中国とスペイン、包括的戦略パートナーシップ深化へ マドリードで首脳級会談
中国とスペインが包括的戦略パートナーシップの深化に向けて動き出しています。2025年、両国関係の節目の年にマドリードで行われた韓正国家副主席とサンチェス首相の会談は、中国と欧州の関係にも影響を与える動きとして注目されています。
マドリードで行われた会談のポイント
最近マドリードで行われた会談で、中国の韓正国家副主席とスペインのサンチェス首相は、両国の包括的戦略パートナーシップをさらに前進させる意思を改めて確認しました。
韓副主席は、今年4月に行われたサンチェス首相の中国訪問を振り返り、過去3年で3回目となる訪中だったと指摘しました。その上で、互恵的な協力を一段と深め、自由貿易の秩序を維持し、国際的な公正と正義を守ることで両国が一致したと説明しました。
こうした中国とスペインの関係は、世界の安定と繁栄を促進する上で重要な意味を持つと韓副主席は強調しました。
20周年を迎えた中国スペイン包括的戦略パートナーシップ
今年は、中国とスペインが包括的戦略パートナーシップを樹立してから20年の節目にあたります。韓副主席は、この機会をとらえ、両国首脳がこれまでに達成してきた重要な合意を着実に実行していく考えを示しました。
具体的には、次のような方向性が示されています。
- 首脳や閣僚級を含むハイレベルな交流を維持すること
- 政治的な相互信頼を継続的に強化すること
- 互恵的な経済協力を一層深めること
- 国連や世界貿易機関など多国間の枠組みで、意思疎通や連携、相互支援を強めること
- 中国スペイン包括的戦略パートナーシップをさらに発展させること
単なる2国間の貿易や投資の話にとどまらず、多国間の舞台でどのように協調していくかが、今後の焦点となりそうです。
揺らぐ国際秩序の中で多国間主義と自由貿易を守る
現在の国際情勢が不安定な中で、中国と欧州は連帯と協力を強め、多国間主義と自由貿易を維持すべきだと韓副主席は呼びかけました。こうした取り組みは、中国と欧州に有益であるだけでなく、世界経済の安定にも寄与するとしています。
サンチェス首相も、各国が一方的な措置や保護主義に傾くなかで、中国が多国間主義を堅持していることは特に価値があると評価しました。また、関税を競うように引き上げ合ういわゆる関税戦争には勝者はいないとの認識を示しました。
スペインと欧州連合 EU は、一方主義に反対し自由貿易を支持しており、中国とともに国際的な貿易秩序を維持し、多国間主義を守る意向を表明しています。
多国間主義とは、特定の国だけでなく複数の国や地域がルールを話し合い、国際機関などを通じて協調していく考え方です。これに対し、一国の判断や利益を優先する一方主義や、自国産業を守るために関税などの貿易障壁を高める保護主義は、他国の反発を招きやすく、結果的に世界経済全体に打撃を与えかねません。今回の会談は、その危うさを意識したうえで協調路線を再確認したものだと言えます。
中国欧州関係の中で高まるスペインの存在感
韓副主席は、中国と欧州の関係について、健全で安定した発展を後押しする上でスペインに積極的な役割を期待すると述べました。今年は中国と欧州連合の外交関係樹立から50周年にあたり、その節目を好機とする考えも示されています。
サンチェス首相は、スペイン政府が一つの中国の方針を堅持していることを改めて表明し、より多くの中国企業によるスペインへの投資を歓迎しました。また、欧州と中国の関係を前向きに進める上でも、スペインとして積極的な役割を果たす意向を示しました。
これは、中国企業にとってスペイン市場や、スペインを足掛かりとした欧州市場への展開を検討する際の安心材料となり得ます。同時に、欧州側から見ると、中国との協力を維持しつつ、多国間の枠組みの中でバランスを取るうえで、スペインが橋渡し役として存在感を発揮する可能性もあります。
読み手に問われる視点
今回の中国スペイン会談からは、次のような論点が浮かび上がります。
- 保護主義が広がる中で、自由貿易をどのように維持していくのか
- 多国間のルールや国際機関は、どこまで機能しうるのか
- スペインのような国が、大国間関係の中でどのような役割を果たしうるのか
グローバルなつながりが身近になった今、中国とスペインの一つの会談も、輸入品の価格や投資先の選択、働き方など、私たちの日常と無関係ではありません。国際ニュースを、自分の生活や仕事とどう結びつけて考えるかが問われています。
関税や保護主義に頼らない選択は現実的なのか、多国間主義を支える枠組みは十分なのか。今回の動きをきっかけに、自分なりの答えを探ってみることが、次の行動や議論につながっていきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








