太陽のくしゃみを追うDaocheng Solar Radio Telescope 中国南西部の巨大電波望遠鏡
中国南西部の山あい、標高3,800メートルを超えるDaocheng Countyに、SF映画のワンシーンのような巨大施設があります。直径およそ1キロの輪のように並んだ313本のアンテナと中央のキャリブレーションタワーから成るDaocheng Solar Radio Telescopeは、世界最大の合成開口電波望遠鏡として、太陽のくしゃみを静かに見つめ続けています。 国際ニュースでは宇宙開発や太陽観測がたびたび話題になりますが、この望遠鏡はまさにその最前線で活躍する装置の一つです。 この望遠鏡が観測している太陽のくしゃみとは、太陽表面で起きる爆発的な活動、つまり太陽噴出現象のことです。激しいエネルギーの放出や高温のガスが宇宙空間に吹き出す現象で、周囲の星間空間にまで影響を及ぼします。 Daocheng Solar Radio Telescopeは、これらの噴出がどのタイミングで起こり、どの方向に広がり、どれほど強いのかを、電波という形でとらえます。その名の通り電波望遠鏡は目に見えない電波を検出し、数値データとして記録する装置です。 この施設を特徴づけているのが、直径約1キロメートルのリング状に配置された313本のアンテナと、中心にそびえるキャリブレーションタワーです。これらのアンテナを組み合わせることで、あたかも巨大な一つの望遠鏡のように振る舞う合成開口という手法が用いられています。 多数のアンテナを協調させることで、高い解像度と感度を実現できるため、太陽から飛び出す微妙な電波の変化も細かく捉えやすくなります。標高の高い山岳地帯に設置されていることも、空気が薄く電波観測に適した環境を生み出しています。 Daocheng Solar Radio Telescopeで集められたデータは、単なる天文学の研究にとどまりません。太陽活動が宇宙空間や地球周辺にどのような影響を与えるかを予測し、高度な技術システムへのリスクを評価するために活用されます。 特に影響が大きいのが、宇宙プロジェクトや衛星通信といった分野です。強い太陽噴出が起きると、人工衛星の機器が誤作動したり、通信信号が乱れたりするおそれがあります。観測データは、こうしたリスクを事前に把握し、対策を講じるための重要な手がかりになります。 衛星通信は、衛星放送や一部のインターネット通信、船舶や航空機の運航など、私たちの生活を支える多くのサービスの基盤になっています。太陽活動を正確に監視し、その影響を予測することは、間接的に日常生活の安全性と安定性を高めることにもつながります。 Daocheng Solar Radio Telescopeは、普段ニュースの見出しに大きく取り上げられる存在ではないかもしれません。しかし、太陽のくしゃみを追い続けるその地道な観測は、宇宙開発や通信インフラを支える縁の下の力持ちと言えます。 中国南西部の山岳地帯に築かれたこの先端的な電波望遠鏡は、中国の科学技術イノベーションの力を、国際社会に静かに示す存在でもあります。国際ニュースの見えにくい裏側で、こうした観測施設が、宇宙と地上をつなぐセーフティネットの一部として機能していることを、改めて意識しておきたいところです。太陽のくしゃみとは何か
世界最大の合成開口電波望遠鏡という強み
宇宙プロジェクトと衛星通信を守る役割
私たちの日常ともつながる話
中国の科学技術力を示す静かな味方
Reference(s):
cgtn.com








