中国王毅外相が新駐中国米大使と会談 米中関係の「転換点」を確認
北京で王毅外相とペデュー大使が会談
中国の王毅外相(共産党中国中央委員会政治局委員)は火曜日、北京で新たに着任したデービッド・ペデュー駐中国米大使と会談し、米中関係の「健全で、安定し、持続可能な発展」に向けて積極的な役割を果たすよう期待を示しました。
王毅氏はペデュー氏に対し、「信頼できるコミュニケーター(伝達役)」「意見の相違を調整する仲介者」「協力を推進する促進者」としての役割を担ってほしいと述べ、2国間関係の改善に向けた橋渡し役を強調しました。
「平等と尊重」が前提、対話と協力が唯一の選択肢
王毅氏は、米中関係は現在「重要であり、かつ岐路に立つ時期」にあると指摘しました。国交樹立からおよそ半世紀にわたる歩みを振り返り、「平等と相互尊重が交流の前提であり、対話と協力こそが唯一の正しい選択だ」と強調しました。
こうしたメッセージは、対立や競争が強調されがちな米中関係の中で、「いかに対話のチャンネルを維持するか」が引き続き最大の課題であることを示しています。
ジュネーブ協議後の「否定的な措置」に懸念
王毅氏は、ジュネーブで行われた米中の経済・貿易協議に触れ、中国側は双方が得たコンセンサス(合意内容)を「誠実かつ厳格に履行してきた」と説明しました。
そのうえで、米国がその後、「根拠に乏しい理由」で一連の否定的な措置を打ち出し、中国の正当な権益を損なっていると指摘し、中国として「断固反対する」姿勢を改めて示しました。
経済・貿易分野での摩擦は、世界経済や金融市場にも影響し得るだけに、今回の発言は今後の追加措置や報復措置への警戒感としても受け止められそうです。
首脳間の信頼と「1月の電話会談」の履行を要求
王毅氏は、米中両国の首脳がことし1月の電話会談で達した重要な共通認識を取り上げ、米側に対し「中国と途中で落ち合い」、関係を正しい軌道に戻すための条件づくりに取り組むよう呼びかけました。
ペデュー大使は、トランプ米大統領が習近平国家主席に「大きな敬意」を抱いていると述べ、2人の首脳が前向きで建設的なやり取りを維持することが極めて重要だとの認識を示しました。
また、自身も駐中国米大使として、中国側と「相互尊重と丁寧な対話」の精神で緊密な意思疎通を続ける意思を表明しました。
なぜ今回の会談が重要なのか
今回の北京での会談は、次のような点で注目されています。
- 米中関係が「重要で岐路の時期」と明言されたこと
- 経済・貿易をめぐる対立が続く中でも、対話と協力の必要性が再確認されたこと
- 大使レベルでの「コミュニケーション」「仲介」「協力推進」という具体的な役割が示されたこと
日本を含むアジアの国々にとっても、米中関係の安定は安全保障やサプライチェーン、金融市場に直結します。今回のやり取りは、一見すると儀礼的な大使表敬の場ですが、その裏側では「対立か協調か」をめぐる双方の計算と調整が続いていることがうかがえます。
これからの米中関係をどう見るか
王毅氏が「合意の履行」と「否定的な措置の撤回」を求め、ペデュー大使が「相互尊重と丁寧な対話」を掲げたことから、今後も両国は対立と協力が入り混じる複雑な関係を続けるとみられます。
鍵となるのは、
- 経済・貿易問題をどこまで管理可能な形に抑え込めるか
- 首脳間や外交当局間の対話チャンネルを切らさないこと
- 相手の「越えてほしくない一線」をどう相互に認識するか
という点です。
日本の読者にとっては、米中の一つひとつの発言のニュアンスが、為替や株式市場、ビジネス環境にじわじわと影響してくる可能性があります。今回の会談は、その流れを読み解くうえで押さえておきたい一コマと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








