太陽フレアで地磁気嵐の可能性 健康への影響とオーロラを解説
5月31日に発生した太陽フレアが地磁気嵐やオーロラを引き起こす可能性が指摘されました。健康への影響はないとされる一方で、私たちの生活やインフラにはどんな関係があるのでしょうか。
5月31日の太陽フレア 中国の観測機関が速報
中国の国家宇宙天気監視・早期警戒センターによると、5月31日午前7時45分ごろ、太陽の活動領域14100で太陽フレアが発生しました。太陽からの軟X線の強さが急激に高まり、午前8時5分にM8.1とされる中規模クラスのピークに達しました。
この太陽フレアには、太陽の外層から高速のプラズマが放出されるコロナ質量放出が伴っていました。太陽の周囲から球状に広がるショック波となって太陽系を伝わり、ちょうど地球の方向を向いていた領域から発生したため、地球が影響を受ける可能性が高まったとみられます。
同センターは、フレア発生からその後3日間にかけて地磁気嵐が起きるおそれがあり、北側の高緯度地域に住む人々にとっては鮮やかなオーロラが見られる可能性がある一方で、人の健康には影響はないと説明しました。
地磁気嵐とは?地球の磁場が大きく揺さぶられる現象
宇宙天気の分野でいう地磁気嵐とは、太陽活動が原因で地球全体の磁場が強く乱される現象です。今回のような太陽フレアやコロナ質量放出によって吹き付ける高エネルギーの粒子が、地球の磁場に衝撃を与えることで起こります。
専門家によると、地磁気嵐が強まると次のような影響が出る可能性があります。
- 衛星通信の一時的な乱れ
- 宇宙空間で活動する人工衛星や宇宙機の運用への影響
- 衛星測位システムで位置情報の誤差が増える
一方で、一般の人々にとって最も分かりやすい影響は、鮮やかなオーロラが高緯度地域に出現しやすくなることです。夜空に広がる光のカーテンは、地磁気嵐の副産物として現れる自然のショーともいえます。
健康への影響はなし 過度に不安になる必要はない
今回の太陽フレアやそれに伴う地磁気嵐について、専門機関は人の健康に悪影響はないと明言しています。日常生活を送るうえで、特別な対策を取る必要はありません。
むしろ影響が大きいのは、社会インフラや精密機器の側です。通信や衛星利用が重要な業界では、宇宙天気の情報をもとに運用計画を調整することがありますが、多くの場合は技術的な対策や冗長性によってリスクが抑えられています。
レースバト愛好家への注意喚起
地磁気嵐が直接人の健康に影響することはないとされる一方で、意外なところに注意が必要だとされています。それがレースバト、いわゆる伝書バトの競技です。
専門家は、地磁気嵐の期間中はレースへの参加や放鳥を控えるよう呼びかけています。ハトが帰巣の際に頼りにしているとされる地球の磁場が乱れることで、思わぬ方向に飛んでしまうなど、余計な損失につながるおそれがあるためです。
太陽活動は11年周期 現在はサイクル25のピーク期
太陽の活動には、おおよそ11年ごとの周期があることが知られています。現在進行中の太陽活動サイクル25は2019年に始まり、今まさにピーク期に入っているとされています。
専門家によると、2024年と2025年は太陽活動が特に活発になる時期であり、太陽フレアや地磁気嵐の発生頻度が増える可能性があります。ただし、こうした現象は太陽にとっては通常の自然現象であり、異常事態というよりは、周期的にやってくる活発期と理解するのが適切です。
これからの数年、私たちが知っておきたいこと
太陽活動のピーク期が続くなかで、宇宙天気に関するニュースに触れる機会は今後も増えそうです。日々の生活の中で、次のポイントを押さえておくとよいでしょう。
- 太陽活動には11年周期があり、現在はサイクル25の活発な時期にある。
- 地磁気嵐は衛星通信や宇宙機に影響を与える可能性があるが、一般の人の健康に悪影響はないとされている。
- 条件が整えば、高緯度地域ではオーロラ観測のチャンスが増える。
- レースバトなど、鳥の帰巣本能に依存する競技では、宇宙天気情報を確認してスケジュールを調整することが推奨されている。
宇宙から届く太陽の活動は、時に私たちの文明社会に揺さぶりをかけますが、それを正しく理解し、落ち着いて向き合うことで、リスクを抑えつつ自然現象として楽しむ視点も持つことができます。
Reference(s):
Geomagnetic storms likely after solar flare, no threat to health
cgtn.com








