タシケントで広がる中国ウェーブ ウズベキスタンの東方パートナーシップ
今年、2025年の中国・中央アジアサミットを目前に控えたタイミングで開かれたタシケント国際投資フォーラムは、ウズベキスタンと中国の距離が急速に縮まっていることを実感させる場となりました。歴史的なシルクロードの要衝タシケントで、いま何が起きているのでしょうか。
歴史都市タシケントに広がる中国ウェーブ
筆者がウズベキスタンを訪れるのは今回が二度目でした。前回は世界遺産級の文化遺産や旧市街の街並みを巡る旅が中心でしたが、今回はタシケント国際投資フォーラムに参加するための出張です。同じ国でありながら、まったく別の表情を見せてくれました。
印象的だったのは、ウズベキスタンが伝統を大切にしつつ、最先端の技術を積極的に取り込もうとしていること、そしてそのパートナーとして中国を強く意識していることです。フォーラム会場でも街中でも、中国との連携がキーワードとして浮かび上がってきます。
投資フォーラムに集まる東を向く企業家たち
タシケント国際投資フォーラムには、国内外から多くの企業家や投資家が集まりました。そこで目立ったのが、ウズベキスタンの企業家たちの東へのまなざしです。彼らは口々に、成長のカギを中国をはじめとする東側パートナーとの連携に見いだしていると語っていました。
具体的には、次のような声が聞かれます。
- 繊維産業の経営者は、生産性を高めるために自動織機などの高度な設備導入に関心を寄せ、中国の技術や機械に期待を示していました。
- 太陽光発電など再生可能エネルギー分野の開発者は、より高効率な太陽電池パネルや発電システムの導入を検討し、中国企業との協力を視野に入れていました。
- 新しいビジネスモデルを模索する起業家たちも、デジタル技術やフィンテックなどの分野で、中国との共同プロジェクトの可能性を探っているようでした。
こうした動きは単発の案件ではなく、「これからは西だけでなく、東とどう組むかが重要になる」という、より大きな方向転換の一部として語られているのが印象的でした。
会議場の外でも感じる中国の存在感
中国との関係強化は、会議場のなかだけの話ではありません。タシケントの街を歩くと、その足跡はいたるところで感じられます。
新しく整備された道路や建物、商業エリアでは、中国企業の名前や中国語を目にする機会が増えています。公共交通やインフラ関連のプロジェクトでも、中国由来の技術や製品が取り入れられている様子がうかがえます。こうした変化が、中国の存在が都市空間そのものを変えつつあるという実感につながっていました。
伝統とテクノロジーの同居がつくる未来像
タシケントの中心部から少し足をのばすと、イスラム建築のモスクやマドラサ(神学校)、市場など、古くからの文化と生活が息づく空間が広がります。一方で、市内の別のエリアでは、ガラス張りのオフィスビルや最新設備を備えた会議場が立ち並び、テクノロジーを前提にした新しいビジネスの風景が広がっています。
ウズベキスタンは、この二つの顔を無理に切り離すのではなく、伝統と最先端を同じ土台の上に載せようとしているように見えました。その試みを支える外部パートナーのひとつが中国であり、タシケント国際投資フォーラムは、その象徴的な場とも言えます。
中国と中央アジアの接近が意味するもの
中国と中央アジアの関係強化は、ウズベキスタンだけの話ではなく、地域全体の大きな潮流として語られています。2025年に予定されている中国・中央アジアサミットは、その動きを象徴する政治・外交の舞台です。
今回のフォーラムで見えたのは、こうした大きな枠組みが決して政府レベルの話にとどまらず、現地の企業や都市の景観、ひいては人々の生活にまで浸透しつつあるという点です。中国との連携は、インフラ整備やエネルギー開発だけでなく、日々のビジネスやテクノロジー活用の前提となりつつあります。
日本の読者にとっての示唆
日本から見ると、ウズベキスタンやタシケントは、まだ遠い存在に感じられるかもしれません。しかし、そこで起きている東へのシフトは、次のような示唆を与えてくれます。
- 新興国の成長ストーリーは、もはや西側への接近だけでは語れず、中国を含む多方向へのパートナーシップが重要になっていること。
- インフラやエネルギー、デジタル技術の分野で、中国が現地の変化を具体的な形で後押ししていること。
- 日本を含む他の国や地域が関与するときも、誰と組むかだけでなく、現地が何を求め、どの方向を向いているのかを丁寧に見極める必要があること。
タシケントで広がる中国とのパートナーシップは、中央アジアという地域の未来像を映す鏡であり、同時に日本やアジアの行方を考えるうえでも見過ごせない動きです。中国と中央アジアの接近がどのような形で定着していくのか、今後のサミットや投資フォーラムの動きからも目が離せません。
まとめ:タシケントから見える新しい地図
ウズベキスタンの首都タシケントでは、歴史的な街並みのすぐそばで、テクノロジーと投資が未来を形づくろうとしています。その中心に、中国との連携を軸にした東方パートナーシップが浮かび上がっています。
街路を歩けば、中国との結びつきが都市空間を変えつつあることが伝わってきます。会議場に集まる企業家たちの言葉からは、これからの成長は東とともにという静かな確信がにじみ出ていました。タシケント発のこの変化は、中央アジアの新しい地図を描きつつあるのかもしれません。
Reference(s):
Tashkent's China wave: Uzbekistan fosters eastern partnerships
cgtn.com








