AIと文化が交差する深圳フォーラム2025 中国の文化力強化を議論
今週月曜日、中国広東省深圳市で、中国の文化力をどう高めるかをテーマにしたフォーラムが開幕しました。AIなどの知能技術と文化の関係が議論され、長い歴史を持つ中国文明の文化的自信をどう次世代につなぐかが焦点となりました。
深圳で開幕した中国文化力強化フォーラム2025
フォーラムは、中国の文化力を高めることを掲げた中国文化力強化フォーラム2025として、南部の都市・深圳で開催されました。会場には、文化分野で活躍する著名人や専門家、研究者が集まり、中国文化の影響力を世界に広げるための戦略について意見を交わしました。
議論の主なテーマは、中国文化への自信、そしてAIなどの知能技術が文化の制作現場をどう支え、中国文化の発信力を高めるのかという点でした。
張志強氏「中国文明の連続性は人類文明の奇跡」
中国社会科学院哲学研究所の張志強所長は、メインフォーラムでの講演で、中国文明は幾千年にもわたって途切れることなく続き、多くの苦難を経験しながらも強靱さを保ってきたと語りました。
その上で、こうした連続的な発展の背後には、世代を超えて創意工夫を重ねてきた中国の人々の努力があると指摘しました。文明を絶えず更新し続けてきたことが、現在の文化的自信の源泉だという見方です。
張氏は、中国文明の連続性を人類文明の奇跡であり、私たちの文化的自信の礎だと表現し、歴史を踏まえながら、新しい時代にふさわしい文化を創り出す重要性を強調しました。
- 長い歴史の中で途切れることなく続いてきた文明
- 創造と革新を積み重ねてきた人々の役割
- 過去への誇りが、未来の文化創造を支える土台になる
沈壮海氏「技術頼みから、国民のリテラシー向上へ」
武漢大学マルクス主義学院の沈壮海教授は、近年、中国ではインターネット・プラスやAIプラスといった取り組みを通じて、文化政策とデジタル技術を深く結び付けてきたと説明しました。
こうした政策は、中国文化の遺伝子を守りつつ、その内容を豊かにし、デジタル化・知能化の時代にふさわしい魅力を引き出すことを目指したものだといいます。
沈氏は、これまでの取り組みが歴史的な成果を上げてきたと評価しながらも、今後はインターネット技術そのものに過度に依存するのではなく、国全体の文化リテラシーとデジタルリテラシーを高めることに、より重心を置くべきだと提案しました。
デジタルやAIといった技術は、人間の創造性を高め、新しい文化を生み出すためにこそ使われるべきであり、そのためには技術を使いこなす人の側の力を育てる必要があるというメッセージです。
- インターネット・プラスやAIプラスで文化と技術の統合を推進
- 中国文化の遺伝子を守りつつ内容を豊かにする
- これからは技術よりも、人々の文化・デジタルリテラシーを高めることが重要
高文氏が語る、AIの役割
中国工程院の高文院士も、AIが文化の発展に果たす重要な役割を強調しました。高氏の発言からは、今後、AIが文化コンテンツの制作や発信のさまざまな場面で活用されていくことへの期待がうかがえます。
フォーラムが投げかける問い
今回の深圳のフォーラムでは、長い歴史を持つ中国文明への自信と、AIをはじめとする新しい技術の可能性という、一見すると異なる二つのテーマが交差しました。
共通するキーワードは、人間の創造性です。文明の連続性を支えてきたのも人であり、デジタル時代の文化を形づくるのもまた人です。技術は、その創造性を後押しする手段にすぎません。
インターネットやAIをどう使うのかだけでなく、それらを使いこなすための文化的な素養をどう高めるのか。深圳の議論は、デジタル時代に文化を育てるための普遍的なテーマを投げかけていると言えるでしょう。
AIと文化政策の関係をめぐる今回の動きは、日本の読者にとっても考える材料の多い国際ニュースとなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








