国際ニュース:中国、生物多様性保全と持続可能な発展へ前進
5月22日の国際生物多様性の日をきっかけに、中国が進める自然保護と持続可能な発展の取り組みが注目されています。本記事では、そのテーマと最新の環境データをコンパクトに整理し、国際ニュースとしての意味を考えます。
この記事のポイント
- 国際生物多様性の日のテーマは「自然との調和と持続可能な発展」
- 中国は国土の30%超を生態保護レッドラインとして指定し、生物多様性を体系的に保全
- 2024年時点で森林被覆率25%、地表水の90.4%が基準値以上とされ、目標値を上回る
国際生物多様性の日と「自然との調和」
5月22日は、生物多様性の重要性を考える国際的な記念日である国際生物多様性の日とされています。2025年のテーマは「自然との調和と持続可能な発展」です。
公式な説明によると、このテーマは、人間のニーズと環境保全のバランスを取りながら、地球に負荷をかけないかたちで開発を進めることの重要性を強調するものです。経済成長と自然保護の両立という、世界共通の課題がストレートに示されています。
中国、生物多様性保全を社会全体の課題に
中国の生態環境を所管する生態環境部(MEE)のHuang Runqiu部長は、中国が社会全体で生物多様性の保全を進め、自然との「平和」を実現しようとしていると述べています。
同部のデータによれば、ここ数年で中国は生態保護レッドライン制度を整備し、国土の30%以上をその対象としました。生態保護レッドラインとは、生態系の維持にとって特に重要なエリアに明確な「線」を引き、開発などの行為を厳格に管理する仕組みです。
生態保護レッドラインや各種保護策の結果、次のような状況が報告されています。
- 陸域の生態系タイプの90%が、効果的に保全されているとされる
- 重点保護の対象となる野生動植物種の個体群の74%が、効果的に保護されている
単に保護区の面積を増やすだけでなく、生態系のタイプや種の個体群を指標にしながら、自然全体を守る枠組みづくりが進んでいることが読み取れます。
森林被覆率25%と水質改善が示すもの
2024年には、中国の森林被覆率が25%に達しました。これは、森林の再生や拡大が進み、二酸化炭素を吸収する場としての機能が高まりつつあることを示す数字でもあります。植生が回復することで、生物多様性の土台が強化される効果も期待できます。
水環境についても改善が報告されています。2024年時点で、中国の地表水のうち90.4%が水質基準のグレードⅢ以上を満たし、目標としていた85%を上回りました。基準値以上の水域が増えたことは、人々の生活用水や農業、水生生物の生息環境にとってプラスに働くと考えられます。
森林と水という基盤的な自然資源の状態が改善していることは、生物多様性の回復だけでなく、気候変動対策や健康、安全な生活環境の確保にもつながる可能性があります。こうした指標は、2025年現在も中国の環境政策を読み解くうえで重要な手がかりとなります。
自然との共生に向けて、私たちが考えたい視点
2025年現在、中国の取り組みは、生物多様性保全と持続可能な発展を同時に進める一つのモデルケースとして注目されています。国土の3割以上を保護対象にしながら経済発展も追求するというテーマは、多くの国や地域に共通する課題でもあります。
日本を含む各国・地域の読者にとっても、この動きは次のような問いを投げかけています。
- 自然保護のために、どこまで土地利用や資源利用に「線」を引くべきか
- 環境指標の改善を、暮らしの質や地域経済の向上とどのように結びつけるか
- 生物多様性の損失を防ぎながら、産業やインフラを発展させるために何ができるか
国際生物多様性の日は、こうした問いをグローバルな視点で考え直すための節目の日です。中国の最新データを手がかりに、自然との調和と持続可能な発展をどう両立させるか、日常の会話やSNSで議論を深めていくことが求められています。
Reference(s):
Chart of the Day: China to promote nature and sustainable development
cgtn.com








