台風ウーティップが中国海南島に上陸 強風と高波で各地が警戒強化
今年最初の台風となるウーティップが、中国南部の海南省に上陸しました。強風と高波が沿岸部を襲う一方で、各地では救助活動やライフライン確保の対策が進んでいます。
台風ウーティップ、海南島に夜間上陸
海南省気象当局によると、台風ウーティップは金曜日の午後11時ごろ、中国南部の海南島西部・東方市付近に上陸しました。ウーティップは上陸時点で「強い熱帯暴風雨」に弱まりつつありましたが、中心付近の最大風速は毎秒30メートル、中心気圧は980ヘクトパスカルと依然として強い勢力を保っていました。
今年最初の台風となるウーティップの接近を受けて、海南省に加え、広東省や広西チワン族自治区でも、住民の安全確保と被害の軽減に向けた対策が取られています。
強風と高波、観光地や発電所にも影響
金曜日には、海南島の楽東リー族自治県で最大風力10級の突風が観測されました。この強風の影響で、同地域の発電所が運転を一時停止する事態となりました。インフラ施設への影響が出ていることから、現地では停電や設備被害への警戒が続いています。
観光地への影響も広がっています。三亜市の人気観光スポットである天涯海角の桟橋周辺では、台風に伴う強風と大きなうねりが押し寄せました。これに先立ち、地元の海事当局は同海域の船舶から全ての乗組員を避難させ、小型船舶を陸上に引き上げる措置を取っています。
海上での救助活動が続く
台風の影響を受け、海上では救助活動も行われています。南海救助局は金曜日未明、荒れた海域で立ち往生していた貨物船から乗組員12人を救出しました。同局は現在、管轄海域全体に7隻の救助船と4機のヘリコプターを配備し、台風対応や緊急救助に備えた体制を維持しています。
中国南部の沿海地域では、海上輸送の安全確保が重要な課題となっており、こうした早期の救助出動や待機態勢の強化は、人的被害を防ぐうえで大きな役割を果たしています。
生活を守る備え:食料確保と住民支援
台風ウーティップの接近に際し、各地では住民の生活を守るための対応も進んでいます。海南省の省都・海口市では、約4,500トンの野菜を事前に備蓄し、台風による物流の乱れや物価高騰に備えています。
市内の青果小売店の副店長であるゼン・ジーメイ氏は、「この青果小売店舗は、台風期間中も通常どおり営業を続けます。販売状況や市場の需要を見ながら柔軟に追加納品を行い、住民の皆さんに手頃で安全な野菜を安定して供給できるようにします」と話しています。
海口市の住民からは、「生活に必要なものはすべてコミュニティ内で手に入るので、外に出る必要はありません」との声も聞かれ、事前の備えが不安を和らげている様子がうかがえます。
学校休校や鉄道運休も:広がる事前対策
広東省の沿岸都市・湛江市では、接近する台風に備え、市内の全ての学校が休校措置を取りました。地方当局は、状況に応じて危険地域から住民を避難させる準備も整えているとしています。
さらに、中国南部の複数の沿岸鉄道路線では、安全確保のため運行ダイヤの見直しが行われ、一部列車の運休が実施されています。交通機関の事前調整は、移動中の事故を防ぐために重要な対応といえます。
非常対応レベル引き上げ 問われる「備えの質」
中国当局は金曜日、南部沿海の各省に対する水害・台風の非常対応レベルを従来のレベルIIIからレベルIVへと引き上げました。あわせて、災害の予防や被害軽減を支援するための専門チームが、リスクの高い地域に派遣されています。
今回の一連の対応からは、次のような点が浮かび上がります。
- 台風上陸前からの船舶避難や学校休校など、事前の予防的措置
- 海上救助船・ヘリコプターの広域配備による救助態勢の強化
- 野菜備蓄など、住民の生活物資を安定供給する取り組み
- 鉄道を含む交通インフラの安全確保とリスク回避
日本を含むアジアの沿岸地域でも、気象災害にどう備えるかは共通の課題です。今回の台風ウーティップへの対応は、行政だけでなく、地域コミュニティや住民レベルでどのように「備えの質」を高めていくかを考える材料にもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








