中国「ドラゴンボートのまち」海南省Hele鎮で年次レース開催 video poster
中国の国際ニュースとしても注目される文化行事が、2025年の端午節に合わせて行われました。海南省万寧市のHele鎮で、地元のドラゴンボートチーム12組が参加する年次レースが開催され、宋代から続く伝統が今年も受け継がれました。
海南省Hele鎮で開催されたドラゴンボートレース
中国・海南省の万寧市にあるHele鎮では、毎年の端午節にあわせてドラゴンボートレースが行われています。2025年も例外ではなく、地元のドラゴンボートチーム12チームが競い合いました。
端午節のレースは、単なるスポーツイベントではなく、地域の人びとが共に参加し、受け継いできた文化を確認する場でもあります。ボートに乗る選手だけでなく、チームを支える人たちや観客も含めて、まち全体で伝統を守る取り組みと言えます。
「中国ドラゴンボートのまち」と呼ばれる理由
Hele鎮は、海南省におけるドラゴンボート文化のゆりかごの一つとされています。この評価を裏づけるように、2015年には中国ドラゴンボート協会から「中国ドラゴンボートのまち」の称号が与えられました。
公式な称号を得たことで、Hele鎮はドラゴンボートをまちのアイデンティティの中心に据える存在として位置づけられました。国内外の人びとに対しても、「ドラゴンボートと言えばHele鎮」というイメージを発信しやすくなったと考えられます。
宋代から続くドラゴンボートの伝統
Hele鎮のドラゴンボートレースの伝統は、宋代(960〜1276年)にまでさかのぼるとされています。約千年にわたって続いてきた行事が、いまも毎年の端午節に受け継がれていることになります。
時代とともに社会や技術は大きく変化してきましたが、宋代から続くレースの習慣が残っていることは、地域の歴史の厚みと文化へのこだわりを物語っています。現代のHele鎮の年次レースは、単に「昔からの風習」を守るだけではなく、現代の生活の中に伝統を組み込む試みでもあります。
地域文化とコミュニティを支える役割
Hele鎮のドラゴンボートレースは、地域の文化を象徴する行事であると同時に、コミュニティをつなぐ装置にもなっています。
- 地元チームが毎年参加することで、世代を超えて経験や技術が継承される
- レースの準備や応援を通じて、住民どうしのつながりが強まる
- 「ドラゴンボートのまち」という共通の誇りが、地域の一体感を高める
こうした文化行事は、外から見ると観光的な「見どころ」にもなり得ますが、内側から見ると、地域社会を支えるインフラの一部とも言えます。
国際ニュースとしての視点:ローカルな伝統が持つ意味
今回のHele鎮のドラゴンボートレースは、一見するとローカルな出来事に見えます。しかし、国際ニュースとして見たとき、いくつかの示唆があります。
- 急速な都市化やデジタル化の中でも、地域ごとの文化がどのように生き残り、再解釈されているのか
- 公式な称号や認定が、地域の文化やブランドづくりにどのような影響を与えるのか
- 長い歴史を持つ行事が、今の世代にとってどんな意味を持ちうるのか
日本やアジア各地でも、地域の祭りや伝統行事の「これから」が問われています。Hele鎮の事例は、そうした議論を考えるうえで、一つのヒントになるかもしれません。
私たちが考えたい三つのポイント
このニュースから、読者が考えてみられるポイントを三つに整理します。
- 伝統をどう「今」に結びつけるか
宋代から続くレースが、2025年の年次イベントとして続いていることは、伝統が固定されたものではなく、時代に応じて形を変えながら受け継がれるものであることを示しています。 - 地域の物語とブランドづくり
「ドラゴンボートのまち」という明確な物語を持つことで、Hele鎮は自らの位置づけを内外にわかりやすく示しています。地域ごとにどのような物語を紡げるのかは、日本の地方都市にとっても共通の課題です。 - 文化行事とコミュニティの力
毎年繰り返される行事は、参加する人だけでなく、見守る人びとにとっても「自分たちの場所」を感じるきっかけになります。文化行事を通じて、どのようにコミュニティの力を高めていくのかが問われています。
中国・海南省Hele鎮のドラゴンボートレースは、ローカルなニュースでありながら、アジアの地域社会や文化の未来について考える入口にもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








