中国男子バレーが世界10位セルビアを3-0で撃破 ネーションズリーグで歴史的白星
男子バレーボール・ネーションズリーグで、世界24位の中国男子代表が世界10位のセルビアを3-0で破り、過去10戦全敗だった強豪から歴史的な白星を挙げました。試合は中国・陝西省西安市で行われ、ビタル・ヘイネン監督の56歳の誕生日を飾る勝利となりました。
世界10位セルビアをストレート撃破
試合は木曜日、中国・西安市で行われました。両チームとも立ち上がりから激しいラリーを繰り広げ、序盤は一進一退の展開となりました。
第1セットでは、中国の33歳のベテラン、季道帥(ジー・ダオシュアイ)が攻守に存在感を発揮し、このセットだけで8得点をマーク。接戦を25-23で制し、中国が先手を取ります。
勢いに乗った中国は、第2セットも粘り強い守備と安定した攻撃で主導権を握り、再び25-23で連取。第3セットでは18-13とリードされた場面でセルビアがタイムアウトを取りましたが、中国は落ち着いて対応し、最終的に25-20で締めてストレート勝ちを決めました。
この結果、中国は2010年以降セルビアに公式戦で10連敗していた流れを断ち切りました。直近の対戦である2023年のネーションズリーグでは、逆に中国が0-3で敗れていただけに、今回の勝利はまさに歴史的な一戦といえます。
日本戦完敗からわずか24時間での立て直し
中国はこの試合のわずか24時間前、世界6位の日本に0-3で敗れたばかりでした。ヘイネン監督はその試合後、「チームとして戦えていなかった。練習でやっていることを出せなかった」と厳しく自己評価していました。
一方のセルビアは、前夜にフルセットにもつれ込む消耗戦を戦った直後でした。ヘイネン監督は「セルビアの選手たちは疲れていた。われわれにはホームのアドバンテージがあったし、彼らは前の試合をわれわれより遅い時間に戦っていた」と、相手の状況にも言及しています。
それでも、前日の完敗から短時間で内容を立て直し、強豪相手にミスの少ないバレーをやり切った点は、中国にとって大きな収穫といえます。
ベテラン季道帥が引き寄せた流れ
この試合で象徴的な存在となったのが、33歳のアウトサイドヒッター、季道帥です。第1セットでは、要所でスパイクとサーブを決めて8得点を挙げ、中国にとって重い立ち上がりの空気を変えました。
序盤のシーソーゲームを制したことで、中国は自信と勢いをつかみ、そのまま第2、第3セットへと良い流れを持ち込むことができました。ベテランの安定感が、チーム全体の落ち着きにつながった形です。
世界ランキングで20位に浮上
今回の勝利によって、中国はランキングポイントを15.98ポイント獲得し、世界24位から20位へと順位を上げました。一方で、敗れたセルビアは12位に後退しています。
ランキング上位の強豪に対して内容の伴った勝利を挙げたことは、中国にとって数字以上の意味を持ちます。今後の国際大会に向けて、自分たちのバレーが世界に通用するという手応えを得た試合になったといえます。
セルビア主将「中国は以前より我慢強くなった」
敗れたセルビア側も、中国の成長を認めています。主将のマルコ・イボビッチは「中国は本当に良いプレーをしたが、われわれはそうではなかった。昨晩の遅い時間の試合で多くのエネルギーを失ったことも影響したかもしれない」と振り返りました。
さらにイボビッチは「中国は以前よりも我慢強くなっている。フランスなどの欧州チームのように、チャンスを待ちながらプレーしている。チャンスを生かすのは彼らの方がうまく、それが勝敗を分けた」と、中国の戦い方の変化を高く評価しました。
セルビアのクレツ・ゲオルゲ監督も「中国はミスのないクリーンなバレーをした。勝利に値する内容だった。大事な場面で、われわれよりも賢明なプレーをしていた」とコメントしています。
ヘイネン監督の誕生日を飾る「最高のプレゼント」
試合後、ヘイネン監督は選手たちとともにコートを一周し、観客とハイタッチを交わしながら勝利を分かち合いました。スタンドからは「ハッピーバースデー」の歌声が響き、56歳の誕生日を迎えた指揮官に特別な祝福が送られました。
ヘイネン監督はインタビューで「これからもっと勝っていく。この男子代表にはポテンシャルがあることを、中国のみなさんに示したい」と語り、チームの将来性に自信を見せました。
そして「自分の誕生日はいつも忘れてしまうが、きょうは素晴らしいプレゼントになった。ただ、何よりうれしいのは自分のことではなく、選手たちのためだ」と、勝利の主役があくまで選手であることを強調しました。
今回の中国の勝利が示したこと
今回のネーションズリーグでの勝利からは、中国男子バレーの現在地と今後の方向性が垣間見えます。
- 過去10戦全敗の相手に対し、ミスの少ない「クリーンなバレー」で勝ち切ったこと
- 前日の完敗から短時間で内容を修正し、「チームとして」戦い抜いたこと
- 海外の強豪から「以前より我慢強くなった」と評価されるスタイルの変化が見えたこと
ランキング20位への浮上も含め、中国男子代表にとって今回のセルビア戦は、単なる1勝以上の意味を持つ試合となりました。ヘイネン監督が語るように、「もっと勝っていく」チームへと成長できるのか。今後の試合にも注目が集まりそうです。
Reference(s):
cgtn.com







