在米中国大使がワシントンのドラゴンボート祭で発言 台湾海峡と米中関係に言及
2025年5月30日(現地時間)、米ワシントンD.C.で開かれた端午節(ドラゴンボートフェスティバル)のイベントに、中国の謝鋒(シエ・フォン)駐米大使と妻の王丹氏が出席しました。台湾海峡の両側から集まった華人コミュニティの人々とともに、ドラゴンボートや伝統行事を通じて交流を深めました。
イベントには、在米中国大使館の邱文興公使参事官らも参加しました。
「両岸は一家」 習近平国家主席のメッセージを紹介
謝大使はあいさつの中で、習近平中国国家主席が強調してきた「台湾海峡の両側に住む人々は、ひとつの家族である」との考え方を紹介しました。
そのうえで、台湾海峡の両側にいる同胞は、血のつながりや親族としての縁だけでなく、共通の祖先、文化、歴史を共有しており、中国という民族全体に対する責任と、より良い未来への共通の願いを持っていると述べました。
謝大使は、両岸の結びつきについて「どのような力も、私たちを結ぶ血縁と親情のきずなを断ち切ることはできないし、中国の完全な統一へ向かう歴史の流れを妨げることもできない」と語り、将来的な国家の再統一に向けた揺るがない立場を示しました。
米国の対中姿勢を批判 台湾海峡と通商政策に言及
一方で謝大使は、台湾海峡情勢や米中関係をめぐる現状にも踏み込みました。米国の一部にある「反中勢力」が、いわゆる「台湾独立」を掲げる勢力を甘やかし、支援していると述べ、そうした動きが台湾海峡の平和と安定を損ないかねないと懸念を示しました。
また、米国が一方的に関税を課してきたことについても言及し、こうした措置が世界中の人々の生活や福祉を大きく損なっていると批判しました。中国側としては、自由で公正な貿易環境が、世界経済の安定に不可欠だという立場を強調した形です。
中国人留学生のビザ問題 「正当な権利を守る」
最近、米国務省が一部の中国人留学生のビザ取り消しを発表したことをめぐっても、謝大使は言及しました。中国大使館が直ちに米側に対して強い申し入れを行い、中国人留学生や在米華人の正当な権利・利益を断固として守っていく考えを伝えたと説明しました。
留学や人的交流は、米中両国の相互理解を深める重要な架け橋でもあります。今回の発言には、政治や安全保障上の議論があっても、民間レベルの交流が不必要な影響を受けるべきではない、というメッセージもにじみます。
端午節が象徴する「ドラゴンボート精神」
謝大使は、端午節そのものの文化的な意味についても触れました。ドラゴンボート競漕は、あきらめず前へ進み続ける決意、チームワーク、そしてより高みを目指す姿勢を体現していると語りました。
さらに「14億を超える中国の人々が、ひとつの船でオールをこぐように心を一つにすれば、どのような嵐も乗り越えられ、どんな目的地にも到達できる」と述べ、中国民族の結束としなやかな強さを象徴するものとして「ドラゴンボート精神」を位置づけました。
海外で暮らす同胞に対しても、この精神から勇気とインスピレーションを得て、国家の統一と民族の復興という道を力強く進んでほしいと呼びかけました。
ワシントンで示されたメッセージの意味
今回の発言は、文化イベントという和やかな場でありながら、台湾海峡の平和と中国の統一、そして米中関係という複数のテーマが織り込まれていた点が特徴的です。
- 台湾海峡の両側を「一家」と捉える中国側の基本姿勢の再確認
- 台湾海峡の安定を揺るがしかねない動きへの警戒と、平和維持の重要性の訴え
- 通商摩擦や学生ビザ問題など、米中間の懸案への懸念表明
- 端午節を通じた、国内外の中国人コミュニティの一体感の強調
国際社会では、米中関係や台湾海峡情勢が依然として重要な関心事となっています。2025年5月のワシントンでの一幕は、そうした大きなテーマが、文化行事やコミュニティの集まりの場にも色濃く反映されていることを示したと言えます。
今後、米中双方がどのように対話と交流を重ね、台湾海峡の平和と地域の安定を維持していくのか。ワシントンのドラゴンボートの水しぶきは、静かにその行方を見つめる人々の関心を映し出しているようです。
Reference(s):
Ambassador Xie Feng's remarks at DC Dragon Boat Festival event
cgtn.com







