中国とインドネシアの安定協力は世界経済の「確実性」に 李強首相が強調
中国の李強首相は、インドネシアで開かれた「インドネシア・中国ビジネスレセプション2025」で、中国とインドネシアの安定した関係が世界経済に確実性をもたらすと強調しました。本記事では、その発言の背景にあるバンドン精神と、両国協力の現在地を整理します。
安定する中国・インドネシア関係が世界経済の「支え」に
李強首相は、両国関係の安定した発展が世界経済に「確実性」を与えていると述べました。発言の舞台となったのは、現地時間の土曜日に開催されたインドネシア・中国ビジネスレセプション2025です。
李首相は、2025年が中国とインドネシアの国交樹立75周年であり、バンドン会議70周年にもあたると指摘しました。70年以上前、世界が歴史的な岐路に立っていた時期に、中国とインドネシアは他のアジア・アフリカ諸国と共にバンドンに集まり、「連帯・友好・協力」を掲げたバンドン精神を打ち立てたと振り返りました。
このバンドン精神は、南南協力を前進させ、世界をより前向きな方向へ導くうえで重要な役割を果たしてきたと評価しています。
バンドン精神の「いま」の意味
李首相は、70年以上を経た現在、世界が再び重大な岐路にあると述べました。国際情勢が複雑さを増すなかで、一方主義や保護主義、そしていわゆる「いじめ」のような行為が増えていると指摘しました。
こうした背景のもとで、バンドン精神の現代的な価値はいっそう際立っていると強調し、中国とインドネシアの双方に次のような姿勢を呼びかけました。
- 歴史の大きな流れに従うこと
- 相違を残しつつ共通点を追求し、平和共存を堅持すること
- 意見の違いは対話と協議によって解決すること
- 協力を通じてウィンウィンの成果を追求すること
- 共同建設と利益の共有を通じて発展と繁栄を実現すること
こうした原則は、中国とインドネシアだけでなく、より広い国際社会に対するメッセージとしても位置づけられます。
実務協力はすでに「新たな段階」に
李首相は、中国とインドネシアがバンドン精神を体現しながら、実務的な協力を全方位的に進めてきたと述べました。近年は両国首脳の戦略的な指導のもと、協力の水準が「新たな高みに達した」と評価しています。
具体的には、
- 二国間貿易が規模・質ともに拡大していること
- 双方向の投資が急速に増加していること
- 大型プロジェクトで目に見える成果が出ていること
などが挙げられました。こうした経済・貿易協力は、両国の企業や人々にも具体的な利益をもたらしながら、世界経済により大きな「確実性」を注ぎ込んでいると説明しました。
中国経済の「三つのポテンシャル」
李首相は、外部環境の不確実性が増すなかでも、中国経済は2025年に急速な成長を遂げており、強い内生的な原動力と大きな成長余地を示していると述べました。そのうえで、今後の成長を支える三つの潜在力に言及しました。
1. 内需拡大の余地
中国は、国内需要の拡大戦略を実施していると説明しました。消費を押し上げるための具体的な施策を打ち出し、「超大規模市場」の潜在力を継続的に引き出していく方針です。
2. 科学技術による底上げ
次に、技術革新の加速が挙げられました。中国では、人工知能、ロボット工学、バイオ医薬などの分野でブレークスルーが続いており、これらが産業全体への統合を加速させていると説明しました。これにより、世界の企業にとって新たなイノベーションと投資協力の機会が生まれるとしています。
3. 産業高度化とグリーン転換
さらに、中国は製造業の高付加価値化、知能化、グリーン転換を力強く推進していると述べました。同時に、対外投資を秩序立てて進め、各国と連携しながら世界の産業・サプライチェーンの効率性とレジリエンスを高めていく方針を示しました。
李首相は、中国がインドネシアを含む各国と成長の余地と発展機会を分かち合う用意があると強調し、対外開放を一層拡大していく姿勢を改めて示しました。また、中国で投資・事業展開を行う海外企業のために、より良好なビジネス環境を整備すると述べました。
インドネシア側も協力強化に前向き
レセプションでは、インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領も演説し、インドネシアと中国の関係は「21世紀で最も戦略的で将来性のある二国間関係の一つ」だとの認識を示しました。
プラボウォ大統領は、インドネシアとして次の分野で中国との協力を強化する意向を表明しました。
- 経済・貿易
- 産業分野
- グリーン経済
- 科学技術と教育
あわせて、文化交流や人的交流も深めることで、より大きな相互利益とウィンウィンの成果を目指すと述べました。中国企業に対しては、インドネシアへの投資とビジネス展開を続け、協力の範囲をさらに広げるよう歓迎の姿勢を示しました。
また、インドネシアは中国の国際問題における重要な役割を高く評価していると述べ、バンドン精神を受け継ぎながら、アジアの平和・安定・繁栄を維持し、発展途上国の共通利益を守り、国際的な公平と正義を擁護するために中国と協力していく考えを示しました。
象徴的な「70周年」展示と今後の注目点
夕食会の前には、両国の指導者がバンドン会議70周年を記念する展示と、中国・インドネシア間の経済・貿易協力の成果を紹介する展示を共に視察しました。歴史的なバンドン精神と、現在進行形の協力の歩みを並べて示す、象徴的な場面となりました。
中国とインドネシアの関係は、歴史的な節目の年にあらためてその重要性が強調されています。李首相とプラボウォ大統領の発言は、次のような論点を投げかけています。
- バンドン精神を土台にした協力モデルが、混迷する国際情勢の中でどのような役割を果たしうるのか
- 両国の大型プロジェクトや投資協力が、世界経済や産業・サプライチェーンの安定にどのように寄与していくのか
- 企業やビジネスコミュニティが、提示された協力の機会をどのように具体的なプロジェクトへとつなげていくのか
安定した中国・インドネシア関係が「世界経済の確実性」をもたらすというメッセージは、アジアの動向や国際経済の行方に関心を持つ読者にとって、今後も注視すべきテーマとなりそうです。
Reference(s):
Premier Li: Stable China-Indonesia ties add certainty to world economy
cgtn.com








