中国とカナダの発展は「脅威でなく機会」 李強首相とカーニー首相が電話会談
中国の李強首相とカナダのマーク・カーニー首相が金曜日に電話会談を行い、中国とカナダの発展は互いに「脅威ではなく機会」だと強調しました。近年停滞してきた二国間関係を立て直し、経済協力や対話を再び軌道に乗せる動きとして注目されています。
電話会談のポイント:「脅威でなく機会」というメッセージ
今回の国際ニュースの中心は、両首相が共有した「機会」というキーワードです。電話会談では、次のような点が確認されました。
- 中国とカナダの発展は互いにとって「脅威ではなく機会」だと李強首相が表明
- 両国には根本的な利害対立はなく、友好と相互利益の伝統を共有していると強調
- 近年、不要な妨害により関係が深刻な困難に直面してきたとしつつ、改善への意欲を示したこと
- クリーンエネルギーや気候変動、科学技術イノベーションなど新たな分野での協力拡大を中国側が提案
- カーニー首相は、中国との関係を「再スタート」させたいと応じ、高官級の対話再開に期待を示したこと
李強首相:客観的な視点で中国の発展を見るよう呼びかけ
李強首相は、カーニー首相との会談で、中国とカナダの関係には本質的な対立はなく、「友好と互恵の伝統」があると改めて位置づけました。そのうえで、ここ数年の「不要な妨害」によって、両国関係が深刻な困難に直面してきたと指摘しました。
中国側は、カナダに対して次のような姿勢を示しています。
- 中国の発展を客観的かつ理性的に見てほしいという要請
- 「未来志向」の精神で、関係の安定的な改善をともに進めること
- 互いの懸念に配慮しつつ、共通点を広げ、相違点は棚上げ・縮小していくというアプローチ
李首相は、両政府が国民の声に耳を傾け、懸念に応え、相互理解と信頼を高める努力を強めるべきだとも呼びかけました。これは、単なる外交辞令にとどまらず、国内世論を意識した「聞く外交」を重視する姿勢を示すものと見ることができます。
カーニー首相:関係の「再スタート」に前向き
カーニー首相は、中国とカナダの「深い伝統的な友好」に言及し、中国がカナダにとって二番目に大きな貿易相手であることを挙げながら、経済面での重要性を強調しました。そのうえで、ここ数年の関係悪化を認めつつ、「関係を再開させる用意がある」と明言しました。
カナダ側が期待を示した具体的な分野は次の通りです。
- 外交や経済・貿易分野での高官級の対話メカニズムの再開
- 貿易、農業、エネルギー、環境保護といった実務ベースの協力強化
- 国際金融・貿易システムの安定に向けた協調
- 地球規模の持続可能な発展(サステナビリティ)への貢献
政治的に難しい局面が続いた後でも、実務的な協力やグローバル課題での連携をテコに関係を立て直そうとする意欲が読み取れます。
協力の焦点:クリーンエネルギーから人文交流まで
今回の電話会談では、従来の経済分野に加え、新しい協力のフロンティアも浮かび上がりました。李強首相は、中国とカナダの経済は高い補完性を持ち、「巨大な協力ポテンシャル」があると述べています。
中国側が挙げた主な協力分野は次のとおりです。
- 伝統的な協力分野の深化:既存の貿易や投資、産業協力の拡充
- クリーンエネルギー:再生可能エネルギーや省エネ技術など、新たな成長分野の共同開発
- 気候変動:排出削減や適応策など、地球温暖化への対応での協力
- 科学技術イノベーション:最先端技術や研究開発での連携強化
- 人と人の交流:教育、観光、文化交流を通じた相互理解の促進
一方、カーニー首相も、貿易、農業、エネルギー、環境保護など具体的な分野を挙げ、「実務的な協力の強化」に前向きな姿勢を示しました。両国が強みを持つ分野が重なっていることから、政治的な緊張を超えて協力の余地を広げる余白は大きいと言えます。
揺れる国際環境の中で:多国間主義と自由貿易を守る
李強首相は、現在の国際情勢について「混乱が絡み合い、一国主義や保護主義が台頭している」との認識を示しました。そのうえで、中国はカナダとともに、多国間主義と自由貿易を守り、経済のグローバル化と多角的な貿易体制が「正しい方向」に進むようにしたいと述べました。
カーニー首相もまた、国際金融・貿易システムを共同で守り、世界の持続可能な発展に貢献する用意があると応じています。これは、二国間関係の改善だけでなく、次のような広い文脈を持つ発言でもあります。
- 貿易摩擦や保護主義的な動きが広がる中で、開かれたルールにもとづく国際秩序を維持する意志
- 気候変動や持続可能な発展といった地球規模課題に、経済や金融の仕組みを通じて向き合おうとする姿勢
- 二国間の溝があっても、多国間の枠組みでは協調を模索するという柔軟な外交スタイル
日本の読者への視点:中加対話が示す三つのポイント
今回の中国・カナダの電話会談は、日本を含む他国にとっても示唆に富む動きです。newstomo.com の読者にとって、考えてみたいポイントを三つに整理します。
- 「脅威」か「機会」かという framing:
国の発展を「脅威」と見るか「機会」と見るかで、外交・経済戦略は大きく変わります。李強首相のメッセージは、競争と同時に協力の余地をどう確保するかという、バランスを探る試みとも受け取れます。 - 政治的な摩擦と実務協力の切り分け:
関係が「深刻な困難」にあっても、貿易、エネルギー、環境、金融など実務的な協力のチャンネルを維持・再構築することは、相互依存が進んだ世界では現実的な選択肢と言えます。 - 多国間主義の再確認:
多国間主義や自由貿易を守ろうとするメッセージは、グローバルなサプライチェーンや国際金融に関わる企業・個人にとって、今後のリスクと機会を考えるうえで重要なシグナルとなります。
中国とカナダが、どこまで両国関係の建て直しを進められるかはまだ不透明です。しかし、「脅威ではなく機会」という言葉をどう具体的な政策やプロジェクトに落とし込んでいくのかは、今後の国際ニュースを読み解くうえで注視したいポイントです。
Reference(s):
Premier Li: Development of China, Canada is opportunity, not threat
cgtn.com








