国際子どもの日に宇宙からエール 中国Shenzhou-20乗組員が子どもたちにメッセージ
6月1日の国際子どもの日に合わせ、中国の宇宙ステーションに滞在する宇宙船Shenzhou-20の乗組員が、子どもたちに向けて宇宙から祝福のメッセージを送りました。中国Young Pioneers(CYP)の全国大会とも連動したこの取り組みは、宇宙開発と次世代教育をつなぐ象徴的な出来事となっています。
国際子どもの日に宇宙から届いたメッセージ
6月1日の国際子どもの日を祝うため、中国の宇宙ステーションにいるShenzhou-20のクルーが、子どもたちへメッセージを発信しました。地上から数百キロ離れた宇宙空間からの「子どもの日おめでとう」という呼びかけは、画面越しに見つめる子どもたちにとっても印象深いものになったとみられます。
中国Young Pioneers大会と連動した企画
この宇宙からのメッセージは、北京で開幕した中国Young Pioneers(CYP)の第9回全国大会に合わせて行われました。CYPは、中国の子どもたちを対象とした全国組織で、会員の多くが学校生活の中で活動しています。
大会の開幕に合わせて、Shenzhou-20の乗組員は、宇宙ステーションに持ち込んだCYPの旗を広げ、全国の子どもたちに向けて大会開催を祝うメッセージを送りました。宇宙空間で翻る旗の映像は、地上の集まりと宇宙のミッションがつながっていることを象徴する場面となりました。
3人の宇宙飛行士、それぞれの「子どものころの夢」
Shenzhou-20のクルーは3人編成で、指揮官を務めるのはベテラン宇宙飛行士のChen Dong(チェン・ドン)さんです。このクルーは、6か月間の任務に向けて4月24日に打ち上げられました。
ベテラン飛行士Chen Dong「赤いスカーフが夢の原点」
Chen Dongさんは、子どものころの思い出として、中国Young Pioneersの赤いスカーフを身につけた瞬間を振り返りました。初めてそのスカーフを着けたとき、社会の役に立つ人になろうと心に決めたと語っています。
今回が3度目の宇宙飛行となるChen Dongさんにとって、その子ども時代の決意と現在の任務は一本の線でつながっているといえます。CYPでの経験が、長年にわたる訓練と宇宙飛行士としてのキャリアの出発点になったというメッセージは、多くの子どもたちにとっても共感しやすいストーリーです。
初飛行のChen Zhongrui、テレビで見た打ち上げから宇宙へ
一方、今回が初の宇宙飛行となるChen Zhongrui(チェン・ジョンルイ)さんは、子どものころにテレビで見たShenzhou宇宙船の打ち上げが原点だったと語りました。画面の向こうで次々と宇宙へ向かうロケットの姿に心を奪われた経験が、宇宙飛行士を目指すきっかけになったといいます。
Chen Zhongruiさんは、5月22日に自身初となる船外活動(宇宙遊泳)を実施しました。子どものころに画面越しに眺めていた宇宙飛行を、今度は自らの体験として実現したことになります。
Wang Jie、歌に励まされた世代を代表して
同じく初飛行の宇宙飛行士であるWang Jie(ワン・ジエ)さんは、中国Young Pioneersの歌が子ども時代の自分を力づけてくれたと振り返りました。この歌は、多くの子どもたちが口ずさんできたものであり、世代を超えてCYPのメンバーを励ましてきたとされています。
Wangさんは、この歌が若い世代に先人たちの伝統を受け継ぐ力を与えてきたと述べ、今の子どもたちにも宇宙探査の使命を引き継いでほしいと期待を寄せました。宇宙からのメッセージには、単なる祝福だけでなく、「次はあなたたちの番です」という静かな呼びかけも込められています。
Shenzhou-19からの引き継ぎと記録的な船外活動
Shenzhou-20クルーは、軌道投入後、前任のShenzhou-19クルーとの間で宇宙ステーションの運用を引き継ぐ作業を無事に完了しました。そのうえで、計画通りに宇宙実験などの科学ミッションを進めています。
5月22日には、クルーとして初の船外活動を実施しました。宇宙ステーションの建設完了後では、乗組員が軌道に入ってから最初の船外活動を行うまでの期間として、これまでで最も短い記録を打ち立てたとされています。効率的かつ集中的に任務をこなす運用姿勢がうかがえます。
子どもたちへのメッセージとして読む宇宙ミッション
今回の出来事は、中国の宇宙開発の一場面であると同時に、「子どものころの好奇心や小さなきっかけが、その後の進路を大きく左右する」という普遍的なテーマも映し出しています。
赤いスカーフ、テレビ画面のロケット、心に残る歌。いずれも特別な道具や環境ではなく、日常の中にある体験です。Shenzhou-20の3人は、それらを通じて抱いた憧れや使命感を、長い年月をかけて宇宙飛行士という形に育ててきました。
国や地域を問わず、宇宙からのメッセージは多くの子どもたちに「自分も何かに挑戦してみたい」という気持ちを呼び起こします。日本でこのニュースを目にする私たちにとっても、日常の中で子どもたちの興味や好奇心をどう育てていくかを考えるきっかけになりそうです。
ポイントで振り返る
- 6月1日の国際子どもの日に、中国の宇宙ステーションにいるShenzhou-20クルーが子どもたちに祝福メッセージを送った。
- 北京で開かれた中国Young Pioneers(CYP)の第9回全国大会と連動し、宇宙ステーションでCYPの旗が広げられた。
- 3人の宇宙飛行士は、それぞれの子ども時代の体験と現在の任務を結びつけながら、子どもたちに夢と好奇心を持ち続けてほしいと語った。
- Shenzhou-20クルーは、Shenzhou-19からの引き継ぎや科学実験に加え、5月22日に記録的な早さで初の船外活動を達成した。
Reference(s):
Chinese astronauts extend Children's Day greetings from space station
cgtn.com








