WHOが中国の高齢者精神医療専門家を表彰 健康長寿賞に王華麗氏
世界保健機関(WHO)の第78回世界保健総会に合わせて行われた表彰式で、中国の高齢者精神医療の専門家である王華麗(Wang Huali)氏が、健康長寿の促進に対する功績を認められ、WHOの権威ある賞の一つを受賞しました。国際ニュースとして、高齢化と認知症という世界共通の課題にどう向き合うかを考えさせる出来事です。
第78回世界保健総会で5つのWHO賞を授与
WHOは第78回世界保健総会の期間中、世界の保健分野で顕著な業績を上げた個人や団体に対し、5つの権威ある賞を授与しました。これらの賞は、公衆衛生、医療、健康政策など幅広い分野での貢献をたたえるものです。
その一つであるHis Highness Sheikh Sabah Al-Ahmad Al-Jaber Al-Sabah Prize for the Promotion of Healthy Aging(健康長寿の促進に関する賞)を受けたのが、中国・北京大学第六病院の主任医師を務める王華麗氏です。精神保健の分野でこの賞を受ける中国の専門家は初めてです。
中国の健康長寿戦略と王華麗氏の役割
王氏は受賞スピーチで、中国が健康な高齢化の推進を重視していることを強調しました。そのうえで、中国国家衛生健康委員会の指導のもと、高齢期の認知症に対応する国家行動計画の推進に関わる機会を得たことに、深い感謝の意を示しました。
王氏はまた、この受賞は自分個人だけでなく、中国および世界各地で認知症の予防と対策に取り組むすべての人々に対する評価だと述べました。現場で高齢者と向き合う医師、看護師、介護職、地域の支援者たちの努力が、国際機関によって可視化された形だと言えます。
認知症と高齢者のメンタルヘルスが国際的な焦点に
世界的に高齢化が進むなか、認知症やうつ病、不安障害など、高齢期のメンタルヘルス(心の健康)は主要な公衆衛生課題になっています。2025年現在、高齢者の生活の質をどう守るかは、多くの国と地域が共有するテーマです。
認知症と高齢者のメンタルヘルスに向き合うには、次のような包括的なアプローチが重要になります。
- 認知症の早期発見と早期介入
- 家族や介護者への継続的な支援
- 地域コミュニティでの見守り体制づくり
- 高齢者が社会とつながり続けるための環境整備
こうした取り組みは、高齢者ができるだけ長く自立して暮らし、尊厳を保ちながら生活できる「アクティブエイジング(積極的な高齢期)」の実現に直結します。
中国から世界へ──健康長寿モデルの可能性
王氏は受賞後、「今後も同僚たちと協力しながら、アクティブエイジングや認知症のケアと予防、高齢者のメンタルヘルスの向上に取り組み続けたい」との思いを示しました。中国本土で培われた経験や取り組みが、他の国や地域にとっても参考になる可能性があります。
高齢化は、先進国だけでなく新興国や途上国も直面するグローバルな課題です。今回のWHOの表彰は、健康長寿や認知症対策が国際社会にとって優先度の高いテーマであることを改めて示したと言えるでしょう。
私たちがこのニュースから考えたいこと
今回の受賞は、日本語ニュースとして国際動向を追う私たちにとっても、いくつかの問いを投げかけます。
- 高齢者の「心の健康」を社会全体でどう支えていくか
- 認知症やメンタルヘルスに対する偏見をどう減らしていくか
- 医療・介護・地域コミュニティが連携した支援体制をどう築くか
人口の高齢化が進む日本やアジアの国々にとっても、健康長寿をめぐる国際ニュースや各国の取り組みは、今後の政策や日常のケアを考えるうえで重要なヒントになります。王華麗氏の受賞は、その一つの象徴的な出来事と言えるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








