中国外相とインドネシア国家経済審議会議長が会談 高速鉄道とBRICS協力が焦点
北京で中国とインドネシアの要人が会談
中国の王毅外相は、北京でインドネシア国家経済審議会のルフット・ビンサル・パンジャイタン議長と会談しました。国際ニュースとして注目される今回の会談では、インフラ協力からBRICSまで、両国関係の今後を左右しかねないテーマが幅広く話し合われました。
2025年は国交樹立75周年 政治的信頼の深化を強調
王毅外相は、中国とインドネシアの国交樹立が今年で75周年を迎えることに言及しました。節目の年にあたる2025年に両国が会談を行ったことは、関係の長期的な安定と信頼を再確認する意味合いが大きいといえます。
王毅外相は、政治的な相互信頼をさらに深めるとともに、象徴的な経済プロジェクトの「質の高い発展」を進めていく方針を示しました。
ジャカルタ〜バンドン高速鉄道と経済回廊が中心テーマに
会談では、とくに次のような協力分野が挙げられました。
- ジャカルタ〜バンドン高速鉄道などのインフラ協力
- 地域包括的な経済回廊の整備
- 海洋分野での協力
- 鉱物資源をめぐる連携
- 新たな成長分野での協力可能性の探索
高速鉄道や経済回廊は、インドネシア国内の移動や物流を大きく変える可能性があるだけでなく、周辺国を含めたサプライチェーンや人の往来にも影響を与えるとみられます。王毅外相は、こうした「ランドマーク・プロジェクト」を通じて、協力の質と裾野を広げたい考えを示しました。
一方的な行動と貿易摩擦への懸念
王毅外相は、現在の国際社会が「一方主義」や「貿易上のいじめ行為」による影響に直面していると指摘しました。こうした動きが各国の利益を損なっているとの認識を示し、中国とインドネシアが次のような姿勢を共有すべきだと強調しました。
- 自らの立場と政策決定の独立性を維持すること
- 互恵的でウィンウィンの協力を拡大すること
- 国際社会における公平と正義を共に守ること
これは、保護主義的な動きが強まる中で、多国間協力や自由な貿易を重視する国々が連携を深めようとしている流れとも重なります。
BRICS正式加盟を祝意 「バンドン精神」とアジア太平洋の一体化
中国側は、インドネシアのBRICS正式加盟に祝意を表しました。BRICSは新興国を中心とした枠組みであり、インドネシアの参加によって、その存在感や議題設定の幅がさらに広がることが予想されます。
王毅外相は、両国が「バンドン精神」を共に掲げていく考えも示しました。バンドン精神とは、平等、互恵、相互尊重などを重んじる考え方で、アジアやアフリカの国々の連帯を象徴するキーワードです。
さらに中国側は、インドネシアとともに次のような方向性を打ち出しました。
- アジア太平洋地域の経済統合を推進すること
- 一方的な措置や反グローバル化の流れに共に対応すること
- 「アジア太平洋の共同の家」を築くこと
- 人類が「共に未来を分かち合う共同体」をつくることに貢献すること
これらの表現は、地域協力を単なる経済連携にとどめず、より長期的で包括的なビジョンとして位置付けようとする姿勢を示しています。
インドネシア側:貿易・金融・人材育成での成果を強調
ルフット議長は、中国とインドネシアの友情は「揺るがない」と評価し、インドネシアの経済発展は中国との互恵的な協力抜きには語れないと述べました。
とくに次の分野で協力の成果が出ているとしています。
- 貿易分野での取引拡大
- 金融協力を通じた資金調達やリスク分散
- 技術移転による産業高度化
- 人材育成を通じた長期的な能力強化
また、ジャカルタ〜バンドン高速鉄道などのランドマーク・プロジェクトは、両国の人々に利益をもたらすだけでなく、周辺諸国にも波及効果をもたらしているとの見方を示しました。
ルフット議長は、今後もあらゆるレベルで交流を深め、協力分野を拡大し、文化・人的交流も強化していく意向を示しました。そのうえで、中国とインドネシアが「共に未来を分かち合う共同体」を一段と発展させ、グローバル・サウスの連帯と協力を一緒に推進していきたいと述べました。
なぜこの会談が重要か:日本とアジアへの視点
今回の中国とインドネシアの会談は、日本を含むアジアの読者にとっても、いくつかの意味で注目に値します。
- インフラと経済圏形成:高速鉄道や経済回廊は、物流や人の移動を変え、アジア全体の経済地図にも影響を与えます。
- BRICSとグローバル・サウス:インドネシアのBRICS参加は、新興国や途上国のネットワークがどのように広がっていくかを見る上で重要な動きです。
- 地域秩序のかたち:一方主義や保護主義への懸念が語られるなかで、アジア太平洋地域の協力の方向性は、日本の外交・経済戦略にも関わってきます。
国際ニュースとしての事実関係を押さえつつ、アジアの国々がどのようなビジョンを描き、どのようなパートナーシップを築いていこうとしているのか。今回の中国とインドネシアの会談は、その流れを読み解く一つの手がかりとなりそうです。
Reference(s):
Chinese FM meets chairman of Indonesia's National Economic Council
cgtn.com








