習近平氏が李在明氏に祝電 中国・韓国関係の行方は?
中国の習近平国家主席が、韓国の大統領に選出された李在明氏に祝意を送り、中国・韓国の「戦略的協力パートナーシップ」を一段と発展させる姿勢を示しました。東アジアの安全保障や経済に影響する国際ニュースとして注目されます。
習近平氏が李在明氏に祝意 何を強調したのか
習近平国家主席は、韓国の大統領に選出された李在明氏に対し、祝意のメッセージを送りました。その中で、中国と韓国が互いにとって「重要で近い隣国」であり、「協力のパートナー」であると位置づけています。
習主席は、両国が国交を樹立してから33年間、イデオロギー(理念)や社会制度の違いを乗り越え、「手を携えて前進し、互いに成功を収めてきた」と強調しました。その結果として、中国・韓国関係は「安定的で健全な発展」を続け、両国の人々の幸福に資するとともに、地域の平和、安定、発展、繁栄に「積極的な貢献」をしてきたと述べています。
さらに習主席は、自身が中国・韓国関係の発展を「重視している」と明言し、この関係を今後も戦略的に育てていく姿勢を示しました。
中国・韓国「戦略的協力パートナーシップ」とは
今回のメッセージの中で鍵となる言葉が「中国・韓国の戦略的協力パートナーシップ」です。これは、単なる経済協力や友好関係にとどまらず、長期的な視点で安全保障、経済、地域秩序づくりなど幅広い分野で連携していく関係を指します。
具体的には、次のような分野が含まれると考えられます。
- 貿易・投資やサプライチェーン(供給網)の安定化
- 気候変動やエネルギー安全保障への協力
- 保健・医療、パンデミック対応などの公共政策分野
- 学生交流や観光、文化交流による相互理解の深化
習主席は、こうした幅広い協力関係を今後も発展させ、「互恵・ウィンウィンの成果」を追求していく重要性をにじませています。
33年の関係がつくった土台
習主席は、両国の国交樹立からの33年間に言及し、この時間の重みを強調しました。1992年の国交樹立以来、中国と韓国は、歴史的背景や政治体制の違いを抱えつつも、実務的な協力を積み重ねてきました。
習主席のメッセージによれば、こうした歩みは次の二つの側面で意味を持ちます。
- 両国民の生活向上:経済交流の拡大により、雇用やビジネス機会が増え、生活の質の向上につながってきたという評価
- 地域への波及効果:東アジア全体の平和・安定・発展・繁栄に、両国関係の安定がプラスに働いてきたという見方
中国と韓国は、地理的にも経済的にも結びつきの強い隣国です。習主席の言葉は、これまで積み上げてきた協力の「資産」を土台に、今後も関係を発展させたいというメッセージだと受け止めることができます。
変化する国際情勢の中でのメッセージ
習主席は、世界が「百年に一度とも言える変化」を加速的に経験していると指摘し、国際・地域情勢における不安定要因が増えていると述べました。安全保障リスクの高まりや、経済・技術の競争激化など、国際ニュースで日々伝えられる動きとも重なる指摘です。
そのうえで、中国と韓国はいずれも「世界と地域における重要な国」であると位置づけ、次のような方向性を示しました。
- 国交樹立を導いた「精神」に立ち返ること
- 善隣友好の方針を堅持すること
- 互恵と「ウィンウィン」を目指す目標を維持すること
そして、中国は韓国とともに、中国・韓国の戦略的協力パートナーシップを「継続的に発展」させ、両国民にもたらす利益をさらに大きくしていきたいとしています。
これから注目したい中国・韓国関係のポイント
李在明氏の当選と習近平国家主席の祝意は、中国・韓国関係の新たな局面の入り口とも言えます。今後、次のようなポイントが焦点になりそうです。
- 経済とサプライチェーン
半導体や二次電池など、両国が強みを持つ産業分野で、どこまで協調と競争のバランスを取るのかが問われます。 - 地域の平和と安全保障
朝鮮半島情勢や、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)をめぐる課題のなかで、中国と韓国がどのような役割分担と対話の枠組みを模索するのかが注目されます。 - 人と人の交流
留学・観光・ポップカルチャーなどを通じた相互理解の深化は、政治情勢が揺らいだときほど重要になります。
習主席のメッセージは、少なくとも中国側が韓国との協力を重視し続ける意向をあらためて示したものと言えます。一方で、実際の政策や協議の中身はこれから形づくられていきます。
東アジアの一員として、日本にとっても中国・韓国関係の安定と対話の継続は重要です。新しい韓国政権と中国の対話がどのように進み、地域秩序にどんな影響をもたらすのか、今後も丁寧にフォローしていきたいテーマです。
Reference(s):
Xi congratulates Lee Jae-myung on election as president of South Korea
cgtn.com








