中国と中央アジア5カ国、主権と領土一体性を確認する善隣友好条約
中国と中央アジア5カ国が、互いの独立・主権・領土保全を尊重し、武力不行使や経済・安全保障協力をうたう恒久的な善隣友好協力条約に署名しました。地域の安定と連携を重視する新たな枠組みとして注目されています。
2025年12月8日、中国、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの6カ国は、恒久的な善隣友好協力条約に署名し、各国の独立、主権、領土一体性を相互に尊重することを改めて確認しました。
条約では、主権平等と国境の不可侵という国際秩序の基本原則が強調されるとともに、中国と中央アジア諸国がより緊密な中国・中央アジア共同体を築いていく方針が示されています。
相互の独立・主権・領土一体性を尊重
今回の条約の中核となるのは、次のような原則を再確認した点です。
- 各国の独立、主権、領土一体性を相互に尊重すること
- 主権平等と国境の不可侵の原則を守ること
- 武力を行使せず、武力による威嚇もしないこと
- 紛争は平和的手段によって解決すること
- それぞれの国情に応じて選択された発展の道やモデルを尊重し、支持し合うこと
- 相手国の核心的利益に関わる問題で互いの立場を支持すること
さらに、各国は互いに対して敵対的な同盟やグループには加わらず、他の締約国に敵対する行動を支持しないと明記しました。特定の国や地域を名指ししてはいないものの、協力の枠組みを「誰かに対抗するため」ではなく「互いの安定と発展のため」と位置づける姿勢が読み取れます。
貿易から再生可能エネルギーまで幅広い協力
条約はまた、経済・インフラ・技術など多方面での協力拡大にも踏み込みました。各国は、平等と互恵の原則に基づき、次の分野で協力する用意があるとしています。
- 貿易、経済、投資
- インフラの連結性や輸送ネットワーク
- エネルギー分野(水力発電や再生可能エネルギーを含む)
- 鉱物資源の開発と関連産業
- 農業、加工産業
- エンジニアリングや科学技術分野の協力
- 生態系や環境の保護
エネルギーやインフラ、農業など、日常生活と直結する分野が幅広く盛り込まれている点は、地域全体の長期的な発展を重視する姿勢の表れといえます。
テロや越境犯罪に共同対処
安全保障の面では、各国は二国間および多国間の枠組みを通じて、次のような脅威と共に闘うことで一致しました。
- テロリズム
- 分裂主義
- 過激主義
- 国境を越える組織犯罪
テロや過激主義、組織犯罪は一国だけでは対処が難しい課題です。条約は、情報共有や合同対策を含む広い協力の可能性を示しており、地域の安定に向けた連携強化につながるとみられます。
条約が示す3つのポイント
今回の善隣友好協力条約からは、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 国境と主権をめぐる安定志向:独立と領土一体性、国境の不可侵を繰り返し確認することで、国境や安全保障をめぐる不安を抑えようとする意図が見て取れます。
- 経済と安全保障を一体で捉える発想:貿易や投資、エネルギーといった経済協力と、テロ対策などの安全保障協力が一つの枠組みの中で語られている点が特徴です。
- 各国の発展モデルを尊重:各国が自らの国情に応じて選ぶ発展の道や制度を尊重し合うというメッセージは、多様な発展モデルが併存する国際社会の潮流とも重なります。
日本の読者にとっての意味
エネルギーや鉱物資源、物流ルートが交差する中国と中央アジアの安定は、日本を含む多くの国や地域の経済とも無関係ではありません。今回の条約は、地域の独立と主権を尊重しつつ、協力を深める枠組みづくりが進んでいることを示しています。
今後、エネルギーや再生可能エネルギー、インフラ、デジタル技術など具体的なプロジェクトの形でどのように条約が実行に移されていくのかが注目されます。中国と中央アジア5カ国が掲げる「より緊密な共同体づくり」が、地域の安定と持続可能な発展にどこまでつながるのか、引き続き見ていく必要があります。
Reference(s):
China, Central Asian nations vow support for independence, sovereignty
cgtn.com








