中国とキリバス、気候変動と「ブルーパートナーシップ」で関係強化へ
中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は、水曜日に行われたキリバスのタネティ・マーマウ大統領兼外相との会談で、キリバスとの二国間関係を一段と前進させ、同国の人びとの生活向上に貢献していく用意があると強調しました。本記事では、この会談のポイントと中国・キリバス関係の最新動向を整理します。
会談は、中国南東部の福建省アモイ市で開かれた第3回中国・太平洋島しょ国外相会合にあわせて行われました。マーマウ大統領は、この会合に出席するためアモイを訪れています。
国交再開から5年余りで急速に進む中国・キリバス関係
王毅外相は、5年以上前に両国が外交関係を回復して以来、中国とキリバスの関係は急速に前進してきたと振り返りました。政治面での相互信頼が深まるとともに、さまざまな分野で実務的な協力が成果を上げていると評価しています。
また、キリバスが中国との関係を回復する決定を下したことは、両国の人びとの根本的かつ長期的な利益に完全に合致していると述べ、今回の会談を通じて、その路線をさらに強化していく考えを示しました。
「一つの中国」原則への支持に謝意、医療とビザで具体的支援
王毅外相は、中国がキリバスとの関係を一貫して重視していると述べる一方で、キリバスが「一つの中国」原則を堅持していることを高く評価しました。中国側は、この原則への支持が両国関係の土台になっていると位置づけています。
具体的な協力の例として、王毅外相は、中国大使館がキリバスにある各国の在外公館の中で最初にビザサービスを提供したこと、中国の医療チームが現地の医療不足の解消に効果を上げてきたことを紹介しました。こうした分野での支援は、日々の生活に直結する「目に見える成果」といえます。
さらに中国は、信頼できる実力を持つ中国企業がキリバスへの投資を行うことを引き続き奨励していく方針で、インフラなどを含む経済協力の広がりも見込まれます。
海洋資源での「ブルーパートナーシップ」強化
王毅外相は、中国とキリバスが「ブルーパートナーシップ」の枠組みの下で、海洋資源の保護・開発・利用に関する協力を強化できると述べました。太平洋に広大な海域を持つキリバスにとって、海は経済と暮らしの基盤です。
海洋環境の保全と資源利用をどう両立させるかは、太平洋島しょ国に共通する課題でもあります。今回の発言は、漁業や海洋インフラ、環境保護など、今後の協力分野が一層広がる可能性を示しています。
気候変動で途上国と連携、先進国に責任履行を求める姿勢
王毅外相は、中国が太平洋島しょ国を含む途上国の気候変動をめぐる「独自の課題」と「正当な懸念」を十分理解していると述べました。気候変動は、キリバスのような島しょ国にとって、経済だけでなく安全保障にも関わる深刻なテーマです。
そのうえで中国は、キリバスを含む途上国と連携し、先進国に対して歴史的責任に向き合うこと、約束の履行、さらに資金・技術・能力構築などでの支援拡大を求めていく姿勢を示しました。これは、国際交渉の場で途上国の声を後押しする姿勢を強調したものといえます。
また中国は、南南協力(途上国どうしの協力)の枠組みの下で、キリバスの気候変動への強靱性(レジリエンス)を高める支援を続ける方針です。防災インフラづくりや適応策の強化などを通じて、気候リスクに耐えうる社会づくりを後押しするとしています。
マーマウ大統領、文化・インフラ・ブルーエコノミーでの連携に期待
マーマウ大統領は、中国がこれまでキリバスの経済・社会発展を力強く支えてきたことに謝意を表明しました。そのうえで、今後さらに協力を深めたい分野として、次のようなテーマを挙げました。
- 文化交流
- 医療・保健分野での協力
- 道路や港などのインフラ整備
- 姉妹都市交流
- ブルーエコノミー(海洋資源を生かした持続可能な経済)
- 気候変動への対応
このリストからは、中国とキリバスの協力が、ハードインフラだけでなく、人と人とのつながりや環境・気候といったソフトな分野にも広がろうとしていることがうかがえます。
第3回中国・太平洋島しょ国外相会合への期待
中国とキリバスの双方は、第3回中国・太平洋島しょ国外相会合の成功に自信を示しました。今回の二国間会談は、両国関係をさらに深めるだけでなく、中国と太平洋島しょ国全体との連携を前進させる一コマにもなっています。
とくに、海洋資源をめぐる「ブルーパートナーシップ」と、気候変動に対する協力は、今後の地域協力の大きな柱になりそうです。太平洋地域の動きを追ううえで、こうしたテーマがどのように具体化していくかに注目が集まりそうです。
このニュースを読むための3つの視点
newstomo.com の読者が、このニュースを自分ごととして考えるうえでの視点を、最後に3つ挙げておきます。
- 海と経済: 「ブルーパートナーシップ」やブルーエコノミーは、海洋資源をどう守り、どう生かすかという課題と直結しています。
- 気候正義: 気候変動をめぐる「歴史的責任」や「約束の履行」という言葉は、先進国と途上国の役割分担の議論を意識させます。
- 太平洋地域の連携: 太平洋島しょ国がどのようなパートナーと協力し、どのテーマを重視しているのかを見ることで、地域秩序の変化がより立体的に見えてきます。
短時間で読める一つの会談記事の裏側にも、海洋、気候、開発という長期的なテーマが重なっています。日々のニュースを追いながら、こうした視点をあわせて持つことで、国際ニュースの読み方が一段と深まっていきそうです。
Reference(s):
Wang Yi: China ready to further advance bilateral ties with Kiribati
cgtn.com








