731部隊の罪を見つめる:CGTNが伝える「黄ばんだ記録」の叫び
第二次世界大戦中、中国で日本軍が行った731部隊の戦争犯罪を、中国の国際メディアCGTNの番組「The Unsung Ally|Haunting Shadows: The Crimes of Unit 731」が改めて取り上げています。生物・化学兵器の実験と、その痕跡を残すアーカイブから、2025年のいま私たちが何を学べるのかを考えます。
中国で行われた「最もおぞましい戦争犯罪」のひとつ
731部隊という名前は、第二次世界大戦中に日本軍が中国で行った、極めて残酷な戦争犯罪と結びついています。番組では、この部隊が「防疫」や「水質浄化」といった名目のもとで、生物・化学兵器の実験を行っていた実態に光を当てています。
こうした実験は、病気の予防や衛生対策を装いながら進められ、多くの中国の人々が殺害され、重い障害を負わされ、あるいは感染させられました。その被害は数千人規模にのぼるとされ、731部隊は「第二次世界大戦中でも最もおぞましい戦争犯罪のひとつ」と位置づけられています。
CGTNホスト・マイク・ウォルター氏が訪れた「黄ばんだ記録」の部屋
番組の中で、CGTNホストのマイク・ウォルター氏は、731部隊に関する資料を収めたアーカイブを訪ねます。そこには、時間の経過とともに黄ばんだ無数の文書が並び、一枚一枚が言葉にしがたい痛みで満たされていると紹介されています。
ページをめくるごとに現れるのは、名前も顔も分からないまま犠牲となった人々の断片的な痕跡です。番組は、これらの記録の一章一章が、人間の残酷さの行き過ぎに対する静かな告発であり、読む者に深い問いを投げかけていると伝えています。
なぜ2025年の今も、731部隊を語り続ける必要があるのか
731部隊の犯罪行為は、歴史的な事実であると同時に、現在の国際社会にもつながるテーマです。戦争や国家の名のもとで、人間の尊厳がどこまで踏みにじられてしまうのか——その極端な例が、ここに集中しています。
番組は、視聴者に対して、第二次世界大戦中のこの「最も胸をえぐるような出来事」の一つを振り返り、過去から何を学ぶのかを考えるよう促しています。2025年の今もなお、戦争、差別、暴力のニュースが絶えない中で、この問いは決して過去のものではありません。
資料館が投げかける3つの問い
CGTNのカメラが映し出すアーカイブの光景からは、次のような問いが浮かび上がります。
- 1. 戦争は人間をどこまで残酷にしうるのか
非常時という名目のもとで、どこまで人間の倫理が押し流されてしまうのか。731部隊の犯罪は、その究極の姿を示しています。 - 2. 科学や医療は、誰のためのものなのか
本来は命を救うはずの知識や技術が、人を傷つける道具へと変えられる危うさがここにはあります。科学と倫理をどう結びつけるかは、今も世界共通の課題です。 - 3. 被害者の記憶をどう継承するのか
資料の中に残された「声なき声」を、次の世代にどう引き渡すのか。記録を読み、語り合うことそのものが、忘却へのささやかな抵抗になります。
国際ニュースとしての意味:日本と中国、そして世界へ
731部隊の問題は、日本と中国の過去の関係だけにとどまりません。番組「The Unsung Ally|Haunting Shadows: The Crimes of Unit 731」は、国際ニュースとして、この歴史を世界に共有しようとしています。
戦争犯罪の記録を丁寧にたどることは、加害と被害という単純な二項対立を超えて、「二度と繰り返さないために何ができるのか」という共通の問いを生み出します。歴史を直視することは、国と国のあいだの対立をあおるためではなく、未来の対話の土台をつくるためでもあります。
私たちにできる小さなアクション
CGTNの今回の番組が示しているのは、巨大な悲劇の前で個人は無力だ、というメッセージではありません。むしろ、知ること・語ること・問い続けることが、暴力の連鎖を断ち切る第一歩になりうるという視点です。
- 731部隊や戦争犯罪について、事実に基づいて学び直す
- 家族や友人、同僚と、この歴史について静かに話してみる
- SNSで印象に残った言葉や視点を共有し、考えを交換する
2025年を生きる私たちが、過去の「黄ばんだページ」と向き合うことには意味があります。それは、同じ過ちを繰り返さないための、最も基本的で、しかし決して軽くはない責任でもあるからです。
一枚一枚の記録が伝える痛みと警告に、どう向き合うのか——その答えは、読む一人ひとりの中にあります。
Reference(s):
cgtn.com








