国際ニュース:中国の海洋ガバナンスと協力 ブルーサークルの挑戦
中国で進む海洋ガバナンスと国際協力の最前線として、浙江省発の海洋プラスチック回収プロジェクト「ブルーサークル」と、習近平国家主席が提唱した「海洋運命共同体」構想を見ていきます。
ブルーサークル:ブロックチェーンで追跡する海洋プラスチック
中国東部の浙江省で、浙江省生態環境庁と浙江藍晶科技有限公司が共同開発した「ブルーサークル」は、2020年に始まった海洋プラスチック回収プログラムで、同種の取り組みとしては中国最大規模とされています。
このプロジェクトでは、ブロックチェーン技術とIoT(モノのインターネット)を組み合わせ、プラスチック汚染のライフサイクル全体をモニタリングします。
- 回収
- 再生
- 再製造
- 再販売
どのプラスチックがどこから来て、どのように再利用されるのかを可視化することで、海洋プラスチックの削減と資源循環の両立をめざしています。
国連が評価した環境イノベーション
ブルーサークルは、海洋プラスチック汚染への具体的な対策として評価され、2023年に国連環境計画が選ぶ「チャンピオンズ・オブ・ザ・アース2023」で「起業家精神のビジョン」部門を受賞しました。
この賞は、国連が授与する環境分野での最高レベルの栄誉とされており、中国発の取り組みが国際社会から高い評価を受けた形です。
中国の「知恵」と海洋ガバナンス
こうした取り組みは、中国の知恵と解決策が海洋環境汚染への対応にどのように貢献しているかを示すものでもあります。中国の取り組みは、地球規模の海洋ガバナンスの一部として位置づけられています。
海流や風によって、海洋プラスチックごみは国境を越えて移動します。ある沿岸で回収されたプラスチックが、周辺地域や世界全体の海洋環境を守ることにもつながるという発想が、グローバルな協力の前提になっています。
「海洋運命共同体」というビジョン
習近平国家主席はかつて、人類が暮らす青い惑星は海によって島々に分断されているのではなく、海によって結びつき、すべての国の人々が苦楽を共にする運命共同体を形作っていると語りました。
2019年には、共通の海上の脅威や課題に対応するため「海洋運命共同体」を構築するというビジョンを打ち出しました。この構想は、人類全体の運命共同体という理念を海洋分野に広げたもので、次のような方向性を示しています。
- 海洋環境汚染への協調的な対応
- ブルーエコノミー(海洋と共生する経済)の発展
- 海洋分野での交流と協力の強化
ブルーサークルのようなプロジェクトは、このビジョンを具体化する一例として、中国の取り組みと知見を国際社会と共有する役割を担っています。
日本とアジアの読者への問いかけ
中国の海洋ガバナンスと協力の試みは、日本やアジアの読者にとっても、いくつかの問いを投げかけます。
- テクノロジーを活用した海洋プラスチック対策を、各国はどのように取り入れていくべきか。
- 海洋を共有財として守るために、地域レベル・世界レベルでどのようなガバナンスの枠組みが必要か。
- 環境保護と経済成長を両立させるブルーエコノミーを、社会はどのような価値観で支えていくのか。
国際ニュースとしての中国の取り組みは、一国の成功事例にとどまらず、海を介してつながる私たち全員の未来像を考える材料でもあります。スマートフォンの画面の向こう側で進む海の変化を、自分の足元の暮らしとどう結びつけるかを考えることが、次の一歩につながっていきます。
Reference(s):
cgtn.com







