大阪・関西万博「海南ウィーク」人と自然の共生を描く海南省の挑戦
今年5月、大阪で開催されていた国際博覧会 Expo 2025 Osaka の中国館で、海南省を紹介する特別企画「海南ウィーク」が行われました。人と自然の共生を前面に出し、中国の島省である海南省が描く持続可能な未来像を紹介しました。
人と自然の調和を掲げた海南ウィーク
金曜日に開幕し、2025年5月25日まで開催された海南ウィークのテーマは、英語で表現すると Pursuing Green Prosperity: Openness and Shared Growth。日本語にすると「緑の繁栄の追求―開放と共に分かち合う成長」といった意味合いで、大阪・関西万博の全体テーマとも響き合う内容でした。
中国国際貿易促進委員会の副会長であり、中国館の政府代表を務めた李青霜氏は、海南ウィークについて、自然、文化、イノベーションがシームレスに統合された取り組みだと強調しました。海南省が、環境保全と現代的な開発をどのように両立させようとしているのかを示す場となりました。
日中協力の新しいかたち
大阪の中国総領事である薛剣氏は、挨拶の中で日中の協力が広がっていることに触れ、海南省と日本の間で進むエコ分野での連携を紹介しました。具体的には、次のような分野です。
- 環境負荷を抑えたグリーンヘルスケア
- スマート技術も活用した現代農業
- データや通信インフラを基盤とするデジタル経済
薛氏は、世界の視聴者に向けて、海南省が目指す「活力があり、包摂的な未来ビジョン」に触れ、ぜひその姿を体感してほしいと呼びかけました。
また、日中経済協会の会長を務める須崎信彦氏も、海南ウィークが国境を超えた新たなビジネスや協力の機会を生み出すきっかけになるとの期待を語りました。単なる観光や物産紹介にとどまらず、企業や自治体同士の対話の場としての側面も強かったことがうかがえます。
大阪から東京・兵庫へ広がった取り組み
海南ウィークは会場となった大阪だけで完結したわけではありません。期間中、東京や兵庫県でも投資フォーラムやビジネス対話が開かれ、海南自由貿易港をめぐる情報発信や意見交換が行われました。
海南自由貿易港は、環境に配慮しつつ開かれた経済の拠点を目指す構想であり、海南ウィークはそのビジョンを国際社会、とりわけ日本の企業や自治体に紹介する場となりました。エコツーリズム、再生可能エネルギー、スマート物流など、環境と経済の両立を志向する分野での連携の可能性が示されました。
2025年を振り返る:日本にとっての意味
2025年も終わりに近づく今、5月の海南ウィークを振り返ると、いくつかのポイントが見えてきます。
- 人と自然の調和を前提にしながら、経済成長やイノベーションをどう設計するかという共通課題が、日中双方にあること
- 地方同士の連携や企業間対話が、国家レベルの外交とは違うかたちで関係を支える役割を持ち始めていること
- 自由貿易港や特区の取り組みが、環境やデジタル技術と組み合わさることで、新しい協力モデルになり得ること
日本の読者にとって、海南ウィークは「遠い南の島のイベント」ではなく、気候変動や地域経済、デジタル化といった身近なテーマを考える材料にもなります。自分の住む地域が、アジアのほかの地域とどのようなかたちで結び付きうるのかを想像してみるきっかけと言えるかもしれません。
通勤時間やスキマ時間に、このような国際ニュースを少し立ち止まって振り返ることが、2026年以降のアジアとの向き合い方を静かに変えていく可能性もあります。
Reference(s):
'Hainan Week' launched at Expo 2025 Osaka celebrates humans and nature
cgtn.com








