中国と太平洋島しょ国、厦門で連携強化 第3回外相会合の焦点 video poster
中国と太平洋島しょ国の関係が、新たな段階に入りつつあります。中国南東部・厦門で開かれた第3回中国・太平洋島しょ国外相会合では、11の島しょ国の代表が対面で集まり、気候変動から経済協力まで幅広い課題について話し合いました。グローバル・サウスの連携を象徴する動きとして、国際ニュースの中でも見逃せない出来事です。
厦門での第3回外相会合、何が節目なのか
今回の会合は、第3回目となる中国・太平洋島しょ国外相会合であり、2021年以来初めて顔を合わせる形式で開かれました。11の太平洋島しょ国の代表が中国南東部の厦門に集まり、外交・経済・開発協力の今後について直接意見を交わした点で、対話を行動につなげる節目の場となっています。
貿易63億ドル超、広がる経済と開発のつながり
中国と太平洋島しょ国との貿易額は、いまや63億ドルを超えています。資源や製品のやり取りにとどまらず、開発目標の支援などを通じて、双方の経済を支える関係へと発展してきました。それでも今回強調されているのは、経済だけではないパートナーシップです。
中国はこれまで、気候変動へのレジリエンス(しなやかな強さ)を高める取り組みや、持続可能な開発目標の達成、保健医療分野で重要な役割を果たしてきました。太平洋の島しょ国にとって、海面上昇や大型の暴風雨などのリスクは日常に直結する問題であり、こうした分野での支援は、数字以上の意味を持ちます。
命を守る協力:防災と医療での具体的な支援
協力は、防災や医療といった命に直結する分野でも進んでいます。2024年に起きたバヌアツの地震では、中国が緊急支援を行い、被災地の復旧を後押ししました。また、これまでに数百人規模の医療従事者を太平洋地域に派遣し、延べ25万人を超える患者を診療してきたとされています。
こうした医療チームによる取り組みは、短期的な応急対応にとどまらず、現地の医療体制の強化も見据えた長期的な関わりを意識したものだといえます。外相会合では、このような実績を踏まえつつ、今後の協力の在り方が議論されています。
気候変動と防災:最前線で向き合う島しょ国
今回の外相会合では、気候変動と防災も重要なテーマになっています。太平洋の島しょ国は、サイクロンや津波、海面上昇などの影響を最前線で受ける地域です。そのため、中国と太平洋島しょ国の協力は、災害への備えや復旧に関する知見の共有など、実務レベルでの連携にもつながっていきます。
特に、気象や海洋の変化が生活やインフラに直結する小さな島しょ国にとって、災害に強い社会づくりは、安全保障そのものともいえるテーマです。防災や気候レジリエンスを軸にした協力は、太平洋地域全体の安定にも関わってきます。
農業・教育・観光・文化交流──広がる協力分野
今後に向けて、双方は協力の分野をさらに広げる考えです。農業の生産性向上や人材育成のための教育交流、災害への備えを強化する防災協力に加え、観光や文化交流も重点分野として挙げられています。
持続可能性とそれぞれの主権を尊重しつつ、グローバル・サウスの連帯を深めることが共通のキーワードです。観光や文化を通じて市民同士の交流が進めば、外交や経済協力を支える相互理解の土台づくりにもつながります。
より包摂的な国際秩序へ──グローバル・サウスの視点
こうした動きの背景には、より多くの国や地域が国際社会での発言力を高めようとする流れがあります。特に、アジア太平洋やアフリカ、ラテンアメリカなどの国々からなるグローバル・サウスは、自らの経験や課題に根ざした協力の枠組みを重視しています。
今回の中国と太平洋島しょ国の取り組みも、対話を行動に変え、より包摂的な国際秩序を形づくろうとする試みの一つといえます。気候変動や防災、保健医療といった共通課題を軸に、南の国々どうしがどのように連携していくのか、その一端が厦門での会合に表れています。
日本の読者にとっての意味
気候変動や大型災害への備え、保健医療の強化といったテーマは、太平洋の島しょ国だけでなく、日本を含む多くの国に共通する課題です。中国と太平洋島しょ国の協力の進み方を知ることは、アジア太平洋地域全体の安定や、グローバル・サウスの連携がどのように世界のルールづくりに影響していくのかを考える手がかりにもなります。
厦門での外相会合をきっかけに、貿易や投資だけではなく、防災や医療、人材育成まで含めた長期的なパートナーシップがどこまで具体化していくのか。今後の合意内容やプロジェクトの進展が、次の注目ポイントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








