中国初の小惑星探査「天問2号」今週木曜に打ち上げへ video poster
中国の宇宙開発で新たな節目となる小惑星探査ミッション「天問2号」が、2025年12月11日(木)に打ち上げられる予定です。中国国家航天局(CNSA)によると、小惑星からのサンプルリターンと彗星探査を一度の飛行で行う意欲的な計画で、国際ニュースとしても大きな注目を集めています。
打ち上げは四川省・西昌から
天問2号は、中国南西部・四川省にある西昌衛星発射センターから、長征3号B(ロングマーチ3B)Y110ロケットによって打ち上げられる予定です。打ち上げロケットは現在、推進剤の充填作業が進められており、打ち上げに向けた最終段階に入っているとされています。
中国メディアグループ(China Media Group)は、中国国家航天局の情報として、ロケットの輸送、垂直立ち上げ、探査機との結合、フェアリング(保護カバー)への収納、そしてシステム全体の試験がすでに完了していると伝えています。
天問2号ミッションの全体像
今回の小惑星探査ミッション「天問2号」は、一度のミッションで複数の深宇宙探査目標に挑むのが特徴です。
- まず、地球近傍小惑星2016 HO3(カモオアレワ)に接近し、詳細なフライバイ観測とサンプル(試料)の採取を行う。
- 採取したサンプルを地球へ持ち帰り、回収カプセルを分離して地上に届ける。
- その後も探査機本体は飛行を続け、小惑星帯にあるメインベルト彗星311Pとのランデブー(接近)とフライバイ観測を実施する。
一度サンプルを地球に届けた後も、同じ探査機が別の天体へ向かう構成は、探査効率を高めるとともに、長期間の深宇宙運用技術を磨く狙いがあるとみられます。
成功すれば米国・日本に続く「サンプルリターン」達成国に
中国国家航天局によれば、天問2号が計画通りに小惑星からサンプルを持ち帰ることに成功すれば、中国は小惑星サンプルリターンミッションを達成した国の仲間入りを果たすことになります。現在、小惑星からサンプルを地球に持ち帰った実績を持つのは、米国と日本など、ごく限られた国にとどまっています。
サンプルリターンは、単に探査機を送り込むだけでなく、目的天体での精密な制御や、サンプル採取機構の運用、地球への再突入カプセルの開発など、多くの高度な技術が求められます。天問2号の成否は、中国の深宇宙探査能力を測る試金石としても注目されます。
打ち上げ準備は「総仕上げ」の段階に
中国国家航天局によると、探査機そのものは最終組み立て、システム試験、推進剤充填、発射場への移送、機能チェック、そして総合リハーサルといった工程をすでに完了しています。
一方、長征3号B Y110ロケットについても、輸送や垂直立ち上げ、探査機とのドッキング、フェアリングへの収納、全システム試験が行われ、打ち上げに向けた準備が整いつつあります。
さらに、西昌衛星発射センター、北京航天飛行制御センター、西安衛星測位センター、洋上での追跡を行うYuanwang追跡船隊など、ミッションに関わる各機関が連携した総合訓練も実施されました。打ち上げから探査機の航行、データ取得までを見据えた運用体制が整えられていることがうかがえます。
日本の読者が押さえておきたいポイント
今回の天問2号ミッションを理解するうえで、日本の読者が注目しておきたい点を整理すると、次のようになります。
- 中国として初の本格的な小惑星サンプルリターン計画であること
- 一度のミッションで「小惑星サンプルリターン」と「メインベルト彗星探査」という複数の目標に挑むこと
- 成功すれば、米国・日本に続く小惑星サンプルリターン達成国となる可能性があること
- ロケットや探査機の準備だけでなく、地上局や追跡船隊を含む大規模な運用体制が組まれていること
こうした点から、天問2号は単なる一回限りの打ち上げイベントではなく、中国の深宇宙探査力がどこまで成熟しているかを示す重要な指標ともいえます。
これからのスケジュールと今後の見どころ
現時点では、天問2号の打ち上げは今週木曜日に予定されています。打ち上げ後には、探査機の分離や軌道投入が計画通り行われるか、そして初期運用(アーリーフェーズ)の安定性が最初のチェックポイントになります。
その後、小惑星2016 HO3への接近、サンプル採取、地球への帰還、さらにメインベルト彗星311Pへの向かい方など、長期にわたって注目すべき節目が続きます。新しい情報が出るたびに、ミッションの進捗を丁寧に追っていくことで、中国の宇宙開発や国際宇宙探査のバランスを立体的に理解する手がかりになるでしょう。
Reference(s):
China set to launch first asteroid mission Tianwen-2 on Thursday
cgtn.com








