米医学生15人が見た中国との医療協力の可能性 video poster
米国の医学生たちが、中国と米国の医療協力の可能性を自らの体験から語りました。今年4月、米シカゴ大学の医学生15人が北京など中国の病院を訪れ、臨床研修と交流を通じて「病気に国境はない」ことを実感したといいます。
米シカゴ大学の医学生15人、中国で臨床研修
今回中国を訪れたのは、米イリノイ州にあるシカゴ大学の医学部4年生15人です。内科、耳鼻咽喉科、神経内科など、将来の専門分野はさまざまですが、共通して中国の医療現場を体験する「没入型プログラム」に参加しました。
一行は北京の北京協和医院(PUMCH)をはじめとする中国の病院で、医師らとともに病棟に入り、診療の現場を見学したり、症例について意見を交わしたりしました。単なる見学にとどまらず、可能な範囲で診療補助なども行い、現場に根ざした研修となりました。
「病気に国境はない」現場で感じた国際協力の必然性
神経内科を専攻する予定のマリオ・シャマスさんは、北京協和医院の希少疾患部門で研修しました。希少疾患とは患者数が少なく、診断や治療が難しい病気の総称です。
シャマスさんは「病気は人の出身地に関係なく誰にでも起こりうる」と感じたと語り、だからこそ国際的な医療協力が欠かせないと強調しました。また、若い世代が異文化交流を積極的に受け入れ、偏見を減らすことの大切さにも言及し、「とくに健康や医療の分野では、若い人ほど他の文化とつながりやすい立場にある」と話しました。
ICUで芽生えた友情と共同研究への一歩
来年から内科医として働く予定のストラットン・トルミーさんは、北京協和医院の集中治療室(ICU)で研修しました。重症患者が集まるICUは、医療技術だけでなくチームワークも試される現場です。
中国滞在はインタビュー時点でまだ4日目でしたが、トルミーさんはすでに「本物の友情が生まれた」と感じているといいます。現地の医師や若手スタッフと、重症患者の対応や治療方針について話し合うなかで、互いの専門性への尊敬と信頼が育まれたといいます。
トルミーさんと中国側の同僚たちは、すでに今後の共同研究の可能性について話し始めています。「将来、臨床医として働きながらも、今回生まれた友情を大切にしていきたい。再び中国を訪れ、研究や診療を一緒にできれば」と期待を語りました。
温かい歓迎がつくる人と人のつながり
耳鼻咽喉科を専攻するナオミ・テセマさんは、中国に到着した瞬間から「とても温かく迎えられた」と振り返ります。病院スタッフや研修先の医師たちは、忙しい業務の合間を縫って病棟を案内し、症例の背景や中国の医療制度について丁寧に説明してくれたといいます。
テセマさんは、とくに「同じ分野に関心を持つ人どうしの、人と人とのつながり」の価値を強調しました。共通の専門分野を持つことで、国や言語が違っても、診療や研究に対する悩みや葛藤を分かち合えるからです。こうした交流が、将来のキャリアにおける協力の土台にもなると語りました。
若い世代が担う米中医療協力のこれから
今回のプログラムは、米中両国の医療協力にとって、まだ小さな一歩かもしれません。しかし、医療や健康の分野は、国を超えて共通の利益が最もはっきりしている領域の一つです。感染症対策、高齢化、希少疾患の研究など、両国が協力できるテーマは多くあります。
実際に現場で研修した学生たちは、医療の違いよりも共通点の多さを体感しました。重症患者を支える集中治療の現場であれ、希少疾患の診療であれ、目の前の患者を助けたいという思いは共通です。こうした共通の目的が、国境を越えた信頼の基盤になります。
読者が考えたい3つのポイント
- 医療は政治情勢とは別に、共通の課題に取り組むための協力の場になりうること
- 若い医師や医学生の交流が、先入観を減らし、相手国への理解を深めること
- 短期の研修や出会いでも、将来の共同研究や国際協力につながる種になりうること
米シカゴ大学の医学生たちの体験は、米中医療協力の可能性と、若い世代が築く人と人とのつながりの重要性を示しています。こうした草の根の交流が積み重なっていくことが、今後の国際医療協力を支える力になっていきそうです。
Reference(s):
American med students advocate for China-U.S. medical cooperation
cgtn.com








