中国競泳ナショナルで世代対決 パン・ザンレイが孫楊破る200m自由形
中国・深圳で開かれている全国水泳選手権で、2024年パリ五輪男子100メートル自由形金メダリストのパン・ザンレイ(Pan Zhanle)が、五輪金メダル通算3個を持つベテランの孫楊(Sun Yang)と男子200メートル自由形で激突し、勝利しました。中国競泳の世代交代と層の厚さを象徴するレースとして、国際ニュースとしても注目を集めています。
パン・ザンレイが制した「豪華すぎる」200m自由形
大会が行われているのは、中国南部の広東省深圳市。月曜日に実施された男子200メートル自由形の決勝は、まさにスター選手が顔をそろえた一戦となりました。
出場したのは、パン・ザンレイと孫楊に加え、五輪金メダリストのワン・シュン(Wang Shun)、さらに世界チャンピオンのチャン・ジャンシュオ(Zhang Zhanshuo)とジー・シンジエ(Ji Xinjie)など、トップ選手ばかりという豪華なラインナップでした。
レースは最終的に浙江代表のパン・ザンレイが制し、タイムは1分45秒45。今大会で自身3個目となる金メダルを獲得しました。2位にはチャン・ジャンシュオ、3位にはジー・シンジエが入りました。
一方で、ケガからの復帰を目指し、今大会最年長の出場選手となったベテランの孫楊は8位。順位こそ上位には届かなかったものの、最後まで泳ぎ切る姿が印象的でした。レース後には、パンと孫が互いをたたえ合う場面も見られました。
レース展開:後半勝負で魅せた若きエース
スタートから100メートルを過ぎるまでは、200メートル個人メドレーのチャンピオンでもあるワン・シュンが先行し、レースを引っ張りました。その後、150メートルの通過時点ではジー・シンジエがトップに立つ展開に。
しかし、パン・ザンレイは持ち味であるスピードを後半に温存するレース運びを選択。残り50メートルで一気に加速し、他の選手を抜き去ってゴールタッチしました。冷静な戦略と爆発的なラストスパートがかみ合った形です。
レース後のコメント:世代を超えたリスペクト
パン・ザンレイはレース後、「ほかの感情はなく、とにかく緊張していました。細かい部分に集中していました。今日は後半に力を残して勝負するよう、戦略を変えました」と振り返りました。
さらに、「自分より年上の五輪金メダリスト2人と同じレースを泳げたことは、本当に光栄です」と、孫楊やワン・シュンへの敬意も口にしています。若手エースが、先輩世代へのリスペクトを示しながらトップに立つ姿は、中国競泳の「バトンの受け渡し」を印象づけるものでもあります。
一方、孫楊は「最後まであきらめずに泳ぎ切りましたし、この大会にとても満足しています。自分自身にも、支えてくれた人たちにも感謝したいです」とコメント。ベテランとして、自分の現状と向き合いながら前向きな言葉を残しました。
他種目でも大会記録 中国競泳の層の厚さ
深圳での全国水泳選手権では、男子200メートル自由形以外の種目でもハイレベルな記録が相次ぎました。国内大会でありながら、世界トップレベルに近いタイムが並び、中国競泳の層の厚さを改めて示しています。
主な結果:記録ラッシュの一日
- 女子1500メートル自由形では、河北出身のリ・ビンジエ(Li Bingjie)が15分43秒94の好タイムで優勝し、大会記録を更新しました。
- 男子100メートル背泳ぎでは、シュー・ジアユ(Xu Jiayu)が52秒49で優勝。安定した強さを見せています。
- 女子100メートル背泳ぎは、ワン・ルーティエン(Wan Letian)が59秒21で制しました。
- 女子100メートル平泳ぎでは、タン・チエンティン(Tang Qianting)が優勝し、こちらも存在感を示しました。
- 男子50メートル平泳ぎの準決勝では、チン・ハイヤン(Qin Haiyang)が26秒54の大会新記録をマークし、決勝に向けて強さをアピールしました。
いずれの種目の選手も、すでに国際大会で名前を知られる存在が多く、国内選手権でありながら世界大会の前哨戦のような雰囲気が漂っています。
なぜ中国の国内選手権が国際ニュースになるのか
今回の全国水泳選手権は、単なる国内大会にとどまらず、国際ニュースとしても注目される理由があります。その一つが、出場選手の多くがすでに世界の表彰台を経験していることです。パン・ザンレイ、チン・ハイヤン、シュー・ジアユなど、名前を聞いただけで世界の競泳ファンが反応する選手たちが、同じレースで競い合っています。
さらに、パリ五輪を経てなお、トップ選手たちが国内で刺激し合い続けていることは、今後の世界大会に向けた「強化の現場」がそのまま可視化されていると言えます。日本を含むアジアや世界各国の代表にとって、中国の動向は、次の国際大会のメダル争いを占う重要な材料となるでしょう。
若いパン・ザンレイとベテランの孫楊という、世代の異なる五輪金メダリストが同じレースに立ち、互いをたたえ合う姿は、トップスポーツにおけるキャリアの長さやピークの作り方について、あらためて考えさせられる場面でもあります。
日本のファンが押さえておきたいポイント
- 世代を超えた「五輪金メダリスト対決」が国内選手権で実現している。
- ラスト50メートルでの逆転劇など、世界大会級のレース展開が見られる。
- 複数種目で大会記録が更新されるなど、中国競泳の競争環境が非常に高い水準にある。
通勤時間やスキマ時間に結果だけを追うのも一つの見方ですが、誰がどのような戦略で勝ち、どんな言葉を残したのかを丁寧に追っていくと、スポーツニュースは一段と立体的に見えてきます。中国の全国水泳選手権は、今後の国際大会の行方を占う「水面下の動き」として、これからもチェックしておきたい舞台と言えそうです。
Reference(s):
Chinese swimmers put on star-studded fight at National Championships
cgtn.com








