ニース市長「海洋ガバナンスには仏中協力が不可欠」第3回国連海洋会議
2025年6月にフランス・ニースで開かれた第3回国連海洋会議(UNOC3)で、開催都市ニースのクリスチャン・エストロジ市長は「海洋ガバナンスにはフランスと中国の協力が不可欠だ」と強調しました。国際ニュースとしても、海洋の保全と持続可能な利用をめぐる仏中連携は、今後の議論の焦点になりそうです。
仏中は「多国間主義」の推進役
エストロジ市長は、フランスと中国はいずれも多国間主義(マルチラテラリズム)の強力な支持者であり、海洋の保全と持続可能な利用において重要な役割を担うと述べました。ここでいう多国間主義とは、特定の国同士の駆け引きではなく、国連などの国際枠組みを通じて複数の国や地域が協力するアプローチを指します。
第3回国連海洋会議UNOC3とは
国連海洋会議(UNOC3)は、海洋の保全と持続可能な開発目標(SDGs)を議論する国際会議です。フランス外務省によると、ニースでの第3回会議にはおよそ100カ国が参加し、これまでニューヨークやリスボンで開かれた会議よりも大きな規模となりました。
会議には各国政府に加えて、
- 海洋研究の専門家など科学コミュニティ
- 環境団体や市民団体などの市民社会
- 国際機関やさまざまな利害関係者
といった幅広い参加者が集まり、海洋保護をめぐる最新の知見や取り組みが共有されました。
なぜ「フランス×中国」が注目されるのか
エストロジ市長の発言が注目される背景には、海洋ガバナンスを前進させるには、一部の国だけでなく主要な海洋関係国が連携することが不可欠だという認識があります。フランスと中国は、ともに広い海域に関わる利害を持つ国であり、国際ルールづくりでも存在感が大きいプレーヤーです。
両国が協力することで、例えば次のような分野で前進が期待されます。
- プラスチックごみや化学物質による海洋汚染の削減
- 乱獲を防ぐための漁業管理や違法漁業対策
- 海洋再生可能エネルギーの安全で持続可能な活用
- 沿岸地域の防災や気候変動への適応策
こうしたテーマは、ヨーロッパ、アジア、そして日本を含むインド太平洋地域全体に影響する課題でもあります。
海洋ガバナンスは「国境を越える」テーマ
海は国境で区切ることが難しく、一国の努力だけでは守りきれません。海洋ガバナンスとは、海洋資源の利用や保護に関する国際的なルールや協力のあり方を整える取り組みを指します。
例えば、
- 公海(どの国にも属さない海域)の生物多様性の保全
- 二酸化炭素を排出する海運の脱炭素化
- 深海資源の開発をどう管理するか
といった課題は、どれも国境を越えてつながっています。その意味で、フランスと中国を含む多くの国や地域が同じテーブルにつき、ルールづくりを進めることが重要になります。
日本とアジアへの示唆
ニースでの国連海洋会議で示された「仏中協力」のメッセージは、日本やアジアにとっても無関係ではありません。海洋プラスチックや異常気象、漁業資源の枯渇など、海をめぐる問題は日本の暮らしや経済とも直結しています。
日本としては、
- 科学的なデータに基づく政策づくり
- アジア周辺国との協力枠組みの強化
- フランスや中国を含む多国間の議論への積極的な関与
といった形で、海洋ガバナンスにどう関わっていくのかが問われています。ニース市長の発言は、「大国同士の動き」をただ眺めるのではなく、日本や市民一人ひとりが海との向き合い方を考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Mayor of Nice: Ocean governance requires France-China cooperation
cgtn.com








