中国本土が民進党当局に警告 第2回両岸中華文化サミット巡り
中国本土の台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官が、水曜日の記者会見で台湾当局を率いる民主進歩党(DPP)に対し「自らの伝統を忘れる者に良い結末はない」と強い警告を発し、第2回両岸中華文化サミットを巡る対立が鮮明になっています。
この記事のポイント
- 中国本土側が、両岸の「文化的ルーツ」を強調しつつ、民進党当局に対して強い口調でけん制
- 台湾当局の大陸委員会は、文化サミットを「統一戦線」的な政治イベントだと批判
- 中国本土側は、サミットに参加した台湾の企業経営者らの「文化的自己認識」は権利と自由だと主張
背景 民進党当局の批判に中国本土が反発
今回の発言は、今年5月末に閉幕した第2回両岸中華文化サミットを巡る台湾側の批判に応じたものです。朱鳳蓮報道官は、水曜日の会見で、台湾当局の大陸委員会が同サミットを政治的な「統一戦線」イベントだと位置づけたことを強く非難しました。
台湾当局を率いる民進党は、サミットに参加し「中華文化へのアイデンティティ」を表明した台湾拠点の企業経営者らに対して、調査を行う可能性に言及したとされています。これに対し、朱報道官は、そうした姿勢そのものを問題視しました。
第2回両岸中華文化サミットとは
第2回両岸中華文化サミットは、「継承・推進・発展」をテーマに掲げた文化交流の場で、台湾と中国本土の文化・学術分野から800人以上が参加したとされています。名称が示す通り、「両岸」、つまり台湾と中国本土の間で中華文化をどのように受け継ぎ、次世代に伝えていくのかが主な議題となりました。
朱報道官によれば、サミットに参加した多くの台湾の出席者が、「両岸が共有するアイデンティティ」を認める発言を行い、中華文化の継承へのコミットメントを改めて表明したといいます。
共有のルーツを強調 「一つの家族」とのメッセージ
朱報道官は会見で、台湾と中国本土の人々は「同じ祖先、同じ言語、同じ文化的伝統」を共有していると強調しました。そのうえで、「私たちは血のつながりと共通の運命を分かち合う一つの家族だ」と述べ、両岸の関係を文化と血縁に根ざしたものとして位置づけました。
この文脈の中で飛び出したのが、「自らの伝統を忘れる者に良い結末はない」という発言です。朱報道官は、文化的なルーツやアイデンティティを否定したり軽視したりする行為は、いずれその代償を払うことになるというメッセージだと示唆しました。
参加者の表明は「権利と自由」と強調
今回のサミットには、台湾からも企業経営者や文化人、研究者など多様な参加者が集まりました。朱報道官は、その中で多くの参加者が、中華文化に根差した自己認識を持っていることを公然と表明したと説明しています。
こうした発言について、朱報道官は「これは彼らの権利であり自由です」と述べ、個々の参加者が文化的アイデンティティを表明することは、尊重されるべき基本的な自由だと強調しました。また、そのような意見は「平和、発展、対話、協力」を求める台湾の世論の主流を映し出していると主張しました。
台湾当局の懸念と政治化する文化交流
一方、台湾当局の大陸委員会は、この文化サミットを「政治色の濃い統一戦線イベント」とみなし、警戒感をあらわにしています。とりわけ、台湾に拠点を置く企業経営者が中国本土でのフォーラムに参加し、中華文化を軸とした自己認識を表明することについて、政治的な意味合いを強く意識しているとみられます。
サミットそのものは文化交流や学術交流を掲げていますが、実際には、両岸の政治的対立や認識の違いが色濃く反映される場ともなっています。今回も、文化イベントをどう位置づけるかを巡って、北京と民進党当局の間で評価が大きく分かれました。
民進党当局への厳しい言葉 「民主を装った権威主義」
朱報道官は、民進党当局が「分離主義的な政治アジェンダ」を、両岸の人々が共有する文化的伝統や平和的な願いよりも優先していると批判しました。
さらに、民進党当局が「いわゆる統一戦線の脅威」をことさらにあおり、反中国本土感情を刺激し、平和的な両岸関係を支持する人々を萎縮させようとしていると指摘。そのうえで、こうした姿勢は「民主を装った権威主義」の本質を露呈していると、強い言葉で非難しました。
この表現は、民進党当局の政治姿勢を厳しく問うものですが、一方で、両岸の政治対立が文化交流の場にまで影響している現状も浮かび上がらせています。
両岸関係に映る「文化」と「政治」のせめぎ合い
今回のやり取りは、両岸関係において「文化」がいかに政治と結びつきやすいテーマであるかを示しています。中華文化の継承や共有のルーツを強調する中国本土側と、政治的な意図を警戒する民進党当局。その間で、台湾の人々や企業、研究者は、文化・経済・安全保障が絡み合う複雑な環境の中で選択を迫られています。
一方で、朱報道官が繰り返し強調したのは、「平和、発展、対話、協力」を求める声が台湾社会の主流だという見方です。この認識がどこまで台湾社会の現状を反映しているのかは、今後の世論や選挙、そして両岸の具体的な交流のあり方を通じて、徐々に検証されていくことになりそうです。
文化サミットを巡る今回の発言は、単なる言葉の応酬にとどまらず、両岸関係の今後の方向性や、文化を通じた相互理解の可能性を考える上でも、注目すべき一件だといえます。
Reference(s):
China's mainland warns DPP: Those who forget heritage will pay a price
cgtn.com








