ロンドンで中米通商協議初会合 中国商務省が希土類輸出にも言及
ロンドンで始動した中米通商協議メカニズム
中国と米国はロンドンで「中米通商協議メカニズム」の初会合を開き、中国商務省がその内容を木曜日の記者会見で説明しました。両国はこのメカニズムを通じて、通商をめぐる対話と協力を安定的に続けていく姿勢を示しています。
中国商務省の何亜東報道官によると、両国はこの協議メカニズムを活用し、次のような目的を共有したとされています。
- 中米間のコミュニケーションと対話を維持すること
- コンセンサス(合意)を広げ、相互の誤解を減らすこと
- 経済・貿易面での協力を一層強化すること
中米関係をめぐる国際ニュースが続くなか、両国が制度的な協議の場を動かし始めたことは、今後の通商関係を占ううえで重要な一歩といえます。
首脳電話会談とジュネーブ協議の「成果固め」
会見で何報道官は、今回のロンドンでの初会合について「原則的な合意」に達したと説明しました。その内容として挙げたのは、今年6月5日の首脳電話会談で両首脳が交わした重要なコンセンサスをきちんと実行に移すこと、そしてジュネーブで行われた経済・貿易協議の成果を固めるための措置の枠組みを進めることです。
また、双方がそれぞれ抱える経済・貿易上の関心事項についても、新たな進展があったとしています。具体的な項目や合意内容の詳細は明らかにされていませんが、中米双方が懸案の扱い方で一定の接点を見いだしたことが示唆されています。
ハイテク分野の制限はどう扱われたのか
記者からは、中米通商協議メカニズムの初会合でどのようなテーマが話し合われたのか、また中国側が米国によるハイテク分野の制限について具体的な要請を行ったのか、という点についても質問が出ました。
これに対し何報道官は、首脳間のコンセンサスの履行やジュネーブ協議の成果を踏まえた「原則的な合意」があったと繰り返し説明し、経済・貿易上の懸念事項に関して新たな進展があったと述べるにとどまりました。ハイテク分野に関する個別のやり取りや、どこまで踏み込んだ議論がなされたのかについては、公の場では詳しく語られていません。
それでも、協議メカニズムの枠組みのなかで、敏感な分野を含む幅広いテーマについて意見交換が進んでいることは、中米関係の行方を考えるうえで重要なポイントといえそうです。
希土類輸出ライセンス「責任ある大国」としての説明
会見では、希土類(レアアース)関連の輸出ライセンスも焦点となりました。今週、中国がどれくらいの希土類輸出ライセンスを承認する計画なのかという問いに対し、何報道官は「責任ある大国」としての立場を強調しました。
何報道官は、中国が民生用途、つまり軍事以外の一般的な産業や生活にかかわる分野での各国の合理的な需要と懸念を十分に考慮していると説明しました。そのうえで、中国商務省としてすでに希土類関連の輸出ライセンス申請の一定数を承認しており、今後も関連する法律や規則に基づいて、適法かつ適格な申請について審査と承認プロセスの強化を続ける方針を明らかにしました。
商務省は、希土類関連品目の輸出ライセンス審査はあくまで法令に従って行っていると位置づけ、今後も「適合する申請には引き続き対応していく」としています。
日本と世界への含意:対話と透明性への期待
今回の中米通商協議メカニズム初会合と、中国商務省による説明から見えてくるのは、対立よりも対話のチャンネルを維持・強化しようとする両国の姿勢です。とくに、首脳レベルでのコンセンサスの履行や、これまでの協議成果の「上書き」ではなく「積み上げ」を目指す方向性は、国際経済の不透明感を和らげる要素になり得ます。
一方で、ハイテク分野の制限や希土類輸出の管理は、多くの国と企業にとって敏感なテーマです。中国が「責任ある大国」として民生用途での合理的な需要に配慮すると強調したことは、各国が注視するポイントとなるでしょう。
日本の読者にとっても、中米間の通商協議や希土類輸出管理の方針は、グローバルなサプライチェーンやビジネス環境を考えるうえで避けて通れないテーマです。今後もロンドンでの協議メカニズムを含む対話の行方と、その具体的な運用の中身がどこまで透明になっていくのかが注目されます。
Reference(s):
Chinese commerce ministry briefs on China-U.S. London meeting
cgtn.com








