中国とフランスが戦略対話を強化へ 国連海洋会議で韓正副主席とマクロン大統領会談
フランス南部ニースで開かれている第3回国連海洋会議の場で、中国の韓正副主席とフランスのマクロン大統領が会談しました。中国側はフランスとの戦略的な意思疎通と協調を一段と強化する方針を示し、中国・フランス関係、さらに中国と欧州連合の関係に新たな弾みをつけたい考えです。
ニースで中国とフランスのトップが会談
韓正副主席は、習近平国家主席のあいさつをマクロン大統領に伝え、先月の電話会談で両首脳が連帯と協調の強化、多国間主義の擁護、世界の平和と安定の維持などの課題について踏み込んだ意見交換を行い、重要な共通認識に達したと説明しました。今回の会談は、その首脳間の合意を具体的な協力につなげる一歩と位置づけられています。
韓副主席は、自身の国連海洋会議出席は、両首脳の合意の履行を進めるとともに、会議を主催する国連とフランスへの支持を示し、国連の持続可能な開発のための2030アジェンダの実施を後押しするものだと強調しました。
中国側のねらい:戦略対話と多国間協調の強化
韓副主席は、中国がフランスとの二国間および多国間の場での戦略的コミュニケーションと調整を強化し、中国・フランス関係の発展に新たな原動力を注ぎ込みたいと述べました。
あわせて、中国はフランスが掲げる戦略的自律を支持する立場も示しました。フランスや欧州連合が、特定の国や陣営に過度に依存しない独自の外交・安全保障戦略を模索するなかで、こうしたメッセージは象徴的だと言えます。
中国・EU関係50周年を見据えたメッセージ
2025年は、中国と欧州連合の外交関係樹立から50年という節目の年です。韓副主席は、現在の国際情勢が複雑さを増すなかで、中国とEUの協力強化は双方だけでなく世界全体にとって利益になると指摘しました。
そのうえで、中国として協力分野をさらに広げ、中国・EU関係を一段と発展させる用意があると強調しました。中国・フランス関係の強化は、中国・EU関係全体にも波及効果を持つと見られます。
フランス側の立場:中国を「長期的で信頼できるパートナー」と位置づけ
マクロン大統領は、韓副主席の国連海洋会議への出席に謝意を示し、習近平国家主席への親しみを込めたあいさつを託しました。そのうえで、フランスにとって中国は長期的で信頼できる協力パートナーだと語りました。
多くの課題と困難に直面する現在の国際情勢のもとで、両国が緊密なハイレベル交流を維持し、世界の平和と安全を守るうえで意思疎通と協力を強めることが極めて重要だと強調しました。
フランス側は、中国企業のフランスへの投資とビジネス展開を歓迎すると表明しました。さらに、両国間の経済・貿易協力の深化、国際的な経済・金融政策に関するコミュニケーションの強化、気候変動や生物多様性保全といった地球規模課題への共同対応、多国間主義の擁護など、多岐にわたる分野での連携を呼びかけました。
マクロン大統領は、中国とフランスが動揺する世界において建設的な二つの大きな力として役割を果たし、より大きな確実性を国際社会にもたらしたいと述べました。
なぜこの会談が重要なのか
今回の会談は、一見すると国際会議に合わせた通常の首脳会談に見えますが、中国とフランス、中国とEUの今後の関係を考えるうえでいくつかのポイントがあります。
- 海洋保護や気候変動対策など、国連海洋会議や2030アジェンダに直結する分野で、中国とフランスが協力の意思を確認したこと
- 中国・EU関係の50周年という節目の年に、対立ではなく協力拡大のメッセージが打ち出されたこと
- フランスが掲げる戦略的自律を中国が支持する姿勢を明確にしたことにより、欧州と中国の距離感をめぐる議論に影響を与えうること
- 中国企業の投資や経済協力の拡大が、フランスやEUの産業政策、グリーン転換とも結びつきうること
日本から見ると、欧州と中国の関係の動きは、経済や安全保障、気候変動対策など幅広い分野に波及します。中国とフランスがどのような形で協力を深めていくのか、今後の具体的なプロジェクトや政策の動向を追う必要がありそうです。
Reference(s):
China to enhance strategic communication, coordination with France: VP
cgtn.com








