中国とトルクメニスタン、一帯一路と「大シルクロード」連携へ議会トップ会談
中国とトルクメニスタンの議会トップが北京で会談し、一帯一路構想とトルクメニスタンの「大シルクロード」復興戦略を結びつける方針を確認しました。2025年現在も続く両国の包括的戦略パートナーシップの動きが、改めて鮮明になった形です。
北京で議会トップ会談 一帯一路と「大シルクロード」を連携
中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会の趙楽際(ちょう・らくさい)委員長は木曜日、北京でトルクメニスタン国民評議会(メジリス)のドゥニヤゴゼル・グルマノワ議長と会談しました。
趙委員長は、一帯一路構想とトルクメニスタンの「大シルクロード」復興戦略の連携を一層強める意向を表明し、次のような分野で協力を深めたいと述べました。
- 交通や物流などの接続性(コネクティビティ)の向上
- 農業分野での新たな協力措置の模索
- 文化・観光・教育といった人的交流の拡大
一帯一路は、インフラ整備や貿易・物流ネットワークを通じて地域の結び付き強化を目指す構想とされています。一方、「大シルクロード」は、歴史的なシルクロードの再興を掲げるトルクメニスタンの国家戦略です。両国はこれらを重ね合わせることで、中央アジアとユーラシア全体の連結性を高める狙いを共有しているといえます。
2023年に包括的戦略パートナーシップへ格上げ
趙委員長は会談で、両国関係が近年段階的に格上げされてきた経緯を振り返りました。
- 2023年1月:中国の習近平国家主席とトルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領が、両国関係を「包括的戦略パートナーシップ」に引き上げると共同で発表。
- 同年10月:習主席が、中国で開催された第3回「一帯一路国際協力サミットフォーラム」に出席したトルクメニスタン人民評議会のグルバングル・ベルディムハメドフ議長と会談し、幅広い分野での協力の新たな青写真を描いたと説明。
今回の北京での議会トップ会談は、こうした首脳外交の流れを受け、2025年の今も両国の包括的戦略パートナーシップを具体的な協力につなげていく一歩と位置づけられます。
台湾、新疆、人権問題での相互支持と「真の多国間主義」
趙委員長はまた、中国が重視する主権や内政に関わる問題について、トルクメニスタンの立場を高く評価しました。具体的には、台湾問題や新疆、人権をめぐる中国の立場に対し、トルクメニスタンが一貫して支持を示していると述べました。
そのうえで中国側は、トルクメニスタンの次のような立場を引き続き支持すると表明しました。
- 国家の独立、主権、安全の維持
- 永世中立政策の追求
- 自国の国情に適した発展路線の選択
趙委員長はさらに、習主席が提唱する三つのグローバル・イニシアチブ(グローバルな協力構想)の実施を共に推進し、世界貿易機関(WTO)を中核とする多角的貿易体制を守り、「真の多国間主義」を実践していくべきだと呼びかけました。
ここには、中国とトルクメニスタンが、国際秩序やルールづくりの場でも足並みをそろえようとする姿勢がにじみます。国際ニュースとして見れば、中央アジアの国がどのようにグローバルな議題と関わっているかを示す一例といえます。
議会間交流をテコに協力の「法的土台」を強化
今回の会談では、議会同士の交流そのものを、両国関係を支える重要な柱として位置づける発言も相次ぎました。
趙委員長は、中国とトルクメニスタンの立法機関がこれまでも友好的な交流を維持してきたと指摘。そのうえで、全人代として次のような取り組みを進める意向を示しました。
- 多層的な議会間交流の強化
- 立法、監督、統治経験の共有の深化
- 実務協力を後押しするための「有利な法的環境」の整備
一方のグルマノワ議長は、両国の包括的戦略パートナーシップが、政治、経済、外交、文化など幅広い分野で活発に発展していると評価しました。そのうえで、トルクメニスタン国民評議会として、全人代との友好交流をさらに深める考えを示し、次の点を挙げました。
- 各種特別委員会どうしの意思疎通の強化
- 若手議員や女性議員の交流拡大
- 代表団同士の定期的な相互訪問
議会外交は、首脳会談ほど派手さはないものの、中長期的な協力枠組みを法律や制度のレベルで支える役割を担います。特に一帯一路関連の大型プロジェクトでは、投資ルールや環境基準、人の往来の枠組みなど、法制度面の整備が欠かせません。今回のメッセージは、その土台づくりを議会間の対話で進めようとするものと受け止められます。
日本の読者にとっての意味は
中国と中央アジア諸国の関係強化は、日本から見ると一見距離のある話に思えるかもしれません。しかし、一帯一路と「大シルクロード」の連携、そしてWTOを軸とした多国間貿易体制の維持は、世界の物流ルートや貿易ルールにも影響し得るテーマです。
2025年の今、国際ニュースを追ううえでは、
- 中国と中央アジアの連結性強化が、欧亜を結ぶ貿易や人の往来にどう影響するのか
- 小国や中規模の国が、どのように自国の中立性や独立性を保ちつつ大国と関係を築いているのか
- 議会外交が、首脳外交をどのように補完し、制度や法律のレベルで協力を支えているのか
といった点に目を向けておくと、ニュースの読み方が一段深まります。短い一報に見える動きの裏側に、長期的な戦略や価値観のすり合わせが進んでいることを意識しておきたいところです。
Reference(s):
China's top legislator meets Turkmen National Assembly chairperson
cgtn.com








