体操・中国ニュース:Zhang Bohengが男子個人総合V 新ルールで見えた課題
中国南部・広西チワン族自治区の南寧で行われた2025年の全国体操選手権男子個人総合で、Zhang Boheng選手が82.965点をマークし、王座を取り戻しました。ところが、スコアの高さとは裏腹に、本人の表情には冷静な危機感もにじみます。新しい採点ルールと日本のNHK杯での結果が、中国男子体操に何を突きつけているのかを整理しました。
2025年全国体操選手権でZhang Bohengが王座奪還
全国体操選手権の男子個人総合決勝で、Zhang Boheng選手は合計82.965点をたたき出し、タイトルを奪還しました。2022年から個人タイトル2連覇を果たしていたZhang選手は、前年の大会でShi Cong選手に敗れていましたが、今回ふたたび頂点に立ったかたちです。
ただ、その内容は決して完璧ではありませんでした。あん馬では落下するミスもありましたが、それでも決勝で80点台に乗せたのはZhang選手ただ1人。結果として金メダルは「比較的楽に」手にしたものの、演技後のコメントは喜び一色ではなく、中国男子体操全体への課題意識が前面に出ました。
大会直前、Zhang選手はつり輪の練習中に首を痛め、南寧への出発前日に負傷していたといいます。試合中も首をほとんど曲げられない状態での演技で、それでも82点台にまとめた背景には、エースとしての意地と経験がうかがえます。
- 男子個人総合でZhang Boheng選手が82.965点で優勝
- Shi Cong選手は負傷明けながら79.765点で銀メダル
- Lan Xingyu選手が79.632点で銅メダル
- 新しい2025~2028年採点ルールの下、日本のNHK杯では男子選手約20人が80点超え
- Zhang選手「中国男子体操にはもっとやるべきことがある」
ライバルShi Congの「50%」の復活
Zhang選手の最大のライバルの1人であるShi Cong選手も、今大会は満身創痍でした。大会の3カ月足らず前に肋骨を骨折し、気胸と診断される大けがを負っていたからです。
Shi選手は「ここで戦えないかもしれないと思っていた。当時の自分からすれば、いまもベストの50%の状態ですが、それでも自分にはとても満足しています」と振り返ります。最終種目の鉄棒では落下により演技が乱れましたが、それでも合計79.765点を確保し、銀メダルに滑り込みました。
銅メダルのLan Xingyu、表彰台を支える存在
3位にはLan Xingyu選手が79.632点で入りました。3選手がそろって表彰台に立ったことで、中国男子体操の層の厚さと、国内レベルの高さそのものはあらためて示されたといえます。一方で、得点分布を見ると、世界を見据えた課題も浮かび上がります。
日本のNHK杯と新しい採点ルール
今回の全国体操選手権とほぼ同時期に、日本ではNHK杯が開催されました。注目すべきは、新しい2025~2028年の採点規則のもとで、日本の男子個人総合選手が約20人も80点のラインを超えたことです。
これに対し、南寧の決勝で80点台に乗せたのはZhang Boheng選手ただ1人。「日本のようなライバルと比べると、私たち全員が新しいルールへの理解をもっと深める必要があります」とZhang選手は述べ、現状への危機感を口にしました。
ルールが変われば、点が出やすい技の組み合わせも変わります。新しいコードをどれだけ早く理解し、自分たちの強みをそこに合わせ込めるかが、今後数年間の勝負どころになりそうです。
中国男子体操の「課題」と「伸びしろ」
Zhang選手は「金メダルを取れたことはうれしいが、中国男子体操としては、もっとやるべきことがある」とも語りました。王者の口から出たこの言葉には、数字以上の重みがあります。
今回の結果をどう読むかは、次のような2つの視点がありそうです。
- 国内では依然としてZhang選手が抜けた存在である一方、80点台に乗る選手の層をどれだけ厚くできるか。
- 日本のNHK杯のように、多くの選手が新ルールで80点を超える環境をつくれるかどうか。
ケガを抱えながらも演技をまとめたZhang選手、復帰途中ながら銀メダルをつかんだShi選手、表彰台を支えたLan選手。その姿は、中国男子体操がまだ十分な伸びしろを秘めていることも同時に示しています。新しい採点時代の幕開けとなる2025年、中国と日本の体操界の動きは、これからも注目を集めそうです。
Reference(s):
Zhang Boheng wins all-around gold at National Gymnastics Championships
cgtn.com








