タクラマカン・ラリー第9ステージ、砂嵐で短縮も技術戦が白熱 video poster
今週末、中国北西部の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uygur Autonomous Region)で開催されているタクラマカン・ラリーで、第9スペシャルステージが悪天候のため大幅に短縮されました。それでもステージは、高度な運転技術とナビゲーション能力が問われる重要な一日となりました。
強風と砂嵐で209.99キロが81キロに短縮
タクラマカン・ラリー第9ステージは、本来は209.99キロのコースが予定されていましたが、現地の強風や砂嵐などの厳しい気象条件により、実際の走行距離は81キロにまで短縮されました。安全を最優先した主催者がコース変更を決断した形です。
それでも、砂漠特有の柔らかい砂地や見通しの悪さなど、ドライバーとライダーにとっては油断ならないセクションが連続し、単なる距離の短縮以上に「集中力が試される短期決戦」になったといえます。
オートバイ部門:ゲラズニンカスがステージ勝利
オートバイ部門では、Hoto Factory Racing Teamに所属するリトアニア出身のアルナス・ゲラズニンカス(Arunas Gelazninkas)が、1時間22分25秒で第9ステージを制しました。短縮ステージとはいえ、悪天候と砂漠地形が重なるなかでのトップタイムは、高い安定感とコース読みの正確さを示すものです。
一方で、同じチームのチェコ出身ライダー、マルティン・ミチェック(Martin Michek)が総合首位の座を維持しました。チームとしては、ステージウィンと総合リードを同時に確保した形で、最終ステージに向けて理想的な展開となっています。
自動車部門:范高翔組が最速タイム
自動車部門では、河北遷安九江自動車・オートバイ運動クラブ(Hebei Qian'an Jiujiang Auto and Motorcycle Sports Club)所属の范高翔(Fan Gaoxiang)とナビゲーターの付利国(Fu Liguo)組が、1時間15分55秒という最速タイムを記録しました。
短距離のステージは、一つのミスが順位に直結しやすく、ナビゲーションやペース配分の難しさが増します。そのなかでトップタイムを出した范・付組は、マシンとクルーの総合力を示したと言えるでしょう。
残り52キロ、最終ステージは「限界への挑戦」
第9ステージ終了時点で、ラリーは残り52キロの最終ステージを残すのみとなりました。大会日程では、翌日の日曜日に最終ステージが設定されており、ドライバーとライダーたちは「残りの距離で自分の限界まで攻める」と誓ってスタート地点に立っています。
総合成績上位勢にとっては、わずか52キロとはいえ、集中力を切らした瞬間に順位が入れ替わる可能性があります。逆に、これまで思うように結果を出せていない選手にとっては、最後の巻き返しのチャンスともなります。
なぜタクラマカン・ラリーが注目されるのか
タクラマカン・ラリーは、その名の通り、中国新疆ウイグル自治区に広がるタクラマカン砂漠一帯を舞台とするラリーレースです。極端な寒暖差、細かい砂が続く砂丘地帯、急変しやすい天候など、モータースポーツのなかでも特に過酷な条件が揃っています。
こうした環境では、単純なスピードだけでなく、
- ナビゲーションの正確さ
- タイヤ選択や空気圧などの戦略
- マシンを壊さずに走り切るメカニカルな配慮
- 長時間にわたる集中力と体力の維持
といった要素が勝敗を左右します。今回のように悪天候でステージが短縮されたとしても、その分、一つひとつの判断ミスの重みは増し、選手たちにとってはむしろ緊張感の高い一日になったと考えられます。
国際モータースポーツを見る「視点」
今回のタクラマカン・ラリー第9ステージのニュースは、単なるリザルト紹介にとどまりません。気象条件の変化に合わせて柔軟にコースを変更する運営判断、安全を最優先しながらも競技性を保つ工夫など、国際モータースポーツが直面する課題も映し出しています。
砂漠ラリーのような極限の舞台では、ドライバーやライダーの個人技だけでなく、チーム体制、現地での運営力、そして自然環境への向き合い方が総合的に問われます。こうした視点からレースを見ると、国際ニュースとしてのモータースポーツが、技術や安全、環境適応の「実験場」にもなっていることが見えてきます。
最終ステージまでの残りわずかな距離のなかで、誰がタクラマカン・ラリーを制するのか。第9ステージでの激しい攻防は、その結末を占う重要な一幕となりました。
Reference(s):
Stage 9 shortened at Taklimakan Rally due to adverse weather
cgtn.com








