国連が制定した「国際ポテトデー」 じゃがいもが世界の食を支える理由
国連が新たに制定した「国際ポテトデー」は、身近なじゃがいもが世界の食料安全保障と持続可能な農業を支える重要な作物だというメッセージを発信する国際ニュースです。日々の食卓の一品が、実は地球規模の課題とつながっています。
国連が制定した「国際ポテトデー」とは
2023年12月20日、国連は5月30日を「International Day of Potato(国際ポテトデー)」と宣言しました。この国際デーは、一見素朴な作物であるじゃがいもが、世界の食料安全保障と持続可能な農業にとって欠かせない存在であることを公式に認めるものです。
国際ニュースとしてのポイントは、単なる「じゃがいもを祝う日」が増えたという話ではありません。気候変動や紛争などで不安定になりがちな世界の食料供給を、どう多様化し、強靭(レジリエント)にしていくかという議論と深く結びついています。
アンデスから世界第四の食料作物へ
じゃがいもの起源は、南米・アンデス山脈の高地とされています。そこから長い時間をかけて世界各地に広がり、いまでは米、小麦、トウモロコシに次ぐ「世界第4の食料作物」となっています。
フライドポテトやマッシュポテト、煮込み料理、グラタン、サラダ、スナックなど、国や地域ごとに多様な料理に姿を変えながら、人々の主食・副菜として生活を支えています。身近さの裏に、世界規模の生産と消費のネットワークが広がっているのです。
中国本土が世界最大の生産地
世界のポテト生産をリードしているのが中国本土です。世界全体の生産量のおよそ4分の1を占めるとされ、量の面でも、栽培環境や品種の多様性の面でも大きな存在になっています。
ポテトが食料安全保障の観点から重視される背景には、複数の地域で広く生産できるという「分散性」もあります。特定の作物や特定の地域への依存を減らすことで、天候不順や紛争などによる供給ショックのリスクを下げることができます。
気候変動時代に強い「頼れる作物」
国際ポテトデーの制定理由として挙げられているのが、じゃがいもの栄養価、気候への強さ(気候レジリエンス)、そして料理面での多様性です。これらは、これからの食と農を考えるうえで欠かせない視点でもあります。
- 栄養価が高い:主なエネルギー源となる炭水化物に加え、ビタミンCや食物繊維、カリウムなどを含み、他の食材と組み合わせることでバランスの良い食事を組み立てやすい作物です。
- 気候レジリエンス:冷涼な環境でも育てやすく、さまざまな土壌条件に適応できるため、気候変動の影響を受けやすい地域でも重要な選択肢となり得ます。
- 料理の多様性:茹でる、焼く、揚げる、蒸すなど調理法が豊富で、家庭料理から外食産業まで幅広い場面で活躍しています。
こうした特徴を持つじゃがいもは、人口増加や都市化が進むなかで、限られた資源をどう有効に使うかを考える際の「実践的なヒント」を与えてくれます。
「国際ポテトデー」を自分ごとにするには
国際デーというと遠い世界の記念日のように感じられるかもしれませんが、じゃがいもは日本の家庭でもおなじみの食材です。身近な食材を通じて、世界の食料問題や持続可能な農業を考えるきっかけにすることができます。
- いつものポテト料理を食べるときに、「どの地域で、どのように作られているのか」を少しだけ意識してみる。
- じゃがいもの保存方法や、芽が出たときの安全な扱い方を確認し、家庭での食品ロスを減らす工夫をする。
- 家族や友人、SNSで、国際ポテトデーやじゃがいものストーリーを共有し、食と農について話すきっかけをつくる。
「当たり前の一皿」を通じて世界の課題を見つめ直す視点は、情報があふれる時代の新しい教養ともいえます。次にじゃがいも料理を前にしたとき、国連が定めた国際ポテトデーと、その背景にある食料安全保障や持続可能な農業のテーマを、少しだけ思い出してみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
International Day of Potato: A global celebration of the humble potato
cgtn.com








