米国がハーバード留学生禁止 中国外務省が強く批判
米国政府がハーバード大学の学生・交流訪問者情報システム(SEVIS)認定を取り消し、同大学が新たな留学生を受け入れられなくなった措置に対し、中国外務省が強く反発しています。この国際ニュースは、米中の教育交流と世界の留学生にどのような影響を与えるのでしょうか。
何が起きたのか:ハーバード大の留学生受け入れが事実上停止
今週、米政府はハーバード大学のSEVISプログラム認定を取り消し、同大学が国際学生を受け入れる資格を失ったと伝えられています。SEVISは、米国で学ぶ留学生や交換訪問者の在留資格を管理する仕組みで、この認定がなければ大学は留学生を正式に受け入れることができません。
ドナルド・トランプ米大統領の政権は、ハーバード大学が今後、新規の留学生を受け入れることを禁じるだけでなく、現在在籍している外国人留学生についても、他大学に転校しないかぎり法的な在留資格を失う可能性があるとしています。さらに、同様の取り締まりを他の大学にも拡大する構えを見せていると報じられています。
中国外務省「教育交流の政治化に断固反対」
こうした動きに対し、中国外務省の毛寧(まお・にん)報道官は、金曜日の定例記者会見で米政府を強く批判しました。毛報道官は、米国による今回の決定について、教育分野の交流を政治問題化するものであり、中国はこれに断固反対すると強調しました。
毛報道官は、これまでの中国と米国の教育協力について、双方に利益をもたらしてきたと評価したうえで、今回の措置は米国自身の国際的なイメージと信頼性を損なうと警告しました。また、中国は海外で学ぶ自国の学生や研究者の正当な権益を、引き続き断固として守る姿勢を示しました。
留学生と大学に広がる不安
ハーバード大学で学ぶ留学生にとって、今回の決定は生活とキャリアの基盤を揺るがす重大な問題です。転校先を短期間で探さなければならない可能性があるほか、手続きの遅れや受け入れ先不足により、在留資格を失うおそれも指摘されています。
影響を受けるのは中国からの学生だけではなく、世界各地からハーバード大学で学んでいる多くの留学生です。大学側にとっても、研究や教育活動の国際性が損なわれるリスクがあり、他の米国大学も同様の措置の対象となる可能性があることから、キャンパス全体に不安が広がっているとみられます。
米中教育交流の行方と「政治化」のリスク
これまで中国と米国の間では、多くの学生や研究者が相互に行き来し、学術やイノベーションの分野で協力してきました。今回のように、教育や人的交流が政治的な対立の文脈で扱われると、個々の学生や研究者が直接の影響を受けてしまうという点が、各国で懸念されています。
教育交流が政治・安全保障の議論と結びつくこと自体は珍しくありませんが、その線引きが不透明なまま突然の規制や禁止措置が導入されると、留学を検討する若者にとって、米国を選ぶハードルは一気に高くなります。その結果、他の国や地域に人材が流れる可能性もあります。
なぜ教育交流の政治化が問題なのか
今回、中国外務省が強調したのは、教育交流の政治化への懸念です。国家間の意見の相違や競争があるとしても、学生や研究者といった個人レベルの交流は、長期的には相互理解を深める重要な橋渡し役となってきました。
こうした交流の場が縮小すれば、誤解や不信感がかえって強まり、国際社会全体の分断が深まるおそれがあります。特に、ハーバード大学のような著名な大学への措置は象徴性が大きく、他国の教育政策や留学先選びにも影響を与えかねません。
これから注目したいポイント
今回の国際ニュースをめぐり、今後どのような展開があり得るのか、いくつかのポイントが注目されます。
- ハーバード大学の留学生が、どのような形で在留資格と学業の継続を確保できるのか
- 米政府が、他の大学にも同様の措置を拡大するのか、それとも見直しを行うのか
- 中国を含む各国が、学生や研究者の安全と権益を守るためにどのような支援策を講じるのか
- 米中の教育交流や人的往来が、中長期的にどの程度縮小・再編されるのか
教育や留学は、ニュースの見出しだけでは見えにくいですが、一人ひとりの人生に直結するテーマです。今回の米中間の動きは、これから海外留学や国際的なキャリアを考える人にとっても、無関係ではありません。続く動向を注視しながら、自分ならどのような選択をするか、一度立ち止まって考えてみるきっかけになりそうです。
Reference(s):
China slams U.S. ban on Harvard enrolling international students
cgtn.com








