中国・貴州と広西の境界 ミャオ村の小さな学校が迎える子どもの日
中国・貴州省と広西チワン族自治区の境界にある山あいのWuying(ウーイン)ミャオ村の小さな学校で、このほど、国際子どもの日を前にした行事が開かれました。村の子どもたちは、行政区域の違いをこえて一緒に遊び、学び、祝う一日を過ごしました。
山あいの「国境の村」で暮らす人びと
Wuyingミャオ村は、中国の貴州省と広西チワン族自治区の境界沿いの山あいに位置する小さな村です。145戸の世帯のうち、104戸が広西側、41戸が貴州側に属しています。
戸籍や行政の区分上は二つの地域に分かれていますが、村の人びとは長いあいだ、一つの共同体として暮らしてきました。どちらの側に住んでいても、日々の仕事や生活、祭りや行事は自然と一緒になり、山あいの村ならではの落ち着いた時間が流れています。
13人だけの小さな学校、それでも学びは充実
村にある小さな学校の分校では、現在、2つの学年のクラスが開かれています。1年生は7人、2年生は6人で、あわせて13人の児童が通っています。そのうち8人は広西側、5人は貴州側から通っており、まさに「国境の村」の子どもたちが同じ教室で学んでいます。
規模だけを見ればとても小さな学校ですが、学びの内容は決して小さくありません。教科は基礎的なものから体づくり、安全に関わる授業まで、幅広く用意されています。
- 中国語
- 算数
- 図画工作(アート)
- 体育
- 保健・安全
- 地域文化(ルーシェンやミャオ族の民謡など)
少人数だからこそ、一人ひとりの理解度や個性に合わせたきめ細かい学びがしやすい環境でもあります。
教室で出会う地域文化――ルーシェンと民謡
この分校の特徴の一つが、地域文化を大切にした授業です。カリキュラムには、ルーシェンと呼ばれる伝統的な葦笛のような楽器や、ミャオ族の民謡といった「ふるさとの文化」を学ぶ時間が組み込まれています。
子どもたちは、教室でルーシェンの音色や民謡に触れることで、自分たちの暮らす村の歴史や文化に自然と親しんでいきます。こうした授業は、勉強というよりも、世代をこえて受け継がれてきたものを知り、楽しむ時間でもあります。
将来、もし村を離れることがあっても、こうした文化の記憶は、子どもたちにとって「自分の原点」を思い出させる手がかりになりそうです。
国際子どもの日を前に、笑顔あふれる水曜日
水曜日には、国際子どもの日を前に、子どもたちが主役の楽しい催しが行われました。学校では、一日を通してさまざまな楽しくにぎやかな活動が行われ、13人の児童全員が一緒に時間を過ごしました。
広西側と貴州側、それぞれの家庭から通う子どもたちが、同じ教室で机を並べ、遊び、行事に参加します。この日の主役である子どもたちにとっては、どちらの側に住んでいるかよりも、「同じ学校の友だち」であることの方がずっと大きな意味を持っているように見えます。
国境をこえる日常から見えるもの
Wuyingミャオ村の小さな学校での国際子どもの日の行事は、華やかな大規模イベントではありません。しかし、山あいの村で、行政区域をこえて子どもたちが一緒に学び、遊び、地域の文化を分かち合う姿は、教育や地域社会のあり方について、静かに多くのことを語りかけてきます。
国や地域の境界線がある世界の中で、日常のレベルでは、それをこえて結びつく人びとの暮らしがあります。13人の子どもたちが通うこの小さな学校は、その一つの象徴と言えるかもしれません。
遠く離れた日本でニュースとしてこの物語を読む私たちにとっても、「自分の地域の学校がどんな役割を果たしているのか」「子どもたちがどんなふるさとの記憶を持てるようにしたいのか」を考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Small school, big joy: United celebration in a borderland Miao village
cgtn.com








