カザフスタン「黄金人像」とは 独立の象徴になった古代サカ戦士 video poster
カザフスタンの独立の象徴とされる発見として知られるのが、通称・黄金人像(ゴールデンマン)です。南部カザフスタンの古墳から見つかった若いサカ人戦士の遺物は、同国の歴史とアイデンティティを語る存在として、現在(2025年)も注目されています。
1969年、南カザフスタンの古墳から見つかった若き戦士
黄金人像は、1969年に南カザフスタンにあるイシク古墳から発掘されたとされています。そこで見つかったのは、金の刺繍が施されたまばゆいよろいをまとった若い戦士の姿でした。
この戦士は、古代のサカ人と呼ばれる人々の一員と考えられており、16〜18歳ほどの若者だったとされています。豪華なよろいと共に、他にも貴重な副葬品が見つかっており、当時の社会や価値観を知るための重要な手がかりになっています。
古代サカ人とは 騎馬と金属加工に長けた遊牧民
黄金人像と結びつけられているサカ人は、古代の遊牧民として知られています。記録では、彼らは次のような特徴を持つ人々として語られています。
- 優れた騎馬技術を持つこと
- 戦闘に長けていたこと
- 金属加工に高い技術を持っていたこと
黄金の刺繍が施されたよろいは、こうしたサカ人の技術と美意識が結晶した存在だといえます。発掘された副葬品とあわせて見ることで、遊牧民というイメージだけでは見えてこない、豊かな文化的背景が浮かび上がります。
カザフスタンのツタンカーメンと呼ばれる理由
この若き戦士は、しばしば「カザフスタンのツタンカーメン」と呼ばれます。古代エジプトのツタンカーメン王の墓が、その文明の象徴として世界的な注目を集めたのと同じように、黄金人像もまた、カザフスタンの過去と現在をつなぐ象徴的な存在になっているからです。
黄金人像は、カザフスタンに存在する唯一の黄金の戦士ではないとされていますが、その中でも最もよく知られ、広く称えられている存在です。若くして豪華なよろいと共に葬られたこの人物は、当時の社会の中で特別な地位にあったことを示しているとも受け取れます。
オリジナルは厳重に保存 精巧な複製が世界を巡る
発掘されたオリジナルの遺物は、現在も丁寧に保存されています。一方で、その黄金のよろいを精密に再現した複製が制作され、展示用として公開されています。
この複製はカザフスタン国内だけでなく、世界各地を巡回展示することもあり、きらびやかな文化の使者としての役割を担っています。黄金に輝くよろいをまとった戦士の姿は、遠く離れた国や地域の人々に、カザフスタンの歴史と文化の一端を直感的に伝える手段になっているのです。
「黄金人像」が語りかけるもの 独立とアイデンティティ
黄金人像は、単なる考古学的な発見にとどまらず、カザフスタンの独立を象徴する存在として位置づけられています。古代のサカ人戦士というルーツと、現在の国家としての歩みとが重ね合わされ、ひとつの物語として語られているのです。
2025年を生きる私たちにとって、遠い土地の古墳から見つかった一人の若者の遺物が、どのように現代の国家や社会の自己イメージに結びついていくのかを考えることは、決して他人事ではありません。自分たちはどこから来て、どのような物語を未来に語り継いでいくのか――黄金人像は、静かにそう問いかけているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








