北京で敦煌文化を体感 莫高窟レプリカで味わう遺産の日 video poster
中国の首都・北京で開催中の「敦煌文化芸術展」が、2025年の「文化と自然遺産の日」(6月14日)をきっかけに注目を集めています。敦煌・莫高窟の石窟を精巧に再現した空間で、歴史とアートを同時に体感できるのが特徴です。
「文化と自然遺産の日」を体感できる展覧会
中国では、毎年6月第2土曜日が「文化と自然遺産の日」と定められ、文化遺産や自然遺産への理解と保護意識を深める取り組みが各地で行われます。2025年は6月14日がその日にあたり、この敦煌文化芸術展は、その記念日にあわせて歴史に触れる機会を提供しました。
12月現在も展覧会は北京で続いており、美術ファン、歴史好き、そして「ちょっと見てみたい」という軽い気持ちの来場者まで、幅広い層が足を運んでいます。
目玉は莫高窟「第217窟」レプリカ
展覧会の中心となっているのが、敦煌の莫高窟にある第217窟の原寸大レプリカです。今回、世界に向けて初めて公開されたもので、洞窟内部の構造や雰囲気が会場内に再現されています。
来場者は、実際に洞窟の中に足を踏み入れたかのような没入感のある空間で、壁画と向き合うことができます。壁一面を覆う壁画には、唐代(618〜907年)「黄金時代」と呼ばれる時期のにぎやかな市場の様子が描かれています。行き交う人々、商品を並べる商人、音楽や舞を楽しむ人びとの姿など、当時の生活や商業の活力、文化の多様さが細やかに表現されています。
9つの石窟と300点近い作品が勢ぞろい
展示は第217窟だけにとどまりません。会場には合計9つの石窟がレプリカとして再現され、それぞれ異なるテーマや時代背景を伝えています。
- 9つの敦煌石窟レプリカ
- 約300点におよぶ壁画や彫像の精密な複製
- 実際の遺物も含む立体的な展示
原寸大に近いスケールで壁画や仏像を見られるため、教科書や写真だけでは伝わりにくいディテールまで感じ取ることができます。色彩の重なりや線の勢い、空間の奥行きなど、目の前で見て初めて気づくポイントも多いはずです。
アート好きにも、歴史好きにも開かれた「敦煌体験」
敦煌文化芸術展は、美術展でもあり、歴史展示でもあります。絵画としてのクオリティを楽しみたい人にも、シルクロードの歴史や唐代の社会に関心がある人にも、それぞれの視点で味わえる内容になっています。
会場構成も、短時間で全体像をつかみたい人と、じっくり細部を見たい人の両方に対応しやすいスタイルです。通勤や出張の合間にふらりと立ち寄っても、「遺産の日」の意味を自分ごととして考えるきっかけをくれるでしょう。
「遺産の日」が問いかけるもの
「文化と自然遺産の日」は、一年に一度、遺産を守ることの意味を社会全体で考えるための時間でもあります。敦煌のような歴史的遺産は、目を見張る美しさだけでなく、人やモノ、文化が出会い交わってきた長い時間の蓄積でもあります。
北京で開かれている今回の敦煌文化芸術展は、その時間の層を、私たちが自分の足で歩きながら追体験できる場です。スマートフォンの画面を一度離れて、遠い時代の市場のざわめきや、人びとの息づかいに耳を澄ませてみる——そんなささやかな「遺産の日」の過ごし方も、これからの都市生活に必要な余白なのかもしれません。
Reference(s):
Celebrate Heritage Day with an immersive Dunhuang culture journey
cgtn.com








