李強首相、ASEAN・GCCと「開放のモデル」構築を提案
李強首相、ASEAN・GCCと「開放のモデル」構築を提案
今週マレーシアの首都クアラルンプールで開かれた第1回ASEAN・中国・GCCサミットで、中国の李強首相が演説し、開放、発展協力、文明交流の三つの分野で「モデル」となる関係づくりを呼びかけました。東南アジアと湾岸地域を結ぶ新たな枠組みとして、今後の国際経済と地域秩序にどのような影響を与えるのかが注目されています。
クアラルンプールで初の3者サミット
李強首相が演説したのは、マレーシア・クアラルンプールで開催された初のASEAN・中国・GCCサミットです。中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)、湾岸協力会議(GCC)の三者を一堂に集めたこの場で、李首相は三つの地域を「開放」「協力」「文明交流」の面で結び付ける構想を示しました。
「開放のモデル」―三つの市場をつなぐ
李首相はまず、三者が「越域的な開放のモデル」をつくるべきだと強調しました。中国、ASEAN、GCC諸国を合わせた人口と経済規模は、世界全体のおよそ4分の1を占めると指摘し、この三つの市場がより完全につながれば、より大きな成長余地と規模の効果が生まれると述べました。
その具体例として、中国とASEANの間では、中国・ASEAN自由貿易圏の「バージョン3.0」へのアップグレード交渉がすでに完了したと説明しました。また、GCCと各国・地域との自由貿易協定交渉が早期にまとまれば、三者間の貿易水準がいっそう高まるとの見通しを示しました。
李首相は、三者が揺るぎなく地域の開放を拡大し、資源・技術・人材がより効率的に流れ、貿易と投資の自由化・円滑化が進む「大きな共同市場」を築くべきだと提案しました。こうした取り組みによって、開放的な発展がもたらす力を十分に引き出せるとしています。
発展段階の違いを生かす「協力のモデル」
次に李首相は、三者が異なる発展段階にあることに触れ、「違いは協力の障害ではなく、むしろ強みを補い合う要素だ」と強調しました。経済構造や産業の得意分野が違うからこそ、互いの長所を組み合わせる余地が大きいという見方です。
中国としては、ASEANやGCCと「相互尊重と平等な扱い」を基礎に戦略的な連携を深め、マクロ経済政策の調整を強化し、産業の分業・専門化で協力を進める考えを示しました。
李首相は「それぞれの強みを皆の強みに変え、新たな発展上の課題に対処するのを助け合うべきだ」と述べ、国際的な産業経済協力の新しい形をともにつくり出すことを提案しました。そのうえで、各自の能力が十分に発揮され、利益が倍増し、分かち合われるような「協調した発展」を目指すとしています。
文明間の「統合モデル」―価値観と交流の重視
三つ目の柱として、李首相は「文明横断的な統合のモデル」を掲げました。中国、ASEAN、GCCにはそれぞれ活力ある文明が存在し、平和・協力・開放・包摂といったアジアの価値観を共有していると指摘しました。
そのうえで、文化的・人的交流を一層深め、相互信頼の土台を強化する必要があると強調しました。具体的には、相互理解を通じて違いを適切に管理し、思想やアイデアの交流を通じて互恵的な協力を育て、多様な文明が共に進歩するための新しい道を模索するべきだと述べました。
李首相は、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相が提唱した「儒教・イスラム文明対話」構想を中国として積極的に支持すると表明しました。また、中国はASEANやGCCとともに「グローバル文明イニシアチブ」を実行に移し、文明間の相互学習を促進し、平和と発展に向けた合意と原動力を高めていく用意があると締めくくりました。
国際秩序の揺らぎの中で示された方向性
世界経済の分断や対立のリスクが指摘される中で、中国、ASEAN、GCCが「開放」と「協力」、そして「文明間の対話」を同時に掲げたことは、一つのメッセージとして受け止められます。三つの地域をまたぐ市場統合と産業協力の構想が、どこまで実際の制度やプロジェクトに落とし込まれていくかが今後の焦点になりそうです。
東南アジアと湾岸地域を結ぶ経済・文明ネットワークが静かに広がることで、アジア発の新しい地域連携のかたちがどのように立ち上がっていくのか。クアラルンプールでの李強首相の演説は、その行方を考えるための一つの起点となっています。
Reference(s):
Premier Li calls for forging example of openness with ASEAN, GCC
cgtn.com








