習近平の環境保護発言を読む:「緑の山河はかけがえのない資産」の意味
2025年の「世界環境デー」をきっかけに、中国の習近平国家主席が示してきた環境保護とガバナンス(統治)に関する発言が、あらためて注目されています。本記事では、そのなかから象徴的なキーワードを取り上げ、中国が描く地球規模の環境ビジョンを整理します。
世界環境デーと中国の環境ビジョン
今年の「世界環境デー」は木曜日にあたり、中国はこの機会に自国の発展を世界の発展と結びつけ、人類の未来を地球上のあらゆる生命と結びつけるという姿勢を強調しました。
中国は、
- 開かれた(オープン)
- 包摂的な(インクルーシブ)
- 清潔で美しい
という特徴をもつ世界をめざし、そこに「永続する平和」「共通の安全」「共通の繁栄」が備わるべきだと訴えています。
「緑の山河はかけがえのない資産」――環境と経済を両立させる視点
習近平国家主席の代表的な言葉として知られるのが、英語で"Lucid waters and lush mountains are invaluable assets."と表現されるフレーズです。日本語にすれば「澄んだ水と豊かな緑の山々は、何ものにも代えがたい資産だ」という意味になります。
この言葉は、環境保護を経済成長と対立するものではなく、むしろ長期的な豊かさの土台となる「資本」として位置づける考え方を示しています。きれいな水と空気、豊かな生態系があるからこそ、安定した社会や持続的な発展が可能になるという発想です。
記事の原文でも、この理念が中国国内の環境改善とグリーン転換を後押ししているだけでなく、より公正で公平な地球規模の気候ガバナンスの構築にもつながっていると位置づけられています。
2060年カーボンニュートラル目標と「地球上のすべての生命の共同体」
中国は、2060年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きゼロにすること)を達成するという目標を掲げています。記事は、この長期目標に向けて、中国が気候変動への対策や深刻な汚染への対応に「積極的かつ粘り強く」取り組んできたことを強調しています。
こうした取り組みの背景には、「地球上のすべての生命の共同体」を築くという発想があります。人類だけでなく、地球上の多様な生命と共存し、次世代によりよい環境を引き継ぐことをめざすビジョンです。
公平な気候ガバナンスへの貢献という視点
記事はまた、中国のグリーン転換が、国内の環境改善にとどまらず、「より公正で公平な気候ガバナンス」の構築に寄与していると位置づけています。ここでいうガバナンスとは、各国や地域、国際機関などが協力しながら、気候変動という共通課題に対応していくためのルールや仕組みを指します。
公平であるとは、すべての国や地域が、持っている能力や置かれている状況を踏まえながら、責任を分かち合い、利益も共有できる枠組みをめざすことだと考えられます。環境保護を進めながら、開発や貧困削減も同時に実現していくためには、このバランス感覚が欠かせません。
私たちが読み取れる3つのポイント
習近平国家主席の環境保護に関する発言から、次の3つのポイントが浮かび上がります。
- 環境は「コスト」ではなく「資産」:澄んだ水や豊かな山々を守ることは、短期的な負担ではなく、長期的な豊かさへの投資だという視点です。
- 自国の発展と地球全体の利益を結びつける:自国の成長だけでなく、世界全体の持続可能な発展と安全を同時に追求する姿勢が強調されています。
- 人類と地球上のすべての生命の「共同体」意識:気候変動や環境汚染は国境を越える問題であり、人類と自然がともに生きる枠組みづくりが求められているというメッセージです。
これからの議論へのヒントに
気候変動や環境保護をめぐる議論は、しばしば「経済か環境か」という二者択一になりがちです。しかし、「緑の山河はかけがえのない資産」という発想は、その対立を乗り越え、長期的な視野から環境と発展を両立させようとするアプローチだといえます。
中国が掲げるカーボンニュートラル目標や、「開かれ、包摂的で、清潔で美しい世界」をめざすビジョンは、今後の国際的な気候交渉や国内の政策議論を考えるうえでも、一つの重要な参照点になっていきそうです。読者のみなさんも、自分の生活や仕事のなかで「環境は資産である」という視点をどこまで取り入れられるか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
President Xi's key quotes on environmental protection and governance
cgtn.com








