北京で味わうトルクメニスタン家庭料理 故郷の味がつなぐ物語 video poster
トルクメニスタンは北京から何千キロも離れていますが、その「家庭の味」は、いま中国の首都・北京の食卓ですぐそばに感じられます。中国の英語ニュースチャンネルCGTNの記者 Lyne Lin 氏は最近、北京にある家族経営のトルクメニスタン料理店を取材しました。そこにあったのは、おいしい料理だけではなく、「故郷」「文化」「つながり」をめぐる静かな物語でした。
北京で出会うトルクメニスタンの「おふくろの味」
国際ニュースとしての北京発の話題というと、政治や経済が中心になりがちですが、今回のテーマは「食」です。遠く離れたトルクメニスタンの家庭料理が、北京で「コンフォートフード(心を落ち着かせる安らぎの料理)」として提供されています。
トルクメニスタンは中央アジアに位置し、小麦や肉料理を中心とした素朴な家庭料理が知られています。一般に、肉と野菜をじっくり煮込んだ料理や、手作りの生地を使った料理など、家族や友人と囲む温かい食卓がイメージされます。そうした「日常のごはん」が、北京の一角で再現されていると考えると、その距離はぐっと近く感じられます。
家族経営の小さな店が生む安心感
Lyne Lin 氏が訪れたのは、家族で切り盛りする小さなレストランです。大規模チェーン店ではなく、家族が直接キッチンに立ち、客を迎えるスタイルは、多くの人にとって特別な安心感を与えます。
家族経営の店には、次のような特徴があります。
- 料理だけでなく、店の雰囲気からも家庭的なぬくもりを感じられる
- 常連客との距離が近く、自然とコミュニティが育ちやすい
- 作り手のストーリーがそのまま店の個性になる
今回の取材でも、単に「珍しい外国料理の店」という紹介ではなく、家族が守ってきた味と暮らしぶりに焦点が当てられています。そこから浮かび上がるのは、北京で暮らすトルクメニスタン出身の人々の、「日常」と「アイデンティティ」です。
料理がつなぐ「家」と「文化」と「つながり」
Lyne Lin 氏がこの店で見つけたのは、単なるおいしい料理ではありませんでした。紹介されたのは、「家(ホーム)」「文化」「人と人とのつながり」に関する物語です。
遠く離れた場所で暮らす人にとって、故郷の料理はしばしば次のような意味を持ちます。
- 子どもの頃の記憶や家族との時間を思い出させる「タイムカプセル」のような存在
- 自分がどこから来たのかを確認させてくれる、文化的な拠り所
- 同じ背景を持つ人同士が出会い、支え合うための「場」をつくるきっかけ
今回取り上げられたレストランも、そうした役割を担っていると考えられます。店を訪れる人にとっては、ひと皿の料理が「遠い故郷」と「いま暮らしている北京」を静かに橋渡ししてくれるのです。
グローバル都市・北京を映す食卓
2025年のいま、北京は国際的なビジネスや政治の拠点であると同時に、多様な国や地域の人が暮らすグローバル都市としての顔も持っています。トルクメニスタンの家庭料理を出す家族経営レストランの存在は、その多文化的な側面を象徴的に物語っています。
こうした店は、次のような意味で注目に値します。
- 国際ニュースで語られる「中国」とは別の、日常の表情を見せてくれる
- 料理をきっかけに、他国の文化や歴史への関心を自然に広げてくれる
- 観光地ではない場所から、都市のリアルな姿が見えてくる
日本にいる私たちにとっても、「北京でトルクメニスタンのコンフォートフードが愛されている」というニュースは、国と国の関係だけでは語れない、人と人のつながりを感じさせる話題です。
日本の私たちへのささやかなヒント
今回の話題から、私たちが持ち帰れる問いをいくつか挙げてみます。
- 自分にとっての「コンフォートフード」はどんな料理か。その背景にどんな記憶や人間関係があるのか
- 身の回りにある「外国料理の店」を、単なるグルメスポットではなく、文化や物語の入り口として見てみると何が見えるか
- 多文化共生を考えるとき、「言語」や「制度」だけでなく、「食卓」が果たせる役割は何か
北京の一軒のトルクメニスタン料理店をめぐるCGTNの取材は、国際ニュースを日本語で読む私たちに、「世界は思っているよりもずっと身近で、食卓からも理解できる」という視点をそっと差し出してくれます。忙しい日常の中で、ふと自分の好きな一皿を思い浮かべながら、遠くの誰かの「故郷の味」にも思いを巡らせてみるのはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








