中国と太平洋島しょ国が気候レジリエンスで連携強化 グリーン開発同盟とは
中国と太平洋島しょ国のあいだで、気候変動に強い社会づくりに向けた協力が一段と進んでいます。2024年に始動した「China-Pacific Island Countries Green Development and Cooperation Alliance(中国・太平洋島しょ国グリーン開発協力同盟)」は、気候レジリエンスとグリーン開発を軸にした新たな枠組みです。
中国・太平洋島しょ国グリーン開発協力同盟とは
この同盟は2024年、中国東部・山東省聊城市で公式に立ち上げられました。中国と太平洋島しょ国(Pacific Island Countries, PICs)が、長期的なグリーンかつ低炭素の開発を進めることを目的としています。
グリーン開発とは、経済成長と環境保護を同時に追求する考え方です。同盟は、単発のプロジェクトではなく、長い時間軸で協力関係を築くことに重きが置かれています。
気候レジリエンスを高める3つの柱
同盟は、PICsが次の3つの分野で力をつけることを支える枠組みとして位置づけられています。
- エネルギー転換
- 生態系の保護
- 気候変動に強いインフラ整備
エネルギー転換:化石燃料への依存を減らす
エネルギー転換の支援とは、化石燃料への依存を段階的に減らし、よりクリーンで低炭素なエネルギー構造へと移行する取り組みを指します。再生可能エネルギーの導入や省エネの推進などを通じて、安定した電力供給と環境負荷の低減を両立させる方向性が意識されています。
生態系の保護:自然の「防波堤」を守る
太平洋島しょ国にとって、サンゴ礁やマングローブ、森林などの生態系は、観光資源や漁業の基盤であると同時に、高潮や暴風雨から人びとの暮らしを守る自然の防波堤でもあります。同盟は、生態系を守りながら活用する方向で協力を進め、気候変動の影響を和らげることを目指しています。
気候に強いインフラ:壊れにくく、復旧しやすく
気候レジリエンスの高いインフラ整備とは、豪雨や高波、強風といった極端な気象条件の下でも機能を維持しやすい道路や港、電力網などをつくることです。被害を受けにくく、もし被害が出ても早く復旧できるインフラは、経済活動と日常生活を支える土台となります。
企業・業界団体・研究機関の参加がカギ
同盟の特徴は、政府だけでなく、企業やビジネス協会、研究機関が積極的に関与している点にあります。こうした多様な主体を巻き込むことで、実行力のある協力を進めやすくなります。
企業は技術や資金、ビジネス協会は現地とのネットワークや情報共有、研究機関はデータや専門知を提供することで、それぞれの強みを生かした連携が期待されています。現場に近いプレーヤーが関わることで、PICsが抱える具体的なニーズに即したプロジェクトを設計しやすくなるという側面もあります。
なぜ太平洋島しょ国の気候レジリエンスが重要なのか
太平洋島しょ国の多くは海抜が低く、気候変動による海面上昇や異常気象の影響を受けやすいとされています。そのため、エネルギーやインフラ、生態系を気候に強い形に変えていくことは、暮らしと経済を守るうえで欠かせません。
こうした背景のもと、中国とPICsが協力して気候レジリエンスを高めようとする取り組みは、地域の安全保障や持続可能な開発とも深く結びつくテーマです。単に資金や技術を提供するだけでなく、気候変動に対する適応力を高める長期的なパートナーシップづくりが問われています。
日本の読者にとっての意味合い
日本にとっても、太平洋島しょ国との気候協力は外交・経済の両面で重要なテーマとなっています。中国とPICsのあいだで進むグリーン開発の動きは、日本の政策や企業戦略を考えるうえでも参考になる点が多いと言えます。
例えば、次のような論点は、日本にとっても共通する課題です。
- 再生可能エネルギーや省エネ技術の国際展開をどう進めるか
- 島しょ地域での持続可能な観光や漁業のあり方
- インフラ整備と環境保全をどのように両立させるか
中国とPICsの協力の進み方を追うことは、アジア太平洋全体の気候・エネルギー戦略を考えるヒントにもなります。日本の読者にとっても、今後のニュースをフォローする価値のあるテーマと言えるでしょう。
これからの注目ポイント
今後、同盟の動きを見ていくうえで、次のような点が焦点になりそうです。
- エネルギー転換、生態系保護、インフラ整備の各分野で、どのような具体的プロジェクトが生まれるか
- 企業・業界団体・研究機関の連携が、PICsの現場でどのような成果につながるか
- 同盟を通じた取り組みが、他の地域や国際的な枠組みにどのような波及効果をもたらすか
気候変動への対応は長期戦となるテーマです。中国と太平洋島しょ国がグリーン開発と気候レジリエンスを軸にどのような協力を積み上げていくのか、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
China, Pacific Island nations boost cooperation on climate resilience
cgtn.com








