習近平総書記が製造業強化を強調 中国式現代化のカギは実体経済
中国ニュースとして注目される動きです。中国共産党中央委員会総書記の習近平氏が、河南省洛陽市の製造業企業を視察し、中国式現代化を進めるうえで製造業と実体経済を一層強化する必要性を強調しました。
洛陽の軸受メーカーを視察 「知能化工場」をチェック
習近平総書記は、中央中国の河南省洛陽市にある軸受(ベアリング)メーカー「洛陽軸受集団有限公司」を訪れ、工場の現場を詳しく視察しました。
同社の「インテリジェント製造工場」では、さまざまな種類の軸受製品の性能や用途について説明を受けたほか、知能化された生産ラインの稼働状況を確認しました。現場では、従業員とも親しげに言葉を交わしたと伝えられています。
「実体経済の道は正しかった」 中国の歩みを振り返る発言
習近平総書記は、中国がこれまで一貫して「実体経済」の発展を重視してきたとあらためて位置づけました。
かつてマッチや石けん、鉄といった基礎的な製品を輸入に頼っていた段階から、現在では世界最大の製造国となり、ほぼあらゆる産業分野を抱えるまでに発展してきたという点を指摘し、「この道を選んだことは正しかった」と評価しました。
デジタル経済やサービス産業が拡大するなかでも、「モノづくり」を中核に据える姿勢を示した形です。
中国式現代化の軸としての製造業 自立自強とコア技術を強調
今回の視察で、習近平総書記は「中国式現代化(Chinese modernization)」を進めるうえで、製造業のさらなる強化が不可欠だと強調しました。
- 製造業を一層発展させること
- 自立自強(自前の力で立ち、強くなること)の方針を堅持すること
- 重要分野のコア技術を自らの手でしっかりと掌握すること
こうした点を挙げ、中国の産業構造をより強く、安定したものにしていく必要性を述べています。背景には、グローバルな競争や技術分野での環境変化があると考えられます。
産学研連携と人材育成も指示 「質の高い人材」を大量に
習近平総書記は、技術力の底上げには企業だけでなく、大学や研究機関との連携が欠かせないと指摘しました。
- 産業界と大学、研究機関の協力を強めること
- 高度な技能と知識を備えた「質の高い人材」を多く育成すること
こうした取り組みを通じて、研究開発から量産までを国内で一体的に進められる体制づくりを促しています。製造現場のデジタル化や自動化を支える人材基盤をどう整えるかが、今後の大きなテーマになりそうです。
老舗からハイテク企業へ 洛陽軸受のアップグレード
視察先となった洛陽軸受集団は、もともと伝統的な製造業の企業ですが、近年は科学技術への投資を拡大し、産業の高度化を進めてきました。
その成果の一つが、風力発電向けの大型軸受です。同社が手がける風力タービン用主軸受は、中国国内市場で4割を超えるシェアを占めるまでになっているとされます。
再生可能エネルギー分野で重要な部品を供給する存在へと変化してきたことは、中国の製造業が付加価値の高い分野へとシフトしつつある一例ともいえます。
国際ニュースとして見る「製造業重視」の意味
今回の発言と視察からは、次のような中国の姿勢が読み取れます。
- デジタル分野が伸びても、実体経済を国力の基盤と位置づけ続ける
- 重要な部品や技術を国内で確保し、サプライチェーンを強固にする
- 製造業の高度化を通じて、中国式現代化を進める
これは、製造業の強化や産業政策を重視する世界的な流れとも重なります。日本を含む他の国や地域にとっても、中国の産業戦略や技術政策を理解するうえで、今回の発言は参考になる部分が多いといえるでしょう。
読み手への問いかけ:モノづくりの価値をどう考えるか
サービスやデジタルプラットフォームが注目されがちな時代に、「実体経済」と「製造業」をあらためて前面に出した今回のメッセージは、私たちにも問いを投げかけています。
- 自分の仕事や生活は、どのようにモノづくりとつながっているのか
- 技術や人材への投資は、長期的にどのような価値を生み出すのか
- 国や企業は、どこまで自国・自社の技術基盤を重視するべきなのか
中国ニュースとして事実を追うだけでなく、こうした視点から「製造業の未来」を考えてみることは、日本やアジアのこれからを考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
Xi urges stronger manufacturing to advance Chinese modernization
cgtn.com








