助金調査と中国・EU関係
会談では、EUによる中国製EVへの反補助金調査も重要な議題となりました。王毅外相は、この問題が早期かつ適切に解決されることを期待すると述べ、中国としてはEUと同じ方向に向かい、協議を通じて妥当な解決策を探りたいとの姿勢を示しました。
2025年は、中国とEUが外交関係を樹立してから50周年にあたります。王毅外相は、中国とドイツの「質の高い協力」を通じて、中国・EU関係に新たな原動力を与えてほしいとドイツ側に期待を表明しました。
これに対しワーデプル外相は、新しいドイツ連邦政府は中国との関係を重視しており、中国に対して積極的で前向きな政策をとる意向だと応じました。また、EUの中で主導的な立場にあるドイツとして、中国製EV問題などの懸案についても対話と協議を通じた解決を支持すると述べました。
台湾問題と一つの中国原則
王毅外相は、台湾問題は中国の核心的利益に関わる重要な問題だと指摘しました。そのうえで、ドイツが一つの中国原則をしっかりと堅持すると信頼していると述べ、台湾をめぐる立場への理解と支持を求めました。
この発言は、中国にとって台湾問題が他の政策課題とは一線を画す最優先事項であることを、改めてドイツ側に確認したものだといえます。
国連中心の国際秩序と多国間主義を擁護
王毅外相は、中国とドイツがともに、真の多国間主義を実践し、国連を中核とする国際システムを守る役割を担うべきだと呼びかけました。具体的には、
- 自由貿易の擁護
- グローバルな産業・サプライチェーンの安全と安定の維持
- 一方的な制裁や保護主義的な措置への反対
といった点での協力を訴えました。
ウクライナ危機での中国への期待
両外相は、ウクライナ危機についても意見を交わしました。王毅外相は、中国は引き続き平和交渉を促進する立場に立ち、当事者同士の直接対話を通じて、公正で持続可能かつ拘束力のある和平合意を目指すことを支持していると説明しました。
ワーデプル外相は、中国がその影響力を生かし、停戦と危機収束に向けて役割を果たすことへの期待を表明しました。ヨーロッパ側が中国に対し、軍事面ではなく外交面での関与を重視していることがうかがえます。
これから何が焦点になるのか
今回の電話会談を踏まえ、今後の注目点としては次のような論点が挙げられます。
- 中国製EVの反補助金調査が、交渉を通じてどのような形で決着するのか
- デリスキングをめぐる議論の中で、中国とドイツがどこまで協調できるのか
- ウクライナ危機において、中国が平和的解決に向けてどのような仲介役を果たすのか
中国とドイツは、どちらも世界経済と国際政治に大きな影響力を持つアクターです。両国の対話が、保護主義の流れを強めるのか、それとも自由貿易と多国間協調を支える柱となるのかは、今後の国際秩序を考えるうえで日本の読者にとっても見逃せないテーマといえるでしょう。
Reference(s):
Wang Yi calls on China, Germany to oppose unilateralism, protectionism
cgtn.com








