中国欧州鉄道が11万本達成 青島発の貨物列車が示す国際物流の現在 video poster
中国と欧州を結ぶ国際貨物鉄道「中国欧州班列」が、累計11万本という大きな節目を迎えました。中国・山東省青島市を出発した最新の列車は、一帯一路構想とも重なる国際物流の現在地を映し出しています。
青島発の11万本目、17日で欧州へ
中国東部の山東省青島市から火曜日の朝に出発した列車は、中国欧州班列として通算11万本目となる便です。車両には液晶モニターや冷蔵庫などの家電製品が55個のコンテナに積み込まれており、その総額は約2,000万元(約278万ドル)にのぼります。
この列車は、中国北部の内モンゴル自治区にある二連浩特(エレンホト)港から中国を出境します。二連浩特港は中国とモンゴルの国境にある最大の陸上港であり、ここを経由して欧州へと向かいます。所要日数はおよそ17日とされ、このルートの効率性を象徴する数字と言えます。
この10年で拡大した「量・範囲・品目・効率」
済南鉄路物流センター膠州分中心の担当者であるGao Yitian氏は、過去10年ほどの間に中国欧州班列のサービスが大きく拡大してきたと説明します。その変化は、単なる本数の増加にとどまりません。
- 運行本数が増えたことによる輸送能力の拡大
- 運行ルートと到達都市の広がりによるネットワークの拡充
- 家電に限らず多様な貨物を扱うようになった品目の多様化
- 所要時間や手続きの短縮など、輸送効率の向上
山東省の国際物流ネットワークは、中国からの輸出品だけでなく、日本や韓国、東南アジア各国からの越境貨物も運んでいます。アジア域内の貨物が中国欧州班列を経由して欧州に向かうルートが定着しつつあることを示していると言えます。
数字でみる中国欧州班列のネットワーク
今回示された数字からは、この鉄道ネットワークの広がりがうかがえます。
- 中国の128都市から中国欧州班列が運行
- 欧州26か国の229都市に到達
- さらにアジア11か国の100を超える都市とも接続
中国各地から発車した列車が、欧州とアジアの合計300を超える都市レベルでつながっている構図です。単なる二者間の貿易ルートを超え、ユーラシア大陸全体を網の目のように結ぶ物流インフラとして機能しつつあります。
一帯一路と「メイド・イン・チャイナ」を運ぶ役割
Gao氏は、中国欧州班列について、今後も多くのメイド・イン・チャイナ製品を届けるとともに、一帯一路構想に参加する国々とそこで暮らす人々に、より良いサービスを提供し続けることへの期待を語っています。
中国欧州班列は、海上輸送と航空輸送の間を埋める選択肢として、安定した大陸横断ルートを提供しています。特に、長距離かつ大量の貨物を、比較的短期間で運びたい企業にとっては魅力的な手段となっています。
日本を含むアジアにとっての意味
山東省のネットワークが日本や韓国、東南アジアからの貨物も扱っていることは、アジアの企業にとっても中国欧州班列が現実的な選択肢になっていることを示しています。
- 欧州向け輸出における輸送ルートの分散
- サプライチェーンの強靭性向上への貢献
- 陸路輸送ならではの通関・手続きの工夫やデジタル化の進展
日本企業にとっても、輸送コストやリードタイム、環境負荷などを総合的に比較検討する際に、中国欧州班列を含めた複数の選択肢を組み合わせる発想が重要になりそうです。
これからの論点:環境とデータでどう進化するか
今後、中国欧州班列の議論で鍵となりそうなのは、環境負荷とデータ活用です。鉄道輸送は一般に、航空輸送に比べて温室効果ガス排出量が少ないとされますが、列車運行の最適化や積載効率の向上など、まだ改善の余地はあります。
また、貨物の位置情報や通関状況をリアルタイムで把握できるようにすることで、企業側の在庫管理やリスク管理の精度も高まります。11万本という節目は、量の拡大だけでなく、質をどう高めるかを考えるタイミングでもあります。
ユーラシアをつなぐ巨大な陸上回廊として成長を続ける中国欧州班列。その次の10年が、国際物流の常識をどこまで書き換えていくのかが注目されます。
Reference(s):
110,000 trips: China-Europe freight train service marks new milestone
cgtn.com








