中国ニュース 深圳で改革深化指針 粤港澳大湾区のハブへ新たな一歩
中国本土の南部都市・深圳で、教育や人材、データ、金融までをカバーする包括的な改革の新指針が公表されました。粤港澳大湾区の中核として、イノベーションと対外開放を一段と進める狙いです。
党と国務院が新たな改革指針を公表
中国共産党中央委員会弁公庁と国務院弁公庁は今月2日、深圳の改革をいっそう深化させるための新たな指針を公表しました。文書は、深圳を包括的改革の重要なパイロット地区と位置づけ、より高い出発点・レベル・目標で改革開放を進めるとしています。
今回の指針の柱は、次のように整理できます。
- 教育・科学技術・人材分野での制度上の障壁を取り除く
- イノベーション、産業、資本、人材の各チェーンを一体的に強化する
- 粤港澳大湾区での新しい協力の形やプラットフォームを探る
- グローバルに開かれたイノベーション主導型都市としてモデルを築く
教育・人材での「制度の壁」を突破
深圳の改革指針では、とくに教育・科学・人材の分野が重視されています。目的は、優秀な人材と先端技術が集まりやすい環境をつくることです。
具体的には、次のような措置が打ち出されています。
- 海外投資家が深圳で職業訓練機関を設立することを奨励し、先進的な研修プログラムや教員、教育手法を導入できるようにする
- 深圳の企業に対し、海外人材の採用や人事管理について、より大きな裁量権を付与する
こうした取り組みによって、人材育成と産業ニーズを結びつける「人材チェーン」の強化が期待されています。
粤港澳大湾区での連携を一段と深める
指針はまた、広東省・香港・マカオを含む粤港澳大湾区での協力を、より実務的かつ多面的に進める方針も示しています。新しい協力のルートやシナリオ、プラットフォームを探ることで、域内の一体化を加速させる狙いです。
金融面では、香港証券取引所に上場している粤港澳大湾区の企業が、関連政策に沿って深圳証券取引所にも上場できるようにする仕組みが盛り込まれました。これにより、大湾区企業の資金調達の選択肢が広がり、国際市場と中国本土市場の橋渡し機能が高まるとみられます。
実体経済を支える金融とデータ戦略
実体経済の資金需要を支えるため、保険資金が深圳で設立されるプライベート・エクイティファンド(未公開株投資ファンド)やベンチャーキャピタルファンドへの投資を行うことを支援する方針も打ち出されています。対象は特定の重点分野に焦点を当てたファンドです。
一方、デジタル分野では、データ安全のガバナンスと規制能力を高めるための改革が進められます。関連する法律や規定に沿いながら、効率的で便利かつ安全な国境をまたぐデータ流通の仕組みを模索する、としています。
イノベーションの推進とデータ安全の確保をどこまで両立できるかは、深圳だけでなく、世界のデジタル経済にとっても重要なテーマです。
深圳モデルを全国へ「横展開」
今回の指針は、深圳の改革を単なる地域政策にとどめず、全国レベルの現代化戦略の一部として位置づけています。深圳での包括的な改革パイロットの進捗は、継続的にモニタリングされ、その成果や有効な取り組みは整理・固定化したうえで、より広い範囲へと拡大していくとされています。
深圳が粤港澳大湾区のエンジンとして、そして中国全体の発展戦略を外へと波及させる「ハブ」としてどこまで役割を高めていくのか。今後の運用の中身が注目されます。
日本やアジアの読者が押さえたい視点
今回の深圳改革指針から、日本やアジアの読者が読み取れるポイントを整理すると、次のようになります。
- 中国本土では、イノベーションと開放を組み合わせた都市レベルの改革が引き続き推進されている
- 粤港澳大湾区での金融・人材・データの連携は、今後さらに具体化していく可能性がある
- 海外企業や教育機関にとって、深圳が人材育成や投資の新たな拠点となる余地がある
深圳をめぐる動きは、国際ニュースとしてだけでなく、アジアのビジネスやキャリアのあり方を考える上でも、今後注視しておきたいテーマになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








