中国・青島の防波堤が緑一色に 夏の海を彩る「緑藻」と観光客への注意点
2025年夏、中国の沿岸都市・青島(チンタオ)のビクトリア湾で、防波堤が一面濃い緑の藻に覆われる現象が見られました。夏の気温と海水温の上昇で緑藻がよく育つ条件がそろい、潮が引いたあと、防波堤がまるで「緑のコート」をまとったように見えたと伝えられています。
青島・ビクトリア湾で何が起きたのか
ビクトリア湾の沿岸近くにある防波堤では、ある水曜日、潮が引いたタイミングで厚い緑藻の層が一面に現れました。波がかぶる場所に藻が密集して付着し、コンクリートがほとんど見えないほどの状態になっています。
現地では夏の気温上昇にともない海水温も高くなり、現在は緑藻の生育に最適な温度帯に入っているとされています。その結果として、防波堤の表面に藻が自然に付き、成長したと説明されています。
なぜ防波堤が「緑のコート」に覆われるのか
海水温が生育を後押し
今回のような光景が見られた背景には、海水温の上昇があります。多くの緑藻は、ある程度暖かい海水でよく成長します。2025年夏の青島周辺の海域は、ちょうどその「生育しやすい温度帯」に入っているとされており、防波堤のように日光が当たりやすい場所では、藻が厚く積もりやすくなります。
「異常」ではなく自然な生態現象
一見すると、緑一色に覆われた防波堤は「環境トラブルではないか」と感じるかもしれません。しかし、今回のケースについては、藻が自然に付着し、成長した自然な生態現象だと説明されています。
防波堤や岩場に藻が生えること自体は、海辺ではよくあることです。人工構造物である防波堤が、海の生き物にとって新たなすみかになり、藻や小さな生物が集まる場所になっていくという側面もあります。
観光客が気をつけたいポイント
緑藻に覆われた岩場は非常に滑りやすい
今回、とくに注意が呼びかけられているのは安全面です。緑藻が厚く生えた岩や防波堤の表面は、見た目以上に滑りやすくなります。潮だまり( tide pool )を観察したり、写真撮影のために岩場へ近づく観光客や地元の人は、次の点に気をつける必要があります。
- 緑色の藻で覆われた岩やコンクリートには、むやみに足を乗せない
- 滑りにくい靴(底に溝のあるスニーカーなど)を選ぶ
- 波打ち際でポーズをとっての撮影時は、足元をこまめに確認する
- 子ども連れの場合は、岩場に近づきすぎないよう付き添う
防波堤は本来、船や港を守るための構造物であり、遊歩道として整備されていない場所もあります。見慣れない美しい景色に目を奪われがちですが、足元のリスクを意識して行動することが大切です。
自然観察を楽しみつつマナーも意識
緑藻に覆われた防波堤や岩場は、カニや小さな魚、貝類などが集まりやすい環境でもあります。潮だまりをのぞけば、都市部の海でも多様な生き物を観察できるかもしれません。
一方で、自然観察を楽しむ際には、次のようなマナーも意識したいところです。
- 生き物をむやみに捕まえたり持ち帰ったりしない
- 石や岩を大きく動かさない(生き物のすみかを壊さないため)
- ごみは必ず持ち帰り、海に落とさない
こうした配慮は、青島だけでなく、日本を含む各地の海岸を訪れる際にも共通して求められる姿勢と言えます。
都市沿岸で「自然」と向き合う視点
青島・ビクトリア湾の防波堤を覆った緑藻は、都市と海、人工物と自然が交わる場所で何が起きているのかを考えるきっかけにもなります。海辺に立つとき、私たちはしばしば「景色」として海を眺めますが、その足元では、季節や水温の変化に応じて、静かに生態のダイナミズムが進んでいます。
ニュース写真で見ると印象的な「緑のコート」も、その背景には、季節、海水温、防波堤という人工構造物など、さまざまな条件が重なっています。今回の現象は、海と都市が近接するアジアの沿岸都市にとって、身近な自然の在り方を考えるヒントになるものと言えるでしょう。
海外の環境ニュースを日本語で追いかけることは、私たち自身の暮らす都市や海岸を見つめ直す手がかりにもなります。次に海辺を訪れるとき、足元の岩場や防波堤に目を凝らしてみると、新しい発見があるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








